発見が常識を覆す、覆った常識が時代を変える、変わった時代が人間と政治を変える

政治は知恵を出せ
政治家よ常識を変える発見をしろ
政治家よ時代と人間を変えろ
政治は誰にでも出来る物ではない

第29話 千夜一夜物語 夢の一夜幼き日

2007年11月01日 | Weblog
「ねーちゃん~まって~~」
弟の声が聞こえる
「はやく”はやく」
息を切らし、額に汗を浮かべ、丘を登っている。
弟は姉を見失しなうと「まって~~」と声を出す。
姉を見失まいと必死に追いかける。
「ついたよ~~」
姉が声をかけ、最後の崖を弟の手と取り、引っ張り挙げた
「ついたよ!後ろを見てごらん」
弟は振り向いた
「わ~~~すごい~~~!海だ~~~」
周防灘が広がっている。
姉は両親に連れられて一度来たことがある。
お弁当を持って、母の膝で眠ったことがあった。
弟に一度見せてあげたかった。
弟は海に見とれていた。
風が優しく足元の野花を揺らしていた。
弟は振り向くと姉が居ない。
「ね~ちゃん~~」
「ここよ~」
姉は野花を摘んで、花輪を作っていた。
「王冠よ!」
花輪を冠にし頭に乗せて、
「私は女王様よ」と言いながら踊っていた

おや”あの娘は幼い時の私自身だ。難斗米もいる。
それにしても、私の幼い顔は、亡くなった娘にそっくりだ!
娘を思い出し、また、涙があふれ、止まらなくなった。
涙で、夢の映像が途切れ、
深い闇に落ちた


第28話 千夜一夜 夢

2007年11月01日 | Weblog
 生きる糧を失った者は黄泉の国に落ちていく!
生死の明暗を分ける物が”夢”
一つの夢が明かりを灯し、
重なった夢が一筋の希望の光明と成り、
連続の夢は希望の光を浴びる!
希望の光を浴びた者は、
生きる気力と勇気がわいてくる。
人はつらい人生をなぜ生きる?
夢と希望があるからだ。
夢と希望を持って、年を取ると伝説が出来る。
小さな伝説は一人一人に、
大きな伝説は人類を
人は人を育てるために生きていく、
寿命が着き、神が招くまで。

卑弥呼は夢を見始めた。
一夜一夜の積み重ねで1千夜
千夜連続の夢で千日 
あわせて6年の夢
やがて、すべての夢が歴史へと繋がって行く


第27話 3賢神

2007年11月01日 | Weblog
写真はスサノオウを祭る・・熊野大社

アマテラスは未来
ツクヨミは過去
スサノウは現在を象徴している。
現在が乱暴になればなるほど未来は暗くなる。
卑弥呼が身に付けた能力は
右目を瞑れば未来が見え、
左目を瞑れば過去が見え
両目を瞑れば千里が見え
両目を見開けば身の回りが見える。
事の善悪を匂いで瞬時に嗅ぎ分ける。
これが、人間の持つ最大の能力である。
人類の歴史の中で、アマテラスとスサノウ王又は
アマテラスとツクヨミを手に入れた人物は居たが、
3賢神を手に入れた人間は卑弥呼だけだ。
マホメットはイスラム教
イエスはキリスト教
仏陀は仏教
卑弥呼はやがて神道(日本の宗教)を創設する。
この日を境に、毎晩毎夜、夢を見始めた。
やがて、白昼夢と変わっていった。

第26話 アマテラス誕生

2007年11月01日 | Weblog
卑弥呼は2月の一番寒い時に禊ぎをしていた。
滝に打たれ、神に祈った!
「清めたまえ! 祓いたまえ!」
「清めたまえ! 祓いたまえ!」
一心に祈った。
川の水が気温より高いために、低音蒸発を繰り返し、
川は霞みを創った。
山は、霧を創り、霧が立ち昇った。
行を終えた卑弥呼は、目の前が真っ白になってよろめいた。
それを、見て、難斗米(なしめ)は卑弥呼を支え、
焚き火の傍らへ座らせた。
難斗米はいつも、いつも姉の傍に居たのだった。
「どうした!姉さん!」
「一瞬、目の前が真っ白になったの」
「真っ白?」
「そう!真っ白に、もう大丈夫よ」
卑弥呼は立ち上がった。
目の前が真っ白になった。
これが、目から「うろこ」落ちた原因だった。
「脳みそは一皮むける」と言い「目はうろこが落ちる」と言う
これが、人間の持つ最高の霊力を持った証拠なのだ。
左の目から、アマテラスが生まれ
右の目から、ツクヨミが生まれ
鼻から、スサノウが生まれた。



