koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

關西紀行,其之拾七:幻の大津京・・・

2014年01月27日 22時09分30秒 | 旅行,および「鉄」

さすがにホテル暮らしも,3日目ともなると,慣れよりも疲労の色が濃い。
前にも書いたが,家では和室に煎餅布団を敷いて寝ているので,どうにもベッドというのは,慣れないというか,寝付けない。
あとは,トイレと風呂が一緒という西洋人の感覚には付いていけない。
便器だけは,和式より洋式に慣れてしまったが,どうもあのユニットバスというのは駄目だ・・・。


・・・ということで,ホテルの優雅な朝食の後(後で紹介します),最低限の荷物 (ガイドブックとカメラ)の持って,京都駅へ向かう。

ホテル前で,面白いものを発見。
昨日より,さらに近道を見つけた。

撮り鉄になった後,非常に無駄なのだが,山科までの1区間,JRに乗る。
本日の目的地は比叡山故に,山科で京阪に乗り換え,終点の坂本まで行き,そこからケーブルカーで・・・というパターンである。
できれば,出町柳から叡山電鉄に乗り,八瀬からケーブルに乗り換えて,比叡山を横断して,坂本に降りるというルートが望ましかったのだが,専用切符が12月頭までしか売っておらず,一昨年も利用した京阪乗り放題の「湖都古都おおつ1dayチケット」を京阪山科駅で買う。
何せ500円だし,坂本ケーブルが20%引きという。
京阪の駅員さんは,どこも親切だった印象があるのだが,今回の山科駅のおにいさんも至極丁寧で,やはり比叡山に行くなら,このルートが一番経済的であることを教えてくれた。


京阪に乗るなら,先頭車両(京津線は)と決めている。

何せ,ロングシートではなく,1人掛けまで有る。
この時間帯は混まないので,乗り換えの浜大津まで,逢坂山の麓をまったりと乗ることができる。
JRの3つ(新幹線・東海道本線・湖西線)が,トンネルであっという間に大津へ抜けていくのに対して,京阪は旧東海道に沿って谷合を通っていく。
平安の昔,今昔物語にあるように,逢坂山に住む蝉丸法師の元へ,秘曲「龍泉啄木」の伝授を願って,通い詰めたという源博雅(陰陽師に出ていた伊藤くん)も,ここを通ったのだろうか・・・。


これやこの 行くも帰るも分かれつつ 知るも知らぬも逢坂(あふさか)の関      蝉丸


百人一首だと,分かれつつ→分かれては,となっているのだが・・・。
関蝉丸神社が,かろうじて往時を偲ぶ唯一のものとなっているようだ・・・。

私が京阪を気に入っている理由の1つとして,上栄町を出てから,浜大津までの数百メートルが,国道161号線(西近江路)上の路面電車となるからだ。
なかなか見られない光景である。
海外では,トラムとかいって,エコロジーな乗り物として,路面電車やトロリーバス(スイスのルツェルンで見た)が注目されているが,こうした「鉄」とモータリゼーションの共存こそ,近未来の都市交通の在り方の1つ示唆を示しているような気がする・・・。


浜大津で待つ間もなく,坂本行きにトランジット。
一昨年三井寺に行って以来だが,2つ目の皇子山駅で,JR湖西線とクロスする。
但し,駅は別で,あちらは大津京駅と,ご大層な名を付けている。
因みに,かつて私が学生時代に湖西線完乗を果たした際,ここで降りたのだが,当時は西大津駅と言った。
皇子山の皇子とは,多分弘文天皇-大友皇子のことだろうが,その陵は,大津市役所の後ろに有るようだ。
壬申の乱の悲史と共に,幻と言われて久しい大津京(近江京)の様子も,次第に明らかになっていくのだろうか・・・。
因みに,父の天智帝の陵墓は,何と京都市内にある。
かつて,京阪(現在の京都市地下鉄東西線)の御陵駅北方にあるのが,それである。
自力で上洛した学生時代,山科から京阪に乗って蹴上で降りて,南禅寺と青蓮院・知恩院と見たのが,2度目の京都旅行の始まりだったが,以来何度上洛を果たしたことだろう・・・。


近江路は,歴史散策の道でもある。
上記壬申の乱に始まり,弁慶所縁の三井寺にしても,紫式部が源氏物語を書いたとされる石山寺にしてもそうだし,源平時代は,琵琶湖畔の粟津や瀬田で,西上した鎌倉軍と京都防衛の木曾義仲軍という戦場にもなった(三井寺の僧兵vs平氏軍というのも有りか)。
そうした意味でも,私にとって感情移入が激しく,大和路や洛中以上に暴走しそうな場所でもある。
只,こうして書いているうちに,またしても1,600字のワープロ2ページ近くなっているので(風邪も酷いし),ここで止めるが,今後暴走しないという保証は皆無である。
この手の文章なら幾らでも書ける・・・というか,迷惑至極なのだが,しょーもねーこと書いてやがんな・・・と,広い心で看過していただきたい・・・。
そんな自己満足に付き合ってられるか・・・と思われたそこの貴方,しっかりと最後まで付き合ってくださって,ありがとうございます・・・。


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