koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

不人気作曲家

2006年12月14日 22時37分17秒 | 音楽

不人気-何と魅力的な言葉だろう。
私のような天の邪鬼にはまたとない福音のような言葉である。
不人気なものについてだったら,根多切れにならないかもしれない・・・。
という訳で,今日は不人気な音楽について述べてみたい。


基本的に若い頃はボーダーレスであらゆるジャンルの音楽を聞きかじったが,最終的に残ったのが,クラシック,ジャズ,ヒュージョン,プログレッシブ・ロック,歌謡曲(懐メロ)の5つである。
中でもクラシックは5%産業と言われ,衰退が叫ばれて久しい。
私のような嘗ての若者には人気で,以前も書いたようにコンサート会場は若者が大部分で,外来の演奏家たちは羨ましく思ったそうだが,今は若者には特に不人気らしくコンサート会場は私のような元若者ばかりだった。


で,何百年も前の音楽に流行も何もあったものではない,と思われがちであるが,実はクラシックにも流行がある。間違いなくある。
良い例が60年代後半から80年代までの異様としか思われないマーラー(1860-1911)のブームであろう。
ステレオ録音が定着したことで音の解像度が抜群に良くなりオーケストラ演奏の精度も上がったことから,大編成のオケ+独唱・大合唱(場合によってはハルモニウム:パイプオルガンも)といった大規模な構成の楽曲が俄に脚光を浴び,次々と演奏会で取り上げられ新録音も登場した。
世紀末の絶望的な世相,暗澹たる人生への思い,死の予感,そしてそれらとは逆の生の喜びへの讃歌と再び絶望へ落ちる断末魔の叫び・・・。
そうしたものが,これでもかこれでもか,とばかり1時間以上にわたって波状攻撃をかけてくる。
私なんかはすっかり辟易して,今となっては年に一度聴くか聴かないかという程度だが,私の知人の自称クラシック通たちは皆一様にマーラーの交響曲や歌曲を
「男のロマンだ」
とか言いながら崇め奉って聴いていた。


勿論,天の邪鬼な私がそんな流行に乗るはずもない。
そして,不人気な作曲家を探す。
音楽雑誌の人気投票や当時隆盛を誇ったFM雑誌のランキング,そして評論家の書いた入門書を読みふけった結果,2人の不人気作曲家が浮上した。
独ロマン主義の大作曲家であるメンデルスゾーン(1809-1847)とシューマン(1810-1856)である。
有名な音楽評論家の書いた書には以下のような文章が載っていた。
「メンデルスゾーンには第3番『スコットランド』・第4番『イタリア』,シューマンには第1番『春』第3番『ライン』といった代表的な交響曲があるが,求心力や迫力といった点 で特筆すべき存在ではない」


おそらく約40年前に書かれたものであろうが,当時はこんな文章が出版されており,有難がられていたのである。
メンデルスゾーンとシューマンの交響曲を評論家が誹謗するなんて信じられない話だが,事実である(著書も著者も失念したが・・・)。


・・・でもって,ではこの二人の作品は本当に求心力も迫力も無いのだろうか・・・。
実はこの後,メンデルスゾーンについて私考を書こうと思ったのだが,前振りがやたら長くなりすぎた。
いつもの悪い癖である。
ようやくノってきたのだが,子どもを寝せろと呼ばれるし書いたら書いたでとんでもない分量になりそうなので今日はここで矛を収める。
気が向いたらいずれ書きたいと思う・・・(無責任)。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ライン (tomo)
2006-12-14 22:39:52
 すばらしく好きです。シューマンは歌曲はもちろんGOODですが、ラインは良いです。お勧めです。
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「ライン」良いですね (koshi)
2006-12-17 20:25:28
私もお気に入りです。
いずれシューマンの作品もエントリしたいと思っています。
メンデルスゾーンが先か,と思っていましたが・・・。
ドイツリートの正統とも言うべき歌曲は勿論ですが,ピアノ曲にも「謝肉祭」,「ノヴェレッテ」,「子どもの情景」,「クライスレリアーナ」等の名曲が山盛りです・・・。
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