中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルアペフ山・タラナキ山登頂記(14)大雪渓を滑り降りる

2006年04月12日 10時23分51秒 | ニュージーランド:ルアペフ・タラナキ
大雪渓を滑り降りる

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2006年1月30日(月) その4

 12:11にルアペフ山ドームピークで素晴らしい風景を堪能した私達は,13:43に山頂を出発して帰途につく。山頂から少し下ったところに横たわる雪渓を渡り,プラトーに沿って再び坂を登り返す。先ほど登ってきた山道への下山口を通りすぎで,そのままプラトーに沿って先へ進む。そして,東側の谷筋を下り始める。
下山してから100メートルほど下った標高2500メートル地点から,大きな雪渓の中に入り込む。かなり急傾斜の雪渓である。キックステップを繰り返しながら標高差で100メートルほど下った地点で,ガイドから雨具のズボンを履くように勧められる。この辺りから暫くの間,お尻制動で雪渓を滑り降りようとガイドが提案する。

「お尻で滑ったら,折角のゴアテックスの雨具が痛むな・・・」
と躊躇したが,日本の山域では,これほど大きな雪渓には,めったにお目にかかれないので,すぐに,
「ゴアテックスの1枚や2枚,どうなったって構わない・・・」
と気分が大らかになる。
 雨具のズボンを着終わった人達から順次お滑りを開始する。私達のグループ以外にも,私達とほぼ同じ人数の外国人グループも一緒になって滑り始める。滑るほどに加速されて,結構スリルがある。外国人女性が「キャーキャー」と奇声を上げながら私の脇を滑っている。お尻を浮かせるようにして,リュックを直接雪渓に接するようにすると,抵抗が小さくなるためか,余計に加速する。これが結構楽しい。年甲斐もなく興奮しながら,どこまでも滑り降りる。まことに痛快である。

結局,標高差約200メートル,滑走距離約600メートルを一気にお尻制動で滑り降りたことになる。その後は,露岩帯の合間に続く雪渓を下り続ける。この辺りまで降りてくると,少し狭い谷間に入り込む。冬場はゲレンデになるようである。途中で外人パーティを引率するガイドが,私達のガイドに,
 「そちらのルートは危ないよ・・・」
と大声で注意している。しかし,私達のガイド頭は,その注意を無視して,先頭のガイドに,「・・・構わず先へ進め・・・」
と指示をする。多少,英語の分かる私は,このやり取りを聞いていて,少し心配になるが,「まあ・・・ガイドが,そう判断したんだから,大丈夫だろう・・」
と自分を言い聞かせて,先頭のガイドに従う。
フクロウ,バーダー,私の順に,ガイドの後ろにピッタリと付いたまま,かなり急速で下山を続ける。そのとき,後ろの方では,酋長さんがガイド頭から,キックステップの実地訓練を受けていたらしい。
 14:40,先頭の私達は,川筋に出る。そこから暫くの間は,この川に沿って下り,東の方にトラバースする。この辺りからゴツゴツとした露岩帯を下る。やがて,霧の彼方にリフト乗り場が見え始める。
 14:56,私達はリフト乗り場に到着する。リフト乗り場では,ガイド頭が,まるで自分のリフトを扱うように,リフトの電源を自分で勝手に操作している。乗車券の検札もしない。14:58,1組4~5人ずつリフトに乗り込む。リフトが動き始めると,歩いているときは,それほど気にならなかった霧雨が,激しく身体に当たる。
 「シマッタ! 雨具の上着を着ておけば良かった!」
と後悔する。途端に,一昨年の残雪期に北アルプスの五竜岳へ登った帰りに,雨具を着ないまま霧雨の中をリフトで下り,えらく寒くて参ったことを思い出す。
 15:05,リフトの終点に到着する。そして,15:17,下のリフトに乗り継ぐ。今度は2人1組で乗り込む。私はスケルトンさんと一緒になる。リフトが下るにつれて気温が上昇する。だんだんと気分も良くなる。高度が下がるにつれて,いつの間にか霧が晴れて,眼下の山並みや点在する集落が良く見えるようになる。
 16:02,下のリフトの下車口に到着する。天気が回復して,とても気持ちが良い気温になっている。
 全員が揃うと,ガイド頭が,
 「このままホテルへ帰るのはもったいないので,ロードオブザリングの撮影場所を案内しましょう」
と申し出る。
         (第14話おわり)


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