中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

富士山眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年64回目)

2012年12月27日 06時11分23秒 | 丹沢の山旅

                 <花立山から富士山・南アルプスを望む>

     富士山眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年64回目)
          (登り単独・下り常連と一緒)
        2012年12月26日(水) 


■年を取ると愚痴っぽくなる・・・
 毎度同じ様な書き出しになるが,部屋の中が寒いので,目が覚めてから起き出すまでが大変である.冬になると,毎回,毎回,同じ繰り返しになるが
 “今日は塔ノ岳に行くのをやめようかな・・・・”
と寝床の中で何回も何回も考える.そして,行くのをやめる尤もらしい屁理屈を一生懸命探す.でも,仮に塔ノ岳に出掛けるのをやめても,日が昇って辺りが眩しい陽光に照らされる頃になると,
 “ああ~ぁ・・・塔ノ岳へ出掛ければ良かったな”
と後悔するに決まっている.
 天気予報だと,今日は一段と冷え込むと言っている.随分と躊躇するが,意を決して登山用の衣服を着る.すると不思議なもので”迷い”は不思議に消滅して,
 “今日も行くぞ・・!”
という気分になる.
 真っ暗で不気味に静まり返っている住宅地の中を最寄りの駅に向かう.月もなく寒い.
 ”なんでこんな寒いときに,朝っぱらから出掛けるんだ・・・”
と自問自答しながら歩き続ける.
 小田原駅の階段二段跳び乗換も,カスカスのところで成功して,小田原6時24分発新宿行急行電車に乗る.電車はガラガラに空いているし,外がまだ真っ暗なので,なんとも薄ら寒い.富士山と矢倉岳がかさなった写真も,残念ながら外が暗いので撮れな

■朝日を浴びて・・
 渋沢発大倉行1番バスは,師走の平日にしては結構混雑している.
 超韋駄天のN村さんとS藤さん,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,M田さん,Y内さん,編集長のY川さんなどのご常連の姿が見える.
 バスは,少し遅れて7時丁度に大倉に到着する.超韋駄天組は,バスが大倉に到着すると,ほぼ同時に登山を開始する.
 7時06分,私は三角髭のTさん,Y内さん達と一緒に大倉から歩き出す.私は平地の間は何とか皆さんと一緒に歩けるが,坂道になると,到底,一緒には歩けない.せめて見晴山荘辺りまではご一緒しようかと思っている.
 登山口を過ぎて観音茶屋に近付く頃になると,進行方向右手,下方から眩しい太陽の光が林を抜けて射し込み始める.爽やかで実に気分がよい.直ぐ前方にご常連の後ろ姿が見えている.

<射し込む日の光を浴びながら登る>

■見晴階段
 7時42分,見晴山荘に到着する.山荘前で相模湾を見下ろしながら写真を撮っている間に,三角髭のTさんに先に行ってもらう.
 すぐに見晴階段に差し掛かる.三角髭のTさんのとは,もう大分差が付いている.
 林の間を抜けて,階段の真横から朝日が射し込んでいる.
 ともすれば急いで歩きたくなる自分を,
 “ゆっくり・・ゆっくり,マイペースで・・・”
と言い聞かせながら登り続ける.
 実のところ,私は.マイペースを守るという単純なことが,なかなか守れずに,ついついペースを上げてしまう軟弱者なのである.

<見晴階段に差し掛かる>

■自称ベテランの方
 三角髭のTさんと雑談をしながら歩く,たまたまリュックの重さが話題になり,私が
 「何時もは,(高所縦走登山に備えて)リュックの重さを7キログラムにしていますが,今日はシンドイので5キログラムくらいに押さえてきました・・・」
と話す.
 たまたま私達の側にいた年配の男性が,口を挟んでくる.
 「私は11キログラム背負っていますよ.縦走の時は13キロぐらい背負います・・・」
と自慢する.
 縦走と伺って,私は北アルプスの縦走を連想する・・・が,男性は,
 「この間は蛭ヶ岳まで縦走しました・・・」
私は内心で
 “ん・・!? 蛭ヶ岳! ちょっと辛いが大倉からピストンコースじゃないか”
と思う.それを察してか,
 「檜洞丸経由で西丹沢まで歩きましたよ・・」
 “なんだ! 北アルプスじゃなかったんだ・・”
 私は呆気にとられる.13キロを背負うのは,その人の勝手だが,重いものを背負うのを自慢にする人とは肌が合わない.1泊2日程度,しかも無雪期の登山で13キロとは! 勝手にしてくれ! 私などどんなに工夫しても7キログラム程度の重さになってしまう.1グラムでも持ち物を減らしたいのに・・・
 「10月には蓑毛から塔ノ岳に登りました.今日は塔ノ岳から蓑毛に下るつもりです・・・ときどきあなたの顔を見掛けるので,話しかけました・・・」
 「そうでしたか・・気がつかずにスミマセンでした」
 自分のリュックの重さを自慢する人とは関わりたくない・・・勝手にしてくれで,この方を抜き去って先に行く.1~2分,「ハア,ハア・・」と荒い呼吸をしながら,私達に付いてきたが,すぐに見えなくなる.

