診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

本当にインフルエンザ流行りますか?!

2022年10月19日 | インフルエンザ

今年もインフルエンザがこれまで以上に大流行すると感染症の専門家? が吹聴し、マスコミは更に拡散している。そして、相変わらず TV 受けを狙う医師が同じようなことをもっともらしく喋っている。 これって、ホント?。 南半球のオーストラリアが過去 5 年間で最高の感染者数を認めたので日本でも同様になる可能性があるとか、海外から観光客が日本にインフルエンザウィルスを持ち込むとか、おまけにこれらによって医療が逼迫するなんて信じられないようなことをバンバン語っている。オミクロンでもあるまいし、まるでインフルエンザがオミクロンのように空気感染したり、無症状者から感染したりするとでも思っているのであろうか。インフルエンザを含め、従来の風邪の感染形態は殆どが飛沫感染と接触感染。マスクもしないオーストラリアの国民と同じような感染拡大は考えられないし、この時期、発熱者や咳をする人とお互いマスクなしで 10 15 分以上も至近距離で喋ったりするようなことは一般にあり得ない。あり得るとすれば、子供たちである。子供たちの間では多少インフルエンザも流行るかもしれない。そうすると家庭に持ち込み同居している家族にも感染する可能性はあるが、オミクロンほど感染力は強くない。政府は今年もワクチン接種を 65 歳以上は無料にしているが、馬鹿馬鹿しい。無料にする対象は、子供たちであって、彼らに優先してワクチン接種をする方が理にかなっている。昨年も、大流行すると感染症研究所の専門家といわれている者がマスコミで拡散した。東大医科学研究所の某教授など、オミクロン株の BA2 が出たとき、BA1 とは全く別物と考え、毒性が強いので注意が必要とか BA5 が出たときは、肺炎にもなりやすいなんて堂々とTVで語っていたのをはっきりと覚えているが、全く外れている。天気予報以上の外し方である。そもそも、BA1BA2 が全く別物なら同一オミクロン株ではないではないか。流行するはずがないインフルエンザワクチンの接種はここ 2 年間、私はしていない。子供たちと関わることのない私は、今年も接種するつもりはない。注意が必要なのは、上述のように子供とその同居家族である。それこそマスクは大いに役立つと思われる。