やっぱり塔ノ岳:鹿のバンダナ
(単独山行)
2006年12月23日(土)
この頃,秋雨前線が停滞していて,なかなか天気の良い日が来ない。たまたま23日の天気予報は晴天のようである。これはもう塔ノ岳を登るしかない。
渋沢駅7時17分発大倉行のバスに乗車する。土曜日で好天。バスは超満員である。7時27分に大倉へ到着する。40~50人の登山客が一斉に降りる。土曜日のためか,秦野市丹沢遭難対策協議会のメンバーが登山者カードを提出するように呼びかけている。
例によって,出発前のストレッチをしていると,突然,私に声を掛けてくる人がいる。湘南カラビナ隊のメンバーの一人である。今日は「焼き鳥ウオッチング」で鍋割山へ登るとのことである。
ストレッチを済ませ,準備を整える。最初に歩き出した人達より,10分ほど遅れて,7時44分に大倉を歩き出す。今日は幾分寒い。勢い早足で歩くことになる。見晴茶屋辺りで,同じバスに乗車していた登山客の大半を追い越す・・・が,戸沢分岐を過ぎた辺りで,逆に1人の登山客に追い越される。
堀山の家の前から見事な富士山が見える。
<堀山の家から見た富士山>
10時丁度に塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は,2時間16分。私にとっては上出来の時間である。堀山の家で見えた富士山が塔ノ岳山頂では雲に隠れ全く見えなくなっている。残念。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
吹き曝しの山頂は寒い。たまらず尊仏山荘に飛び込んで,甘酒を注文する。常連らしい先客が数名,小屋番と雑談をしている。私からすぐ遅れて年輩の登山客が入ってくる。ラーメンを注文しながら,備え付けのノートに見入っている。
「・・・ここに4時40分って書いている人がいるが,夕方なの,それとも朝なの・・」
と小屋番に聞く。
「朝ですよ。夜中に登ってきて,暗い内にまた下山していく常連さんですよ・・・」
と説明する。これを切っ掛けにして雑談が始まる。登山客同士で会話が弾む。
「そういえば,Hさんは,今日登ってくるかな・・・?」
「多分,今頃,バカ尾根を登っていますよ・・・」
Hさんは,この塔ノ岳に1000回以上も登り続けている有名な方である。
「500回や600回登ったって,とても,とても話題にはならないよ・・」
「へえ・・・もういい年なのに大したものだな・・・」
「そういえば,秦野の××ばあさんは,ちょっとヨタヨタした歩き方に見えるが,結構,登りは速いよ」
「俺も,××歳になっても登れるかな・・?」
「何んの・・・大丈夫だよ。○○さんは××歳になってから,塔ノ岳に登り始めて,2時間で登れるようになったよ・・・その代わり,毎日のように塔ノ岳に登っていたよ・・」
「その代わりに,電車の定期券を買って毎日登らなければダメだよ・・・1週間に1度ではダメ・・・せめて2度は登らなければ強くならないよ・・・」
「塔ノ岳に登る常連は500~600人居るんだろうな・・・だんだん年をとって登れなくなる人が消えて,入れ替わるんだな・・寂しいね」
と他愛のない会話が弾む。私は小屋の片隅に座って,頷きながら会話を聞いている。その内に,常連の1人が,私に,
「今日はどこから登ってきたの・・・」
と話しかける。私が×4歳で,8キログラムのリュックを背負って,2時間16分で登ってきた・・・とても2時間では登れないと打ち明ける。
「へえ~,×4歳で,2時間16分。そんなに登れるならば,白馬あたりの北アルプスへも登れますよ」
と教えてくれる。私としては,もう少し難易度の高い山にも頻繁に登っているのに・・・拍子抜けしたが,
「そうですか・・・来年も頑張ります」
と答える。もう一人の人が,
「ならば,リュックの目方を半分ぐらいにすれば,2時間程度で登れるよ」
と私に助言する。
私自身は,何も速く登るだけが目的ではない。雨具,行動食,非常食,コンパス,地図,軽アイゼン等々,最低限の必携用品を背負って登ることに意味があると思っている。そうなると,リュックは,どうしても7キログラムほどの重さになってしまう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は,尊仏山荘の看板ネコは,どこかへ行っているらしくて居ない。
甘酒も飲み終わった。 そろそろ下山しようかと思う。ふと,売店を覗くと,鹿の図柄を印刷したバンダナが目に入る。思わず衝動買いをする。
<尊仏山荘のバンダナ>
10時27分に尊仏山荘を出発して下山開始。途中で沢山の登山客とすれ違う。大倉に12時23分に到着する。下山所要時間は1時間56分と平凡。
<威風堂々の親分ネコ>
今日は土曜日。バカ尾根の全ての小屋が営業していた。
堀山の家辺りから上は霜柱が立っていて,日が差すと泥濘になる。
[ラップタイム]
7:44 大倉発
↓
8:03 観音茶屋
↓
8:17 見晴茶屋
↓
8:44 駒止茶屋
↓
8:58 堀山の家
↓
9:34 花立山荘
↓
10:00 塔ノ岳山頂着
(おわり)
(単独山行)
2006年12月23日(土)
この頃,秋雨前線が停滞していて,なかなか天気の良い日が来ない。たまたま23日の天気予報は晴天のようである。これはもう塔ノ岳を登るしかない。