■素晴らしい堀山の尾根道
 8時10分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間04分.今の私には丁度良い速度で歩いてきたことになる.
 堀山の尾根に差し掛かる.柔らかい冬の太陽がタップリ降り注いでいる尾根道は実に心地がよい.ついついノンビリしたくなる.
 “帰りは,この辺りでノンビリ楽しみながら下ろう・・”
と思いながら,さわやかな尾根道を楽しむ.

<朝日一杯に射し込む堀山の尾根道>

■富士山が見事だ
 8時18分頃,富士山が良く見える場所に到着する.早速,デジカメで富士山の写真を撮る・・・が,どうも目に見えるほどの迫力を感じる写真が撮れない.モタモタしている内にF田女史に追い付かれる.
 “どうせ途中で追い抜かれるだろう・・・”
と思いながら.取りあえず堀山の家までの平らな所は,F田さんより先に行かせてもらう.


<堀山の尾根から富士山を望む>

■堀山の家
 8時26分,堀山の家を通過する.相変わらず富士山が良く見えているが,何故か私のデジカメで富士山の写真を撮ると,青空と富士山の区別が付かない.
 ”このバカカメラめ!”
 “ちったあ・・オレの思うとおりに写せよ”
とカメラを叱る.
 “何でこんなはっきり見えるものが写らないんだ・・”
と自分の技術のなさを棚に上げて,カメラに八つ当たりする.カメラは無言.
 さて,このところの私の目標は,堀山の家から花立山荘まで,“きっちり”40分で登ることである.誤差がプラマエ1分なら合格.それをはみ出すと不合格.でも,どんなに頑張っても38分はとても切れないことも分かっている.
 私は山の学校で習ったことを思い出しながら,歩幅を極々小さくして,一定のリズムで登り続ける.改めてこのことを意識しながら登り続けると,全く疲労感無しでほとんど平地を歩いているのと同じ感覚で登り続けられる.
 ”なるほど,やっぱり,・・・基本通りに歩くのが一番だな”
と再認識する.

<小草平から富士山を望む・・が,富士山は写らない>

■萱場平
 8時47分,萱場平に到着する.
 萱場平直前で,後から登ってきた韋駄天のTさんに追い抜かれる.萱場平でデジカメを構えたときには,もう韋駄天のTさんの後ろ姿は見えなくなっている.
 萱場平の向こうには素晴らしい青空が広がっている.

<萱場平>

■後7分坂登り口からの富士山
 8時59分,後7分坂登り口に到着する.ここからの富士山の眺めが素晴らしい.
 私はデジカメを取りだして,富士山の写真を数枚撮る.
 写真を撮っている間に,M田さんに追い抜かれる.

<後7分坂登り口から見た富士山>

■花立山荘
 私を追い越したM田さんの後ろ姿がだんだんと遠ざかっていく.
 私はそれでも標準時間の7分で階段を登り切って,9時06分に花立山荘に到着する.
 大倉からの所要時間は,丁度2時間.それに堀山の家からの所要時間は,ジャスト40分.予定通りの所要時間である.万歳! 計画通りに歩けたことが何よりも嬉しい.
 今日は素晴らしい天気で,花立山荘からの眺望もまた最高である.私は,山荘前の広場で富士山や相模湾の写真を何枚も撮る.
 私が写真を撮っている間に,Y内さんが私を追い越していく.
 「HFさんを・・・・」
とレコーダーに記憶している声が聞こえてくる.
 Y内さんの後ろ姿が見る見るうちに遠ざかっていく.
 花立山荘脇で,下ってくる超韋駄天のN村さんとすれ違う.

<花立山荘から富士山を望む>

■今日も快調なチャンピョン
 引きつづき,花立山に向かう.
 9時11分,下山してくるチャンピョンとバッタリ.
 「写真を撮らせて下さい・・・」
で万歳のポーズを取っていただく.
 チャンピョンは今日も快調のようである.

<チャンピョンとすれ違う>

■花立山からの眺望
 花立山山頂手前で,下山してくる超韋駄天のS藤さんとすれ違う.相変わらず快速である.
 9時16分,花立山山頂を通過する.
 相変わらず富士山や南アルプスが良く見えている.早速,ここでも沢山の写真を撮る.花立山付近から気温が一段と下がって寒くなる.

