侍従に連れられて、若い娘が登場した。
見るからに若い”年恰好を見ると15歳前後ぐらいか・・
彫りの深い顔立ちに、パッチリした目元・・
頬を赤くした、ほっそりとした娘だった・・
帝「そなたが、語り部か?」
娘「はい、左様でございます」
帝の前で緊張した面持ちで声は震えていた
帝 「名は”なんと申す」
娘 「アミと申します」
帝 「そうか”アミよ”これから、皇后の申すことを覚えよ」
アミ 「かしこまりました」
慇懃に頭を下げ、卑弥呼の方に視線を向けた
卑弥呼「娘よ”そなたが語り部か”さて、
わしはどうすれば良いのじゃ」
アミ 「普通に、喋ってください”それを覚えます」
卑弥呼「では”さっそく”はじめようか・・・」
卑弥呼が語り始めた
「天地初めて発れし時に、高天原に成りし神の名は、
天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、
此の三柱の神は、並に独神と成り坐して、身を隠しき。
次に、国稚く浮ける脂の如くして、
くらげなすただよへる時に、
葦牙の如く萌え騰れる物に因りて成りし
神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神、
次に天之常立神。此の二柱の神も亦、
並に独神と成り坐して、
身を隠しき。上の件の五柱の神は、別天津神ぞ」
・・・・・・・・
卑弥呼が語る口元を、娘はじっと見詰めていた。
そして、10分ほど経つと、娘が、待ったをかけた・・・・
1分で、原稿用紙400字1枚のペース・・10分で10枚
この、繰り返しで、3時間が過ぎた・・・
語り部の技能はすごい、、200枚の原稿用紙を、
一度”聞いただけで、覚えていた・・・
娘が語り始めた
「天地初めて発れし時に、高天原に成りし神の名は、
天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、
此の三柱の神は、並に独神と成り坐して、身を隠しき。
次に、国稚く浮ける脂の如くして、
くらげなすただよへる時に、葦牙の如く
萌え騰れる物に因りて成りし
神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神、
次に天之常立神。此の二柱の神も亦、
並に独神と成り坐して、
身を隠しき。上の件の五柱の神は、別天津神ぞ」
娘は、卑弥呼の言葉を、暗唱しながら、舞を舞っていた・・
これが、語り部の記憶術の秘密か・・・・
巫女が、神楽を舞うように、飛んで、跳ねて、回って・・・・
どうも”ここに秘密がありそうだ・・・
それにしても・・語り部の能力のすごさに、卑弥呼も驚いた・・
あの長い文章を・・たった一度、読んだだけで覚えるとは・・
卑弥呼は舌を巻いた・・・
帝 「ところで、皇后”この言葉の持つ意味は何だ、
余に、わかるように説明せよ」
卑弥呼「これは、未来で、生まれて来る、
天皇に伝える手紙です」
帝 「その、手紙の内容を説明せよ”」
卑弥呼「はい、この内容は、この倭国のいにしえの昔に
素晴らしい文明が栄えて降りました。
その、文明が突如として滅んだのでございます。
その、滅んだ原因が、2千年先に繰り返して来ます
その時に、立ち向かって行く人物が生まれてきます
その人物は、帝の子孫にございます。
その方に伝えるための言葉にございます」
帝 「お~~”すると、2千年の先に、
余の子孫が存在しているのだな」
卑弥呼「左様でございます。また、この言葉の中に、
天皇家の生い立ちも込められています。
皇室の由来と権威を知らしめる為に・・・」
帝 「よほど”重要なものと見えるのう」
卑弥呼「決して、失ってはなりませぬ・・・・」
帝 「娘よ”毎年の新年に余に、奏上せよ”」
アミ 「かしこまりました」
娘は頭を下げた
卑弥呼「アミよ”この言葉を・・祖母から母へ・母から娘へ
娘から孫娘へ・・・・と代々語り継ぐのじゃ
今から、5百年の彼方まで・・・
50百年経てば、文字が出来上がる。その日までだ
つらい、使命でもある。
その代り、5百年間はそなたと、そなたの家族は
決して、飢えることは無い。帝が守って下さるから」
ゆめゆめ、忘れるでないぞ”
そなたの名は、稗田阿礼と名乗れ”
言葉を受け継いだ者が 稗田阿礼だ”良いな”
卑弥呼「言葉ではわからぬ・・しかし、文字になればわかる」
卑弥呼は・・肩の荷をすべて降ろした・・・
私の役目は終わった・・・・・
夫と娘の顔が浮かんできた・・・
さ~帰ろう”夫と娘の待っている故郷へ・・・・・
擦り減った寿命の残りを悟っていた・・・・・・・
帝はつぶやいた・・・
「神が次々と生まれて来る・・・・・八万の神か”
皇后の長大な生命も後、幾許もあるまい・・神が消える・・