渋沢駅7時17分発大倉行のバスに乗車する。土曜日で好天。バスは超満員である。7時27分に大倉へ到着する。40~50人の登山客が一斉に降りる。土曜日のためか,秦野市丹沢遭難対策協議会のメンバーが登山者カードを提出するように呼びかけている。
例によって,出発前のストレッチをしていると,突然,私に声を掛けてくる人がいる。湘南カラビナ隊のメンバーの一人である。今日は「焼き鳥ウオッチング」で鍋割山へ登るとのことである。
ストレッチを済ませ,準備を整える。最初に歩き出した人達より,10分ほど遅れて,7時44分に大倉を歩き出す。今日は幾分寒い。勢い早足で歩くことになる。見晴茶屋辺りで,同じバスに乗車していた登山客の大半を追い越す・・・が,戸沢分岐を過ぎた辺りで,逆に1人の登山客に追い越される。
堀山の家の前から見事な富士山が見える。
<堀山の家から見た富士山>
10時丁度に塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は,2時間16分。私にとっては上出来の時間である。堀山の家で見えた富士山が塔ノ岳山頂では雲に隠れ全く見えなくなっている。残念。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
吹き曝しの山頂は寒い。たまらず尊仏山荘に飛び込んで,甘酒を注文する。常連らしい先客が数名,小屋番と雑談をしている。私からすぐ遅れて年輩の登山客が入ってくる。ラーメンを注文しながら,備え付けのノートに見入っている。
「・・・ここに4時40分って書いている人がいるが,夕方なの,それとも朝なの・・」
と小屋番に聞く。
「朝ですよ。夜中に登ってきて,暗い内にまた下山していく常連さんですよ・・・」
と説明する。これを切っ掛けにして雑談が始まる。登山客同士で会話が弾む。
「そういえば,Hさんは,今日登ってくるかな・・・?」
「多分,今頃,バカ尾根を登っていますよ・・・」
Hさんは,この塔ノ岳に1000回以上も登り続けている有名な方である。
「500回や600回登ったって,とても,とても話題にはならないよ・・」
「へえ・・・もういい年なのに大したものだな・・・」
「そういえば,秦野の××ばあさんは,ちょっとヨタヨタした歩き方に見えるが,結構,登りは速いよ」
「俺も,××歳になっても登れるかな・・?」
「何んの・・・大丈夫だよ。○○さんは××歳になってから,塔ノ岳に登り始めて,2時間で登れるようになったよ・・・その代わり,毎日のように塔ノ岳に登っていたよ・・」
「その代わりに,電車の定期券を買って毎日登らなければダメだよ・・・1週間に1度ではダメ・・・せめて2度は登らなければ強くならないよ・・・」
「塔ノ岳に登る常連は500~600人居るんだろうな・・・だんだん年をとって登れなくなる人が消えて,入れ替わるんだな・・寂しいね」
と他愛のない会話が弾む。私は小屋の片隅に座って,頷きながら会話を聞いている。その内に,常連の1人が,私に,
「今日はどこから登ってきたの・・・」
と話しかける。私が×4歳で,8キログラムのリュックを背負って,2時間16分で登ってきた・・・とても2時間では登れないと打ち明ける。
「へえ~,×4歳で,2時間16分。そんなに登れるならば,白馬あたりの北アルプスへも登れますよ」
と教えてくれる。私としては,もう少し難易度の高い山にも頻繁に登っているのに・・・拍子抜けしたが,
「そうですか・・・来年も頑張ります」
と答える。もう一人の人が,
「ならば,リュックの目方を半分ぐらいにすれば,2時間程度で登れるよ」
と私に助言する。
私自身は,何も速く登るだけが目的ではない。雨具,行動食,非常食,コンパス,地図,軽アイゼン等々,最低限の必携用品を背負って登ることに意味があると思っている。そうなると,リュックは,どうしても7キログラムほどの重さになってしまう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は,尊仏山荘の看板ネコは,どこかへ行っているらしくて居ない。
甘酒も飲み終わった。 そろそろ下山しようかと思う。ふと,売店を覗くと,鹿の図柄を印刷したバンダナが目に入る。思わず衝動買いをする。
<尊仏山荘のバンダナ>
10時27分に尊仏山荘を出発して下山開始。途中で沢山の登山客とすれ違う。大倉に12時23分に到着する。下山所要時間は1時間56分と平凡。
<威風堂々の親分ネコ>
今日は土曜日。バカ尾根の全ての小屋が営業していた。
堀山の家辺りから上は霜柱が立っていて,日が差すと泥濘になる。
[ラップタイム]
7:44 大倉発
↓
8:03 観音茶屋
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8:17 見晴茶屋
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8:44 駒止茶屋
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8:58 堀山の家
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9:34 花立山荘
↓
10:00 塔ノ岳山頂着
(おわり)