ろーどロードオブザリングの撮影現場
<<ルアペフ山登頂>>
2006年1月30日(月) その4
ルアペフ山の登頂に成功した私達は,リフトを乗り継いで,16:02に下のリフト乗降場に到着する。リフトが下るにつれて,気温が高くなり,天候も回復してくる。そして,私達がリフトを降りたことには,快い天候に変わっていた。
ガイド頭が,私達を,映画,ロードオブザリングの撮影場所に案内するという。私はこの映画を見ていないので,撮影現場と言われても,あまり興味が湧かない。むしろ,面倒くさい。もう,私達はルアペフ山の登頂に成功したので,早くホテルへ戻って,昼寝をしたいなとすら感じている。しかし,せっかくのご厚意なので,快く従うことにした。
リフトの乗降場を降りてから右側,つまり東側に見える小高い鞍部を目指して歩き出す。ザックは乗降場近くの片隅に置いておく。辺りはルアペフ山の山裾が北から南に向かって下る大きなスロープである。私達が歩いている道路より小高いところに何軒か建っている。どうやらスキー客相手のホテルのようである。歩き始めて10分ほどで溶岩の岩壁の下に到着する。ここでガイドから,ロードオブザリングを撮影したときに,主人公の×××が何かをしたところだと説明している。映画を見ていない私には何のことかサッパリ分からない。
私は皆から少し離れたところで,辺りの写真を撮りながら待っている。やがて,説明が終わって,峠の方へ向かう。標高差で30~40メートルほど登るとサドル状の峠に達する。この峠を登る側から見ているとなだらかな丘のように見えるが,反対側は鋭く切り立った垂直な崖になっている
崖っ淵の小さなテーブル状の岩に上にガイド頭が立つ。そして,交代で下を覗くように皆をそそのかす。高いところは真っ平の私は,そんなところは,さっさと敬遠する。何とも形容のしようがないほど,切り立った奇怪な溶岩が壁のように続いている。ガイド頭の話だと,ここからバンジージャンプも楽しめるという。ここは古い火口の一部である。
15:50,私はサドルを出発して,先ほど登ってきたザレ道を引き返す。
15:56,リフト乗降場に戻る。広場にある建物の前で,添乗員のSさんが,
「トイレを利用される方は,この建物の中のトイレを利用して下さい。行かない方はバスにお戻り下さい・・・」
と私達を促す。
スケルトンさんと私は,建物から100メートルほど離れたところに停車しているバスを目指す。私より少し先を歩いていたスケルトンさんは,バスの近くでクールダウンのストレッチを始める。そのとき,ガイド頭がバスに乗り込む。
「・・・バスに乗らないの・・?」
とスケルトンさんと私に質問する。
「今,ストレッチをしているので,終わってから乗ります」
とスケルトンさんが答える。私は,ストレッチをする積もりだったが,誘われるようにバスに乗り込んでしまう。
私が乗り込むと,スケルトンさんを残したままバスは発車してしまう。
「・・・あれ,あれ,・・・」
と思っていると,100メートルほどバスをバックさせて,トイレのある小屋の前で停車する。なるほど,殆どの人が用を足している小屋へバスを移動してくれたのだ。
あっけにとられたスケルトンさんは,後からトボトボとバスを追いかけてくる。その様子をバスの中から見ていた私は,可笑しさが堪えきれずに,アハハと笑い出してしまう。
小屋の前でバスを停めると,ドヤドヤと仲間が乗ってくる。
16:05,私達を乗せたバスは,リフト乗降場を出発して,一路ホテルへ向かう。ルアペフ山の広々とした山麓を,バスはひたすら北上する。雨足がだんだんと強くなってくる。
16:16,ホテルに到着する。
ロビー入口で添乗員のSさんから,今夜の夕食のことや,明日のスケジュールについて懇切丁寧な説明を受ける。
ます,今夜の夕食は18:30から。
明日のモーニングコールは6:30。
朝食は7:00から。
出発は8:30。明日は,タラナキ滝とタマ湖を周回する約6時間のトレッキングに出掛ける予定である。
16:30,まずは自室へ引き上げる。
私は,明日のトレッキングコースの地図や情報をもう少し欲しかったので,インフォーメーションセンターへ行って仕入れてこようと思った。しかし,ホテルから外へ出てみると,かなり激しい雨が降っている。
優柔不断の私は,たちまちの内に購買意欲を失ってしまう。そのまま,悄々と自室へ戻る。そして風呂に入りながら,下着の洗濯を済ませる。同室のTさんはホテルにある1回2ドルのコインランドリーを使って洗濯をした。しかし,乾燥機が動かないとかで,洗濯が終っていない。
所在なく,室内でTさんと雑談する。お互いに,何となく日本の香りが恋しくなってきている。Tさんがバッグから梅干しを出す。私はTさんから貰った2個の梅干しを懐かしく味わう。山歩きをした直後なので,身体が塩分を欲していることもあって,実に美味しい。
私も密かに温存していた緑茶のパックを出す。そして,二人で久々の純粋日本茶を賞味する。
