今日は午前中、高齢者のワクチン接種を行うため、クリニックに出勤した。2 回目の接種が全て完了するのが 8 月 5 日となり、残すところ 2 週間となった。5 月 19 日から始まり、クリニックの看護師、事務員には多大な協力を得、ここまでなんの問題もなくワクチン接種を行うことができている。日頃は一般診療と並行しての接種であるため、私が直接接種することはなかった為、今日は祝日であり一般診療は休診なので、職員には休んで頂き (受付のYさんだけ手伝って頂いた) 、私が全て請け負って接種した。そのせいか、『 先生が直接打ってくれるのですか? 』 と驚かれる患者さんが結構おられ、『 特別料金を払わないといけないですね 』、『 ええ、結構高いですよ! 』 なんていった和やかな接種光景であった。中には、『 今日は診察しないのですか? 』 と、年中祝日といった生活をされている高齢者の方からすると、今日が祝日(海の日)とも思わず来院されたようである。東京をはじめ、大阪も再び感染者が増加してきている。お盆が終わり、9 月になるころには、大阪も再び 1,500 名ほどの感染者になるのではと推測するが、予防接種が始まっていなかった 4 月~ 5 月上旬に比べれば、高齢者の重症者はかなり減少するであろうことは周知の事実と思われる。若い年齢層が結構ワクチン接種を嫌っているようであるが、1 年前には若年者には感染しないと言われていたこのコロナウィルスが、変異を繰り返し、今では小学生、園児にも感染するようになってきた。更に先を見据えれば、現在若年者には重症化しないという事実が、ウィルスの更なる変異の繰り返しで、若年者も重症化することが珍しいことではなくなるという可能性を考慮しておかなければならない。このタイミングを逃すと、後で個々が接種を希望しても希望は叶わないことを承知しておく必要がある。また、これからの数年間は、ワクチン接種を受けた者とそうでない者をしっかり区別することで、安全な社会を形成していかなければならない。国を挙げてワクチン接種を行っている現在、我々医療関係者もその手伝いをしている立場からすると、世界的に肯定されているワクチン接種を個々の身勝手な不安だけで打たないといった者を同じ社会の中で同等に扱うわけにはいかないと考える。企業によっては接種者および非接種者リストの作成は差別に繋がるなんて、愚かな偽善を主張しているところがあるが、これは差別でなく明確にする必要のある区別であることを理解しなければならない。ワクチン接種を受けない者たちの間でいつまでも感染を繰り返し、集団免疫 ( 国民の 7 割ほどがワクチン接種を受ける ) ができない限り、コロナ感染症の収束は程遠いものになってしまう。2 回目のワクチン接種が終わっても、集団免疫ができない限り、3 回目、4 回目・・・とワクチン接種が続いていく。何事につけて、『 差別、差別 』 と騒ぎ立てるこのご時世。差別と区別の意味がわかっているのか頭を抱えたくなる。個人の自由が強すぎて、国の指導力が弱すぎることがこの日本という国を益々弱体化させていくことを危惧するのは私だけであろうか?『 がんばれ!ニッポン!』