相撲の本、第2弾は元振分親方こと笹木淳二著の「大相撲 型破り交友録」です。
この振分親方、現役時代のしこ名は「朝嵐」。大阪府出身で高砂部屋の所属。幕内在位は1場所だったので相撲ファンでもあまり記憶にない方だと思う。
現に私も、親方一覧を見るたびに「なんでこんな人(失礼!)が親方として残っているんだろう?」と長年不思議に思っていた1人でした。
が、しかし、この本を読んでみると4代目高砂(元横綱・前田山)と5代目高砂(元横綱・朝潮)は特に信頼していて、直々に「(協会に)残れ」と言われた事が分かり長年の「謎」が解けました。
これが協会に残る理想の形ですね。ただ「成績」だけを照らし合わせ、基準に達しているから「残る」のとは雲泥の差があります。
「交友録」と題していますが、高砂部屋の部屋付き親方の仕事(タニマチ探しなど)や高見山、小錦、水戸泉の話や先代高砂(元小結・富士錦)や現高砂(元大関・朝潮)の事など、高砂部屋力士の話が中心になっています。
朝青龍が引退前に出版された本ですが、様々な事件への伏線となるような現高砂の言動や、境川理事長の交代劇から北の富士退職の真相。現高砂の理事選辞退の裏側などがよく分かりました。
文章の書き方もうまく、実に興味深い内容で一気に読んでしまいました。
近年では一番おもしろい内容です。是非、先に紹介した北の富士勝昭 「緊褌一番」と併せて読んでほしい本だと思います。