会津の伝統工芸を楽しく学ぶ講習もいよいよ大詰め
会津漆器の工房をお訪ねしてまいりました。
安土桃山時代に蒲生氏郷が 会津の領主となったさい、
職人を近江から伴ってきたのが本格的な始まりと言われています。
会津藩初代藩主・保科正之の奨励もあり、以来、会津は漆器の大産地となったのでした。
漆器の製作は、さまざまな工程を多くの職人がそれぞれ分担して
作業をする《分業制》がなされています。
会津は特にこの《分業制》が際立っており、
《木地制作》 《下地付け・塗り》 《加飾》と別れ、
それぞれ 木地師・惣輪師(指物師とも言う)
板物塗り師・丸物塗り師
蒔絵師・沈金師 とそれぞれ専門の職人です。
今回おじゃましたのは、
木地師・・・三浦木工所
一年以上自然乾燥させた(5年・10年のスパンでお考えくだされ)
木材を製材した状態から木取りをし、大まかな形へ荒挽きし、またまた
何年も自然乾燥。その後、ろくろ挽きとなります。
丸い物を扱う丸物とは別に、板の物を扱うのは、惣輪師となります。
小さな鍛冶場を備えていて、自分に合ったのみを作るのだそう。
これが出来るまでに、何年もかかるって。
職人さんの世界って、本当に地道な作業の積み重ねなんですね。
荒挽きされた木地の積まれた工房
その後、下地塗りから漆でもっての下塗り・上塗り
今回は、金虫喰い塗りの仕上げ方法を行なう 大吉屋さんを見学しました。
黒漆の上に、大麦を全面に蒔き乾燥後、大麦を取り除くことで
模様を得ると。その後のいろいろな作業で【金虫喰い】の模様となるそうです。
一つのお椀に何度も何度も塗り・磨き・乾燥等の手が加わって、やっと
一つの品物となる。。。
塗り師が塗りあげたあと、最後の仕上げに【加飾】を行ないます。
漆で絵を描いた上に、金粉・銀粉を蒔きつけるのが、【蒔絵】
詳しく説明してくださいました。
漆器と言うと、非常に高価なもので(広く大衆向けに出回る安価なものもあります)
現代の生活では、普段遣い・・・にとは、なかなかしにくい物ではありますね。
でも、もし、お正月にいただく雑煮やお吸い物に使う少し良いお椀でも
あるのでしたら、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
少~しきもちが豊かになるかも・・・