<花立山からの眺望>

■塔ノ岳山頂
 写真を撮りながら登り続けて,9時21分,金冷シを通過する.
 2~3日前に降った雪がまだ溶けずに残っている.もうここまで登れば,急いでもユックリでもラップにそれほどの違いはない.気が抜けたようにノンビリ登り続ける.
 山頂直下の階段で下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.
 9時36分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.
 大倉からの書状時間は2時間30分.またまた30分の壁は破れなかった.ポールの温度計で,気温はマイナス6.0℃.風は殆ど吹いていないが寒い.
 あいかわらず富士山が良く見えている.例によって辺りの風景をデジカメで一回り撮る儀式を済ませる.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■尊仏山荘
 写真を撮る儀式を済ませてから,尊仏山荘に入る.
 今日の小屋番はW田さん.例によって300円也のお茶を所望する.
 山荘には私を追い抜かしていったご常連の他に,自動車で早く大倉へ来られたという霜降りNさん(次からあだ名を変える)が居られる.こうしてみると,今日の常連の中で一番足の遅い亀さんは私と言うことになる.
 “くっそ~! 悔しいな~ぁ・・・!”
 私は内心で自分の不甲斐なさを,地団駄を踏みながら悔しがる.せめて2時間25分程度で歩きたいものである.
 入口近くで若い男性が居られる.伺うと私のブログを見て頂いているようである.感謝!
 お茶を飲んでいると,間もなく鍋割経由のU村さんとF田さんが山荘に到着する.山荘は常連を中心に大いに盛り上がる.
 「ネコ,生きていますか・・?」
とW田さんに伺う.
 「大丈夫ですよ・・・生きていますよ」
とのこと.これで一安心.それにしても営業部長なのに,この頃は余り客席に顔を出さないようである.

<尊仏山荘>

■ノンビリと下山
 10時10分,“霜降りの…”から,
 「もう,1時間もここにいるわ・・・そろそろ下山しましょう・・」
と誘われる.
 私もそろそろ潮時かなと思っていたので,ご一緒することにする.たまたま下山の準備をしていたY内さん共々,3人で下山開始.
 山荘の外へ出ると,やっぱり猛烈に寒い.この寒さも花立山荘までと分かっているので,防寒具無しのまま下山を開始する.
 「うひゃ~ぁ・・・寒い!」
とはいうものの,まあ,ユックリのペースで下山し続ける.
 金冷シ付近の凍土が融け始めている.
 10時37分,花立山荘を通過する.その後も,同行のお二人が,私のノソノソペースに合わせてくれるので,実にノンビリと下り続ける.
 途中で足早のF田さん,M田さん,K村さんが私達に追い付き合流する.ここからはやや速いペースで,雑談をしながら下り続ける.
 「来年は蝙蝠岳へ行きましょうよ・・・」
という話が出る.
 “うん・・あのコースは,天気さえ良かったら素晴らしいな,ちょっとシンドイ気もするが,行っても良いかな・・・”
と心の中で動揺する.
 その後は快調に下山し続けて,12時16分,大倉に到着する.下りの所要時間は2時間08分.堀山の尾根まで,実にノンビリ歩いたにしては,随分と速いラップである.


<ご常連と一緒に下山>

コーヒーを賞味して帰宅
 大倉発12時22分の渋沢行のバスに乗車する.気分は最高である.
 渋沢から小田原までの小田急電車はダイヤが乱れていて急行に乗ったつもりが各駅停車の電車である.ポカポカと日が射し込む車内に座っていると,睡魔が襲ってくる.やっとの思いで寝込んでしまわないようにして,東海道本線の電車に乗り換える.
 少し待たされたが快速アクティ東京行の電車に乗車する.またもや睡魔.大船を乗り過ごさないように一苦労である.
 13時54分,大船に到着する.
 このまま家に帰るには太陽が高すぎる.成り行きで,大船駅構内のBecker'sに入り込んで,ブレンドコーヒーを所望する.薫り高いコーヒーを賞味している内に眠気もなくなる.
 師走の大船駅界隈は買い物客で混雑している.家まで歩いて帰ろうかと随分迷ったが.家の近くの鎌倉中央公園を山のリュックを背負ったまま歩くのも気恥ずかしいので,路線バスを利用して帰宅する.
 今日もハッピー,ハッピーだった.

<ラップタイム>

 7:06  大倉歩き出し
 7:26  観音茶屋
 7:40  見晴山荘
 8:10  駒止茶屋
 8:26  堀山の家
 9:06  花立山荘
 9:21  金冷シ
 9:36  塔ノ岳山頂着(-6.0℃)
10:10      〃  発
10:23   金冷シ
10:37  花立山荘
11:13  堀山の家
11:48  駒止茶屋
11:49  見晴山荘
12:02  観音茶屋
12:18  大倉 着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
   
大倉  発       7:06
   塔ノ岳 着       9:36
   (所要時間)    2時間30分(2.50h)

   水平歩行速度   7.0km/2.50h=2.80km/h
   登攀速度      1269m/2.50h=507.6m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
   塔ノ岳  発      10:10
   大倉   着       12:18
   (所要時間)    2時間08分(2.13h)
   水平歩行速度     7.0km/2.13h=3.29km/h
   下降速度       1269m/2.13h=595.8m/h
                                  (おわり)

※誤字脱字転換ミスは後刻訂正します.

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9d39c658d58fa7aebab8de7d6ee5e4ce
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dca0916a1cf691a940915eb6f6fab2b7



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。