(第19回おわり)
<<ルアペフ山登頂>>
2006年1月30日(月) その4
ルアペフ山の登頂に成功した私達は,リフトを乗り継いで,16:02に下のリフト乗降場に到着する。リフトが下るにつれて,気温が高くなり,天候も回復してくる。そして,私達がリフトを降りたことには,快い天候に変わっていた。
ガイド頭が,私達を,映画,ロードオブザリングの撮影場所に案内するという。私はこの映画を見ていないので,撮影現場と言われても,あまり興味が湧かない。むしろ,面倒くさい。もう,私達はルアペフ山の登頂に成功したので,早くホテルへ戻って,昼寝をしたいなとすら感じている。しかし,せっかくのご厚意なので,快く従うことにした。
リフトの乗降場を降りてから右側,つまり東側に見える小高い鞍部を目指して歩き出す。ザックは乗降場近くの片隅に置いておく。辺りはルアペフ山の山裾が北から南に向かって下る大きなスロープである。私達が歩いている道路より小高いところに何軒か建っている。どうやらスキー客相手のホテルのようである。歩き始めて10分ほどで溶岩の岩壁の下に到着する。ここでガイドから,ロードオブザリングを撮影したときに,主人公の×××が何かをしたところだと説明している。映画を見ていない私には何のことかサッパリ分からない。
私は皆から少し離れたところで,辺りの写真を撮りながら待っている。やがて,説明が終わって,峠の方へ向かう。標高差で30~40メートルほど登るとサドル状の峠に達する。この峠を登る側から見ているとなだらかな丘のように見えるが,反対側は鋭く切り立った垂直な崖になっている
崖っ淵の小さなテーブル状の岩に上にガイド頭が立つ。そして,交代で下を覗くように皆をそそのかす。高いところは真っ平の私は,そんなところは,さっさと敬遠する。何とも形容のしようがないほど,切り立った奇怪な溶岩が壁のように続いている。ガイド頭の話だと,ここからバンジージャンプも楽しめるという。ここは古い火口の一部である。
15:50,私はサドルを出発して,先ほど登ってきたザレ道を引き返す。
15:56,リフト乗降場に戻る。広場にある建物の前で,添乗員のSさんが,
「トイレを利用される方は,この建物の中のトイレを利用して下さい。行かない方はバスにお戻り下さい・・・」
と私達を促す。
スケルトンさんと私は,建物から100メートルほど離れたところに停車しているバスを目指す。私より少し先を歩いていたスケルトンさんは,バスの近くでクールダウンのストレッチを始める。そのとき,ガイド頭がバスに乗り込む。
「・・・バスに乗らないの・・?」
とスケルトンさんと私に質問する。
「今,ストレッチをしているので,終わってから乗ります」
とスケルトンさんが答える。私は,ストレッチをする積もりだったが,誘われるようにバスに乗り込んでしまう。
私が乗り込むと,スケルトンさんを残したままバスは発車してしまう。
「・・・あれ,あれ,・・・」
と思っていると,100メートルほどバスをバックさせて,トイレのある小屋の前で停車する。なるほど,殆どの人が用を足している小屋へバスを移動してくれたのだ。
あっけにとられたスケルトンさんは,後からトボトボとバスを追いかけてくる。その様子をバスの中から見ていた私は,可笑しさが堪えきれずに,アハハと笑い出してしまう。
小屋の前でバスを停めると,ドヤドヤと仲間が乗ってくる。
16:05,私達を乗せたバスは,リフト乗降場を出発して,一路ホテルへ向かう。ルアペフ山の広々とした山麓を,バスはひたすら北上する。雨足がだんだんと強くなってくる。
16:16,ホテルに到着する。
ロビー入口で添乗員のSさんから,今夜の夕食のことや,明日のスケジュールについて懇切丁寧な説明を受ける。
ます,今夜の夕食は18:30から。
明日のモーニングコールは6:30。
朝食は7:00から。
出発は8:30。明日は,タラナキ滝とタマ湖を周回する約6時間のトレッキングに出掛ける予定である。
16:30,まずは自室へ引き上げる。
私は,明日のトレッキングコースの地図や情報をもう少し欲しかったので,インフォーメーションセンターへ行って仕入れてこようと思った。しかし,ホテルから外へ出てみると,かなり激しい雨が降っている。
優柔不断の私は,たちまちの内に購買意欲を失ってしまう。そのまま,悄々と自室へ戻る。そして風呂に入りながら,下着の洗濯を済ませる。同室のTさんはホテルにある1回2ドルのコインランドリーを使って洗濯をした。しかし,乾燥機が動かないとかで,洗濯が終っていない。
所在なく,室内でTさんと雑談する。お互いに,何となく日本の香りが恋しくなってきている。Tさんがバッグから梅干しを出す。私はTさんから貰った2個の梅干しを懐かしく味わう。山歩きをした直後なので,身体が塩分を欲していることもあって,実に美味しい。
私も密かに温存していた緑茶のパックを出す。そして,二人で久々の純粋日本茶を賞味する。
(第19回おわり)