第25話 卑弥呼開眼す。

2007年11月01日 | Weblog
 奈良の都を訪問して、もう十年過ぎた。
天子から頂いた「神功皇后」は絶大な効果があった。
うわさを聞きつけた人々が参拝に来るようになった。
「皇后様を一目みたい」
遠くから拝むだけで、病気が治った、人も居た。
まして、診察されて、触られるだけで、治った人も居る。
うわさがうわさを呼んで、病院は大きくなった。
大きくなればなったで、苦労が増える。
卑弥呼に疲労がたまった。
体に、変調が起こった。
一定の間隔を置いて、体内が発熱し汗が吹き出た。
頭痛に肩こり、感覚が鈍くなり、視力の低下を招いた。
診療も休み休みになった。
しかし、3ヶ月も過ぎると、体調がよくなった。
卑弥呼の年齢が五十路(いそじ)を超えていた。
卑弥呼の更年期障害だった。
女も宿命ではある。
月経の閉塞に時が来たのだ。
子供が吸った大きくなった乳首は、小さくなり
少女のように桜色に変わっていた。
女のわずらわしさは消えたが、寂しくもあった。

第24 話 故郷

2007年11月01日 | Weblog
 船は別府湾の港に着いた。
故郷を海の上から見るのは初めてだった。
海の上に、半島が突き出て、湾を造っている。
豊後灘をん乗り切ると、波はぴたっとナギになる。
 陸地に下りて、足で歩く、足取りが軽く、家路を急いだ。
家にだどりつく前に、父母と夫と子供に墓参りをした。
「父さん、母さんただいま!」
両親の声が聞こえた気がした。
そして、夫と娘の墓に参った。
「貴方”帰ってきたわよ!天子にプロポーズされたけど」
夫の声が聞こえてきた
「良かったな”」
「フフフー、やせ我慢して」
家に帰り着くと、患者達が待っていた。
いつの間にか、卑弥呼の家の周りに、市が出来ていた。
患者達が列を成していた。
患者達に、診察を待たして、禊ぎと穢れの払いに早速出かけた。
川を上流を上り始めた。小さな川ではあるが、誰も知らない滝がある。卑弥呼だけの秘密の滝だ。
「払いたまえ!清めたまえ」「払いたまえ!清めたまえ」
「払いたまえ!清めたまえ」「払いたまえ!清めたまえ」
一心不乱に神に祈った。
禊ぎを終え、病院の我が家へ帰った。
明日から、また、仕事だ!!


第23 話 弟・難斗米(なしめ)の回想

2007年11月01日 | Weblog
 船は追い風を受けて快調に九州へ!
船の揺れが心地よい、難升米は睡魔に襲われた。
深い深い夢の世界に落ちていった。

「ね~さ~んまってよ~」
幼い姉と弟が丘を駆け上っている。
丘の上をやわらかい風が吹いて、足元の野花を揺らしている。
頂に登りついて、登って来た方を振り返った。
「わ~~!すごい!」
「海だ~~」
声をそろえて、叫んだ”
周防灘が一望していた。

