最近,仕事の絡みもあって通勤の車内で地元FM局を聴くことが多い。
中央のネットワーク番組も多いが,夕方はローカル番組が多く,情報を得ることができるので結構重宝していたりする。
したがって,のっけは地元の話題で恐縮だが,我が県の石巻市が現在工事中の三陸自動車道の橋とトンネルの名称を一般公募したらしい。
そして,仙台平野を流れる代表的な河川である北上川にかかる橋の名が「日高見大橋」と決定したという。
この名称を応募したのは地元の小学生の女の子だったようだが,聴いた瞬間「お見事」と私は快哉を叫んだ。
「日高見」とは,日本書紀にも載っている陸奥国胆沢郡を中心とした日高見国(ひだかみのくに)を指すらしい。
太陽が高く美しく照らす国,といった意味だそうで,そこを悠然と流れる大河が日高見川(ひたかみがわ)で,それがやがて北上川(きたかみがわ)と呼ばれるようになったという。
「日本書紀」の成立は8世紀。
天皇記,国記といった我が国の成り立ちを記す書が勅命によって編纂された時期であり,舎人親王の命で太安万侶が編纂したといわれる「古事記」もこの時代の産だ。
神話を是とするか否か,という問題はイデオロギー論者に任せるとして,天皇を中心とした中央集権的国家が律令制を基にして形成されようとした時期でもあった。
つまり「日高見」なる名称は,1,300年もの歴史と伝統を誇る由緒正しきものなのである。
知る人ぞ知る石巻市の銘酒「日高見」の由来も勿論同様である。
「平成の大合併」に対して散々ぼろくそに言ってきた私だが,今回の命名で幾らか溜飲を下げた思いだ。
尤も,旧日高見国たる岩手県胆沢郡が岩手県奥州市なる名称に変わってしまい,水沢市と江刺市がそれぞれ区になってしまったことに関しては,落胆せざるを得ない(宮城県栗原市といい勝負だ-ATOK2005で変換せず・・・)。
ついでに言ってしまえば,先日製紙業の盛んな愛媛県四国中央市なる名称を知って「どこだ,それ」と思いきや,旧川之江市と伊予三島市のことだそうな。
地元の方には申し訳ないが,もうええ加減にせんか,である(度怒り炎之助・・・)。
車を置いていく算段をしなくてはなりませんね。