近年、絶滅の危険にさらされている生き物が急増している。世界では 37,400 種もあるようで、有名なところで ジャイアントパンダ、ホッキョクグマ、チンパンジー、クロマグロなどがそうであり、日本にもトキ、コウノトリ、イリオモテヤマネコなどが絶滅危惧種である。絶滅危険の原因は、過度の狩猟、気候の変動、森林の開発、生殖能力の低下などとされ、かなりの部分に人間が関与している。今、世界ではこの危惧種を守ろうと色々な条約まで作って必死である。では、人間界ではどうなのか? 2018 年の世界人口増加率(世界銀行調べ)では登録された 215 ヶ国のうち、減少傾向にある国は 27 か国あり、G7 では日本とイタリア 2 ヶ国である。いわゆる、人間界でいう絶滅危惧種である。増加率の大きな国は殆どがアフリカ諸国であり、先進国の増加は微増で、近い将来マイナスに逆転することは必至であろう。動物界での絶滅危惧の原因は先に述べた通りだが、日本人(先進国人)という絶滅危惧種に関しての原因を考察する必要がある。少子化対策などと馬鹿げた国費の投入で対策などできるはずがない。単なる養育の補助金対策をしているに過ぎない。生物学的には、精子と卵子が受精しなければ子供は生まれないことぐらい大人ならわかっているはずである。動物が人間に侵略されたように、AIの急速な進歩により人間はAIに侵略され、仕事を奪われ、収入が減り、生活が厳しくなり、人としての心を奪われてきた。仕事というものは、自分が生きていくためにすることは当たり前で、必ず他人(ひと)の為になり、愛する家族の為に努力し、そして幸せを感じるという単純なことが、太古から長い年月にわたり築き上げてこられた。しかし、現在では自分さえ良ければ、自分が楽に暮らせれば、自分は面倒なことには関わりたくなく、自分の権利を最大限主張し、他人のことは全く考慮しない、そんな人間がどんどん増え、またそれが当たり前となってきた。なにか問題が起これば、事細かに規則、法律を作って融通がきかない。スポーツの審判もAIにさせる方向にあるらしい。全く、人間らしいミスが許されない。笑いがなくなる。凄い閉塞感で毎日毎日が息苦しい。楽しいですか、こんな世界。まるで、人間が感情を捨て、自分たちがコンピューターになろうとしているのである。もはや、元には戻れない。こんな機械化された人間に動物的な感性を取り戻すなど不可能で、少子化は益々進み人間は不要になっていく訳である。恐ろしいことであるが、今の若者たちはそれでいいと感じているのであるから、私のような年配者の思いは要らぬお節介なのである。しかし、間違いなく滅びますよ、そんなに遠くない将来に。運転手の居ない車や電車、飛行機が飛び、無人の店舗ばかりとなり、町にはロボットが物を運んだり、うじゃうじゃ居る。ロボットは、人や障害物にぶつからないようにセンサーが付いているようであるが、人間の方が先に反応して、ロボット様の為にぶつからないように道を譲る。馬鹿なくせいに道徳心を表に出して教師を煽るような親が増え、教師もいなくなり学校もなくなるが、自宅でパソコンのリモート学習に代わる。いや、勉強する必要などなくなる。会社もリモートで暫くは人間が対応するであろうが、そのうちAIがやってしまい、人間はAIの機器を磨いたり、不具合を確認する程度の仕事しかなくなる。尤も、更にAIをアップグレードするために、ごくごく一部の優秀な(AIより賢い)人間だけが人間として生き残る程度であろう。悲しいかな、これは想像でなく、真実になっていくであろう。人間は不要なのである。だから、先進国の少子化は生物界の自然な成り行きなのであって、不要なものは絶滅するのである。少子化を正すなら、AIを制限し、もう少し人間らしい人間、ミスの許される社会を再建することだと思う。もっともっと笑い合える開放感のある社会に戻すことである。補助金、対策費などと謳って国費ばかり投入している情けない総理大臣ではこの国も終わってしまう。皆さん、もっともっとミスをして笑って許し合おうではありませんか。
遂に出てしまったのか、日本版 『 トリプトファン事件 』。このブログの 2022 年 12 月 29 日および 31 日の記事『 健康食品・・・科学的根拠が要らない 』 と 『 トリプトファン事件 』を参考にして欲しい。今回、恐ろしいのは健康補助食品(いわゆるサプリメント)でなく、機能表示食品であるということである。表向きにはサプリメントよりも格が上の信頼性のありそうな印象を得るが、私も知らなかったが、販売側の自己申告で国の審査もなく了承されてしまうということである。この小林製薬、次から次へとウサン臭い商品を面白おかしくネーミングを付けて売りさばいている。てっきり厚労省の天下りが山ほどいて、簡単に承認されているのかと勝手に理解していたが、どうも国の承認の仕方に問題があったようである。医薬品としても 『 ナイシトール 』 と名付けて内臓脂肪が減少するなどと売っているが、これは 『 防風通聖散 』 という昔からある漢方薬に添加物を加えて売っているだけで、一昔前、『 防風通聖散 』 がやせ薬として週刊誌を騒がせたことがあり、結局それは効果なしと結論づけられた。また、足の痙攣(こむらがえり)を抑える医薬品として 『 コムレケア 』 というネーミングで売っている商品があるが、これも昔からある 『 芍薬甘草湯 』 という漢方薬に何らかの添加物を加えて売っている。この芍薬甘草湯はこむら返りに非常に良く効く漢方薬で、当院を含め日常よく医療現場では処方される。咳、痰の切れを良くする薬として 『 ダスモック 』 という商品も、漢方薬の 『 清肺湯 』 に添加物を加えて売っているだけ。これはあまり効かない。一般の人なら、この会社は次から次に凄い薬を作り出しているんだな~と感心し、過剰評価をしてきているに違いない。製薬業を愚弄するようなこのような商売の仕方がまかり通っていることに、何か制限を掛けるべきと常に思っていた。先月も、診察中に S さんとこれらの商品について話したことがあった。そこにきて今回の事件である。今、この商品のどこに問題があるかと精査中のようであるが、医者の立場からすれば、疾患をサプリなどの食品で治療しようなどと考えるのは大きな間違いであると考える。血液をさらさらにして脳梗塞や心筋梗塞を予防しようと 『 ナットウキナーゼ 』 を服用している人も多いようだが、ナットウキナーゼの作用機序では、これらの疾患の予防には全く意味がない。素人同士の浅い知識で予防、治療できるものではないことを認識するべきである。