診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

日本人は世界レベルでコロナを比較してはダメ!

2020年10月07日 | 新型コロナウィルス

遂に米国のトランプ大統領までCOVID-19(新型コロナ)に感染したようである。日本のマスコミも含め一斉にマスクをしてなかったからだと相変わらず学習しない馬鹿なマスコミは大騒ぎしている。彼が感染したのは、マスクをしていなかったからではなく、周りに既に無症状で感染した人間がおり、その者がマスクをしていなかったというのが正解である。例え、大統領がマスクをしていても近くに居た感染者がマスクなしで親しげに会話をしていれば容易に感染してしまう。尤も、彼らの周囲は、皆マスクなしで会合や会話をしていたように聞いている。これは最悪である。西洋人であるトランプ大統領は重症化する可能性は十分あると思われる。

我々日本人は、もはや欧米を含む西洋人のレベルのコロナ感染の成り行きを参考にしてはいけないとそろそろ感じるところである。コロナ感染が日本にも広がろうとしだした2月、3月ごろは、この感染症が一体どのようなものなのか不明で、他国の状況(データー)を参考にせざるを得なかったが、今となれば、日本国内のデーターも十分揃ってきており、これらを吟味すれば、西洋人と東洋人の重症化、致死率が全く異なることは周知の事実となってきた。原因は不明であるが、東洋人は西洋人に比べ、① 自然免疫力が強い? ② 重症化の原因となるサイトカインストームが起こりにくい? ③ 生活習慣による衛生面の差?(手洗いもせず、平気でハンバーガーを食べ、靴を履いたまま家に入る西洋人と、手洗いや箸を使って食事をし、靴を脱いで家に入る衛生的な日本人の差) ④ その他 などと考えられる。

免疫反応とは、簡単にいえば初期は自然免疫で対応し、それがダメなら少し時間をかけて獲得免疫(抗体ができる)で対処するといったところである。今の日本の感染状況では、無症状、軽症が多いことからすれば、自然免疫の段階で治癒している可能性が強く、この場合、抗体はできないので再感染してしまうことも考えられる。私は、感染症の専門家でなく、また最前線で戦っている医師でないので明確なことは言えないが、欧米、南米のCOVID-19の報道は聞き流した方がいいと考える。前回お話したインフルエンザの年間死亡者数は毎年3,000人前後である日本に対し、米国では2018年のデーターでは60,000人以上であることからしてもウィルス感染症の重症度の差はコロナだけでないことがわかる。ですので、トランプ大統領のコロナ感染は決して安心できず、万が一、菅総理が感染した場合は軽症で済む可能性が高いのである。日本人のコロナ感染は怖くないのである。・・・ つづく