実に惜しい”が、仕方あるまい・・・・」
見るからに若い”年恰好を見ると15歳前後ぐらいか・・
彫りの深い顔立ちに、パッチリした目元・・
頬を赤くした、ほっそりとした娘だった・・
帝「そなたが、語り部か?」
娘「はい、左様でございます」
帝の前で緊張した面持ちで声は震えていた
帝 「名は”なんと申す」
娘 「アミと申します」
帝 「そうか”アミよ”これから、皇后の申すことを覚えよ」
アミ 「かしこまりました」
慇懃に頭を下げ、卑弥呼の方に視線を向けた
卑弥呼「娘よ”そなたが語り部か”さて、
わしはどうすれば良いのじゃ」
アミ 「普通に、喋ってください”それを覚えます」
卑弥呼「では”さっそく”はじめようか・・・」
卑弥呼が語り始めた
「天地初めて発れし時に、高天原に成りし神の名は、
天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、
此の三柱の神は、並に独神と成り坐して、身を隠しき。
次に、国稚く浮ける脂の如くして、
くらげなすただよへる時に、
葦牙の如く萌え騰れる物に因りて成りし
神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神、
次に天之常立神。此の二柱の神も亦、
並に独神と成り坐して、
身を隠しき。上の件の五柱の神は、別天津神ぞ」
・・・・・・・・
卑弥呼が語る口元を、娘はじっと見詰めていた。
そして、10分ほど経つと、娘が、待ったをかけた・・・・
1分で、原稿用紙400字1枚のペース・・10分で10枚
この、繰り返しで、3時間が過ぎた・・・
語り部の技能はすごい、、200枚の原稿用紙を、
一度”聞いただけで、覚えていた・・・
娘が語り始めた
「天地初めて発れし時に、高天原に成りし神の名は、
天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、
此の三柱の神は、並に独神と成り坐して、身を隠しき。
次に、国稚く浮ける脂の如くして、
くらげなすただよへる時に、葦牙の如く
萌え騰れる物に因りて成りし
神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神、
次に天之常立神。此の二柱の神も亦、
並に独神と成り坐して、
身を隠しき。上の件の五柱の神は、別天津神ぞ」
娘は、卑弥呼の言葉を、暗唱しながら、舞を舞っていた・・
これが、語り部の記憶術の秘密か・・・・
巫女が、神楽を舞うように、飛んで、跳ねて、回って・・・・
どうも”ここに秘密がありそうだ・・・
それにしても・・語り部の能力のすごさに、卑弥呼も驚いた・・
あの長い文章を・・たった一度、読んだだけで覚えるとは・・
卑弥呼は舌を巻いた・・・
帝 「ところで、皇后”この言葉の持つ意味は何だ、
余に、わかるように説明せよ」
卑弥呼「これは、未来で、生まれて来る、
天皇に伝える手紙です」
帝 「その、手紙の内容を説明せよ”」
卑弥呼「はい、この内容は、この倭国のいにしえの昔に
素晴らしい文明が栄えて降りました。
その、文明が突如として滅んだのでございます。
その、滅んだ原因が、2千年先に繰り返して来ます
その時に、立ち向かって行く人物が生まれてきます
その人物は、帝の子孫にございます。
その方に伝えるための言葉にございます」
帝 「お~~”すると、2千年の先に、
余の子孫が存在しているのだな」
卑弥呼「左様でございます。また、この言葉の中に、
天皇家の生い立ちも込められています。
皇室の由来と権威を知らしめる為に・・・」
帝 「よほど”重要なものと見えるのう」
卑弥呼「決して、失ってはなりませぬ・・・・」
帝 「娘よ”毎年の新年に余に、奏上せよ”」
アミ 「かしこまりました」
娘は頭を下げた
卑弥呼「アミよ”この言葉を・・祖母から母へ・母から娘へ
娘から孫娘へ・・・・と代々語り継ぐのじゃ
今から、5百年の彼方まで・・・
50百年経てば、文字が出来上がる。その日までだ
つらい、使命でもある。
その代り、5百年間はそなたと、そなたの家族は
決して、飢えることは無い。帝が守って下さるから」
ゆめゆめ、忘れるでないぞ”
そなたの名は、稗田阿礼と名乗れ”
言葉を受け継いだ者が 稗田阿礼だ”良いな”
卑弥呼「言葉ではわからぬ・・しかし、文字になればわかる」
卑弥呼は・・肩の荷をすべて降ろした・・・
私の役目は終わった・・・・・
夫と娘の顔が浮かんできた・・・
さ~帰ろう”夫と娘の待っている故郷へ・・・・・
擦り減った寿命の残りを悟っていた・・・・・・・
帝はつぶやいた・・・
「神が次々と生まれて来る・・・・・八万の神か”
皇后の長大な生命も後、幾許もあるまい・・神が消える・・
実に惜しい”が、仕方あるまい・・・・」