<御霊神社>
鎌倉のアジサイ;さらにもう一つの御霊神社(藤沢宮前)
(鎌倉・藤沢市境をお散歩)
2013年6月16日(日) 曇
<散策地図>
<まずは深沢・上町屋>
■I氏邸のアジサイ
梅雨の間で,ちょっと天気が良くなった日曜日.午後の空き時間を利用して,アジサイ見物と洒落込んだ.
例によって歩き出しの出発点は鎌倉中央公園清水塚口である.バス停で言えば鎌倉中央公園入口,成り行き任せのデタラメテクテク散歩である.出掛けるときは深沢地区をほんの20~30分程度散歩するつもりだったので,木綿のTシャツとショートパンツ,それに潰れそうな運動靴という超ラフスタイルである.
“雨の心配は?”
“雨か! まあ,いいや.もし雨ならば素直に濡れてしまおう”
ということで,邪魔な傘は持たないけれど,防水の安物カメラだけはポケットに忍ばせた.
ブラブラ歩きの始まりである.
独り歩きの楽しさは,すべて足任せで,気儘なデタラメ歩きができることである.登り坂より下り坂の方が歩き易いのだろう,私の足は勝手に坂道を下っている.
“そうだ! I氏邸のアジサイを拝見しよう…”
やっと,足任せでなく私自身の意思が表に出る.
歩き出してから5~6分で,I氏宅に到着する(個人宅なので冒頭の地図には非表示).
I氏宅の入口に「ご自由にご覧下さい」という案内があるのを確かめてから,そっと拝見する.
今年も素晴らしいアジサイである.ようやく見頃を迎えたところだ.素晴らしい! 暫くの間は楽しめそうだ.私は何枚かの写真を撮らせてもらう.
<I氏宅のアジサイは見頃を迎えている>
■上町屋天満宮
I氏宅のアジサイを拝見してからは,深沢の交差点付近までブラブラしてから,喫茶店タモリ(くれはあだ名)で,ゆっくりコーヒーでも賞味して帰宅しようか…と,何となく思っていた.でも,微風ながら涼しい海風が心地よいので,もう少し歩いてみたくなった.
そこで,成り行きから上町屋の方でも廻ってみようかという気分になる.
まずは上町屋天満宮を訪れて見よう.アジサイはあったかな?
旧国鉄の工場脇の道を上町屋に向かって歩く.自動車の往来は殆どないノンビリとした道が続く.やがて上町屋の集落に入る.上町屋は古くからある集落で,集落の中の道は複雑である.曲がりくねった道を辿って,上町屋天満宮に到着する.
“ありゃ~! ここにはアジサイは1本もないぞ!”
でも,道路を挟んで反対側の民家では沢山のアジサイが咲いている.
<上町屋天満宮>
■泉光院
続いて上町屋にある泉光院を尋ねる.ここは真言宗大覚寺派の寺で,山号は天守山.青蓮寺の末寺だった寺である.
山門を入ると,今が見頃のアジサイの先に御大師様と本堂が見える.
<泉光院>
■畑中の路地
泉光院から畑中の路地を,長島ふな公園に向けて歩く.路地の両側には畑が広がる.歩いていて,実に気分がよい所である.
路地の出口付近にある民家のアジサイが見頃である.
<泉光院付近の路地を行く>
■長島ふな公園
上町屋の外れにある長島ふな公園に到着する.
アジサイが1本ぐらいはあるだろうと思っていたが見当たらない.残念.
“さて,どうしよう?”
ここから,湘南モノレールの湘南町屋駅までは歩いて6~7分.そのまま丸山の坂道を登れば,自宅まで20分弱で戻ることができる.
このまま素直に家に戻るか,それとも,もう少し散歩するかで迷う.
“ああ,そうだ! 御霊神社へ行ってみようか”
そういえば,藤沢市宮前にある御霊神社に沢山のアジサイがあることを,フト思い出す.
<長島ふな公園>
<柏尾川を越えて藤沢へ>
■宮前川袋公園と御霊神社の森
長島ふな公園から,柏尾川沿いのバス通りに出る.柏尾川を渡れば藤沢市である.近くにある長島橋を渡るか,それとも少し南にある神鋼橋を渡るかで少し迷うが,どうせなら兜松を見てから御霊神社(ゴレイジンジャ;ゴリョウジンジャではない)に向かうことにする.
柏尾川の左岸に沿って,自動車がうるさいバス通りを3~4分歩いてから神鋼橋を渡る.そして神戸製鋼の工場沿いの道を歩く.
すぐに宮前川袋公園に到着する.ここから御霊神社の森…というか山が目の前に見える.
<宮前川袋公園> <御霊神社の山>
■鎌倉権五郎景政の兜松
神戸製鋼の敷地内に鎌倉権五郎景政の兜松跡がある.
工場の敷地内には入れないので,金網の外から覗くしかない.どの辺りに兜が埋められたは知る由もないが,まあこの辺りなのだろう.
兜松の由来は,下の写真の通りである.
<鎌倉権五郎景政の兜松>
■鎌倉古道上の道
兜松から東海道本線の線路に向かって歩く.
最初の三叉路を左に入ると,鎌倉古道(上の道)の案内板がある.ここから坂道を登ると,すぐに舗装道路は途絶えて山道になる.古道の面影が色濃く残っている散策路である.
<鎌倉古道(上の道)に入る>
<御霊神社>
■裏参道
鎌倉古道入口から100メートルほど歩くと御霊神社裏参道入口がある.
