英語学習は続く・・

英語ドラマや映画を繰り返しみて
そして原書をたくさん読んで☆
声を上げて読む〜☆

怪人二十面相 87

2023-01-30 22:40:57 | 怪人二十面相

「わしがほんものじゃ」

"I'm the person in question"

「この人でした。この人にちがいありません。」
 小林君は、キッパリと答えました。

"This is the guy. I must say."
Kobayashi said positively.

「ハハハ……、どうだね、きみ、子どもの眼力がんりきにかかっちゃかなわんだろう。きみが、なんといいのがれようとしたって、もうだめだ。きみは二十面相にちがいないのだ。」

"Ha ha ha. What do you think. You can't beat the boy's power of observation. How hard you try to fudge up anything, it won't work. You are that Twenty Faces."

 中村係長は、うらみかさなる怪盗を、とうとうとらえたかと思うと、うれしくてしかたがありませんでした。勝ちほこったように、こういって、真正面から賊をにらみつけました。

The chief Nakamura was in rapture with this success capturing the long wanted thief he had been holding pent-up resentment. He said triumphantly and glared at him directly.

「ところが、ちがうんですよ。こいつあ、こまったことになったな。わしは、あいつが有名な二十面相だなんて、少しも知らなかったのですよ。」

"But it's not. How awkward. I didn't know he was the famous Twenty Faces at all."

 紳士に化けた賊は、あくまでそらとぼけるつもりらしく、へんなことをいいだすのです。

It seemed like the villain who disguised himself as a gentleman was trying to play innocent, saying like that.

「なんだって? きみのいうことは、ちっともわけがわからないじゃないか。」

"What? I don't understand what you are talking about."

「わしもわけがわからんのです。すると、あいつがわしに化けてわしを替え玉に使ったんだな。」

"I have no idea. I guess he pretended me making me a backup man."

「おいおい、いいかげんにしたまえ。いくらそらとぼけたって、もうその手には乗らんよ。」

"Hey hey, that's enough. We won't be deceived anymore."

「いやいや、そうじゃないんです。まあ、落ちついて、わしの説明を聞いてください。わしは、こういうものです。けっして、二十面相なんかじゃありません。」

"No, it's not like that. Please calm down, listen to me. I am this, no Twenty Faces."

 紳士はそういいながら、今さら思いだしたように、ポケットから名刺入れを出して、一枚の名刺をさしだしました。それには『松下庄兵衛まつしたしょうべえ』とあって、杉並区すぎなみくのあるアパートの住所も、印刷してあるのです。

As he talked the gentleman took a business card case from the pocket and show his card. It said "Shoubei Matsushita" and his adress, an apartment in Suginami district, was also written.

「わしは、このとおり松下というもので、少し商売に失敗しまして、今はまあ失業者という身のうえ、アパート住まいのひとり者ですがね。きのうのことでした。日比谷ひびや公園をブラブラしていて、ひとりの会社員ふうの男と知りあいになったのです。その男が、みょうな金もうけがあるといって、教えてくれたのですよ。

"I am Matsushita as it says. I lost my job so I'm an unemployed single man right now living in an apartment. Just yesterday when I was hanging around in Hibiya park and met a guy looked like an office worker. He imformed me there was this weired moneymaking.

 つまり、きょう一日、自動車に乗って、その男のいうままに、東京中を乗りまわしてくれれば、自動車代はただのうえに、五千円の手あてを出すというのです。うまい話じゃありませんか。わしはこんな身なりはしていますけれど、失業者なんですからね、五千円の手あてがほしかったですよ。

I mean, if I got in the car and ran around whole Tokyo as he said, he would pay the ride and pay me 5,000 yen. It's a good job, isn't it? I look like this but I have no job, so I wanted the 5,000 yen.

 その男は、これには少し事情があるのだといって、何かクドクドと話しかけましたが、わしはそれをおしとどめて、事情なんか聞かなくてもいいからといって、さっそく承知してしまったのです。

He started a tedious explanation but I interrupted him to accept the job because I didn't care the detail. 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。