そして、姉の結婚式、父と母の懐かしい顔が見えた。
うれしそうな姉の顔と対照的に涙を見せる父。
そして、姉の娘、可愛かった。
さらに、義理の兄と娘の死。
姉の憔悴しきった顔。
その後、追い自殺。
しかし、不思議なことだった。
入水後みんなで必死で姉を探した。
やっと、川下で姉を発見した。
しかし、この時には姉の心臓はすでに止まっていた。
川辺で確かに死んでいた。
俺も姉の死を確認して泣いた。
泣きながら、姉の遺体を一人で担いで家まで帰ってきた。
通夜を一人で、涙とともに過ごしていた。
その時に、息を吹き返した。
奇跡としか言いようが無い。
死んだ人間が生き返った。
いやいや、死んでは無かったのだ。
 今度は女房の顔が浮かんできた。
「あんた!私と姉さんとどっちを愛してるの!
姉さんの傍にべったりと、いつもいつも”」
女房のやきもちで喧嘩になった。
「馬鹿な事を言うな!、姉と女房との愛を一緒にするな!
姉はな、少女のような心なんだ
神から頂いた才能を維持するために、面倒を見てるんだ。
もし、姉に好きな男が出来たら、この不思議な力失うだろうし
この女は俺のものだと言われたら、仕方が無いではないか
そうなれば、明日から俺達の生活はどうする。
おまえ、考えてるのか?」
そういえば、不思議だ!!
姉の性格が、あの日を境に正反対になっている。
勝気で、強い心が、実にもろくなっている。
不思議だ・不思議だ・不思議だ・・・・・・
深~い眠りに落ちた



第22話 姉と弟

2007年11月01日 | Weblog
奈良の都を後に、大阪から船に乗って一路九州へ船出した。
海の風が、塩の匂い含んで、卑弥呼の髪と頬を優しくなでた。
突然、「フフフ~」 卑弥呼は思い出し笑いで、思わず声が出た
その声を聞いて、弟の難升米(ナシメ)が声をかけた。
「姉さん!何かいいことがあったみたいだね、教えてよ!」
卑弥呼
「あのね~、天子様が私にプロポーズしてくれたの」
それを聞いて難升米はうろたえた。姉が結婚でもしたら
俺はどうして生きていこうか?当てが無い。
「それで、どうなった?」
卑弥呼は面白そうに答えた
「もちろん!断ったわよ!でもね!」
難升米
「でも”それから!早く話せよ!」
卑弥呼
「天子様は、こうおっしゃたの」
天子
「この子は、もう育たぬものだと、半分は覚悟していた。
それが、こんなに元気になった。これは、お前のおかげだ、
もっと、ず~と、都に残ってくれ”そして、わしの妃になってくれ」
「こう言ったの、でも断ったわ」
「断ったら、天子様はこう言ったの」
「わしの求婚を断られては、メンツが立たん
国中の笑いものになる。だから、
もうお前はわしの妃だ。あの子を産んで育ててくれたに等しい。
したがって、お前は、神功皇后だ」
「こうおっしゃたの」
難升米
「神功皇后!”だって、すごい!」
卑弥呼
「何が?すごいの」
難升米
「天子様ね!困ったときに力になると言ってるんだよ。
姉さんが、たのべば、千や二千の軍勢を送ってやる。
そういう意味なんだよ」
卑弥呼
「そうか~~でも軍勢なんかいらないよ」
難升米は姉の無邪気な少女のような心が大好きだった


第21話 再び金印

2007年11月01日 | Weblog
宮殿の去り際に卑弥呼は金印を見つけた。
金印は宮殿の目立つ場所に飾られていた。
卑弥呼は金印に近づいた。
「天子様これは何ですの?触ってよろしいですか!」
天子
「いいとも!触ってごらん」
卑弥呼はしげしげ眺めた
「この模様はどんな意味があるのですか?」
天子
「よしよし、教えてやろう。これはな、文字と言うものだ」
卑弥呼
「文字?文字とは何ですの?」
天子
「文字とは言葉を文様にしたものだ、
だから、忘れることがない。見れば、何回でも同じ言葉が言え、記録に残る」
卑弥呼
「文字?倭の国の文字ですか?」
天子
「これは、漢という海を越えた隣の国の文字だ、
わが国にはまだない。倭の国の国王という意味だよ」
卑弥呼は不思議な事を聞いた。
海の向こうに国があり、その国には文字があると。
天子
「文字を隣の国に人を派遣して、習うことは簡単だが、
それでは、わが国は漢の属国になってしまう。だから、
我慢してるのだよ。わが国の文字が出来上がるまでは、辛抱だよ。
人間は、一旦教えを乞うと
師と弟子の関係が成り立つ、弟子になれば、師が手を貸せと言われれば断れない。だから、教えは絶対に乞わん。我慢じゃよ!”」
なるほど、上に立つ人は発想が違うな~~
辛抱に、我慢か”
一つ賢くなった。