ここから御霊神社の境内に入る.ここはヤブ蚊が多いところなので,なるべく途中で立ち止まらないように注意する.
境内に入る.坂道を登ると拝殿裏山の尾根に出る.左折して尾根沿いに進むと旗立山である.
<御霊神社裏参道入口>
■御霊神社のアジサイ
御霊神社裏山に入る.
ジメジメとした杉林の中に沢山のアジサイが咲いている.辺りにはヤブ蚊が沢山居るので,一時も停まらずに歩きながら写真を撮る.そのためにどの写真もブレていてろくでもない写真ばかりである.随分気を付けたつもりでも,結果的に2~3箇所,ヤブ蚊に刺されてしまう.
ろくでもない写真ばかりなのに,結構,ヤブ蚊の射されてしまい痒くて仕方がない.
アジサイの花にも,いろいろあるようだが,私にはここのアジサイが珍しいものか,あるいは一般的なものかは分からないが,とにかく本数だけは沢山ある.もし,この神社が鎌倉駅や北鎌倉駅の側にあったら,きっと観光の名所になったに違いない.
<御霊神社裏山のアジサイ>
■本殿脇のアジサイ
ヤブ蚊が沢山居るので,なるべく早く明るくて広いところに降りよう党思う.
“そんなTシャツと半ズボンでは,ヤブ蚊に食われることなんか,最初から分かっているだろう…”
と私に身体に巣喰っているもう一人の私が,私を叱る.
“はい! ご尤もです…”
と答えるしかない.
でも,私に言わせれば,最初からこんなヤブ蚊だらけの所に来るつもりなどなかった.何となく偶然に来てしまっただけだ.それをとやかく言われる筋合いはない.
“くそ~っ…,何も好きこのんでヤブ蚊の餌食になっている訳じゃないよ.テメエなんか引っ込んでいろ…”
ともう一人の私を無言で罵倒する.
<御霊神社のアジサイ>
■長い階段の参道
ヤブ蚊を避けるために,早々に切り上げて,長い下り階段の参道を降りる.
ヤブ蚊さえ居なければ,裏参道から再び鎌倉古道に出たかったが,また,ヤブ蚊の洗礼を受けたのでは堪ったものではない.
階段を下ってから見上げると,随分と長い階段だったなと驚く.
鳥井脇のアジサイが丁度見頃である.
<御霊神社参道>
<村岡から大船駅へ>
■御霊神社の森を眺めながら…
宮前から御霊神社の山を一回りして東海道本線沿い道に出る.
ここで,また,藤沢駅に向けて歩こうか,それとも大船駅に向かおうか,あるいはまた兜松の前を通って湘南町屋に出ようかと迷う.ただ,湘南町屋に戻ったのではつまらないので,この案は直ちに却下だ.
ここからだと,大船駅よりは藤沢駅の方がずっと近いが,東海道本線の電車に乗って大船へ戻るもの面倒な気がする.
“では,大船駅へ出よう…”
…と,いうことで,まずは東海道本線沿いの道を北東に向けて歩き出す.左手には先ほど参拝した御霊神社の山が見えている,山の手前は藤沢市民農園の緑が広がっている.
<御霊神社の森と市民農園>
■空と海のガード
東海道本線ガードを潜る.なぜか「空と海のガード」と命名されているようだ…
ガードを潜ると,Takedaの途轍もなく大きな建物がまるで万里の長城のように並んでいる.その前の真っ直ぐな道を,大船方面に向けて,トボトボと歩き続ける.ウンザリするほど長い道である.
ここは,もう,トボトボと歩き続けるしかない.
<東海道本線のガードを潜る>
■遙か遠くに大船駅周辺の建物が見える.
途轍もなく大きな建物の前を,もう4~5分も歩いている.それでもこの会社の敷地が続いている.
頑丈なフェンス沿いに,何種類かの花が咲いている.花オンチには端の名前など分からないが,ときどきアジサイの花も混じっている.
こんな単調で長い舗装道路をトボトボと歩く人など少ないらしく,ほとんど人とすれ違うこともない.ときどき大船行のバス停がある.どのバス停でも数名の方がバス待ちをしている.
“大船まで一緒に歩きましょう…”
と無言でお誘いする.無言なので,当方のお誘いが相手に通じるはずもないが…
<大船に向けて単調な道を歩き続ける>
■塩竃神社
フラワーセンター前から柏尾川に掛かる小さな橋を渡って,左岸沿いの道に入る.
やがて,塩竃神社前を通過する.
この神社の存在は,地元の人しか知らないので,鎌倉ではマイナーな存在だが,立派な社殿の神社である.
以前,この神社の由来を調べたことがあるが,内容はすっかり忘れた.とにかく軽く頭を下げてから通過する.
残念ながら塩竃神社には,アジサイは無いなあ~
<塩竃神社>
■美形の大船観音
ようやく,大船駅に近付く.
大船観音を仰ぎ見るようになると,もう大船駅である.何時ものことながら,大船観音は実に美形だなと思う.駅に近付くと,人が増え出す.
15時25分,漸く大船駅に到着する.大船駅前15時35分発のバスに丁度間に合う.駅近くでコーヒーでも…と思っていたが,今日は省略.そのままバスに乗車する.
こうして,水平歩行距離6.6キロメートルのデタラメ散策は無事終わった.総歩数は約2200歩だった.
<大船駅近くから大船観音を望む>
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/cc1eb8f46adba0a1c2f0bb854a438187
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