忘憂之物

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テキメン、鬼声アプリ スマホでしつけ、大人気 読み聞かせ・泣きやませも

2013年06月06日 | 過去記事


テキメン、鬼声アプリ スマホでしつけ、大人気 読み聞かせ・泣きやませも

<「言うこと聞かないと鬼が来るよ」。子どもを叱る定番のセリフが、脅かしじゃなかったら――。鬼から電話が来る「おにから電話」というアプリが空前のヒットを飛ばしている。「読み聞かせ」や「泣きやませる」などの子育てアプリも花盛り。しつけもスマホに頼る時代なのか。

 

 プルルル。事前にダウンロードしたアプリを起動し、「言う事をきかない時」のボタンを押すと着信音が鳴る。画面に鬼のアニメーションが登場、ハスキーな声で話し出す。「もしもし、今日はどうしたんですか。困りましたね。電話代わってもらってもいいですか」。声色が変わる。「こらあ、言うことを聞かないと、辛~い辛~い鍋に入れて食べちゃうぞ。言うことしっかり聞きなさい」

 昨秋のリリース後、5月末で285万ダウンロードを記録した。考案したのはホームページ制作会社のメディアアクティブ(東京都大田区)。秋田県出身の佐々木孝樹社長は「なまはげがヒント。鬼から電話がかかってくるアプリがあれば子育てに役立つと思った」。

 無料で利用できるのは8パターン。「寝ない時」は幽霊、「お薬を飲まない時」はお医者さんが登場し、子どもを諭す。

 東京都の会社員重松真希子さん(35)は3歳の娘がどうしても言うことを聞かなかった時、このアプリを使うと娘はすぐに「怖い」と、言うことを聞いた。

 「恐怖で言うことを聞かせるのは本当は良くない」と葛藤も抱えるが、「急いで出かけなければいけない時など背に腹は代えられない面もあります」。

 同社には「怖すぎる」という声も寄せられ、5月からは子どもをほめるパターンも加えた。

 佐々木社長は「公共の場で騒ぐのをやめさせたい時など、どうしても困った場面で使ってほしい。これさえあればしつけができると思わないで」と強調する。


 ■親子一緒に使って

 子育てを支えるアプリが続々登場中だ。「アップストア」や「グーグルプレイ」の教育カテゴリの人気ランキングには、乳幼児を対象にした物も多く並ぶ。

 ベンチャー企業スマートエデュケーション(東京都品川区)は音楽を奏でるなどの知育アプリを開発。絵本を読み聞かせる「おやこでスマほん」は100万超ダウンロードを記録した。日下部祐介取締役CFOは「子供向けアプリのニーズの高まりを感じる」と話す。

 触るだけで音が出たり、画面が動いたりするスマホは子供が取っつきやすく、大人より習熟が早い子もいるという。「親子でコミュニケーションを取る道具の一つとして使ってほしい」

 通信教育大手のベネッセコーポレーション(岡山市)は、赤ちゃんを泣きやませるアプリを開発。ボタンを押せば、電車やピアノなどの音が鳴る仕組みだ。乳児用アプリの営業担当者は「子育てで困った時の助けにしたり、赤ちゃんをあやしたりするためのヒントとして使ってほしい」という。

 子どもの成長への影響はどうなのか。

 恵泉女学園大の大日向雅美教授(発達心理学)は「家庭で子育てしているのが母親だけという状況ではこうしたアプリがはやるのも必然」とした上で、例えば「おにから電話」のように「怖いから従うというのは一時的な効果。何が悪いのかを、子どもに理解させなければ」と訴える。

 また、東京大大学院情報学環の山内祐平准教授(学習環境デザイン論)は、スマホ全盛の時代に子育てアプリはうまく活用すべきだという。だが、子どもに端末を与えて1人で見せっぱなしにするのはよくないと指摘。「親も子も相互に関われるような使い方をすれば、教育効果も高まる」と提案する。

 (広部憲太郎)>






老人介護の世界で有名な婆さんと言えば「オロナミンCばあさん」である。ハイセンスな関西では「オロCババア」なんて語呂良く改善されていたりするかもしれないが、要するにある老人ホームに「オロナミンC」がとても大好きな婆さんがいました、とはじまる。

そのお婆さんに介護職員がオロナミンCを渡す。お婆さんはそれを飲むのだが、なんかイマイチ、ぴんときていない。仕舞いには「これはオロナミンCじゃない」とまで言い出す始末。なんだと、じゃあリアルゴールドでも買って来てやろうか、と言えば老人虐待だし、呆けているのか、で済ませてしまえば仕事にならないから原因を探ると、どうやらその婆さん、生前の頃のお爺さんと畑仕事の帰りにいつも飲んでいたのが「オロナミンC」だとわかる。元気溌剌な思い出だった。それも「○▽商店」でいつも買っていたとか。

それで、なるほど、となった職員さんが婆さんの地元を訪れて「○▽商店」を探す。商店はずいぶん前に閉業していたが、そこには息子夫婦かなにかが住んでいて、そうでしたか、それではこれをどうぞ、とビニール袋をくれる。その袋には「○▽商店」の文字が。

冷蔵庫に入れておいたオロナミンCをその袋に入れて渡すと、婆さんにっこり、職員もにっこり、明日も明るい老人介護、利用者の皆様の尊厳を守るとはこういうことです、映画化決定みたいに拡がっている(?)。まあ、私の個人的主観に基づいて書いておくと、こんなのは安モンのドラマ、作り話の類だ(と思う)。もしくは大塚製薬のアレだ。

どうしてこういう話が実しやかに語られるのかというと、それはまあ、一定の効果があるから。私はいつも歯の治療を嫌がる爺さんに「歯医者ですが」と語りかける。不穏な婆さんに対しては「長男」になる。あるときは「孫」に、またあるときは「石原裕次郎」にもなる。いくらか調子に乗って「い~までは指輪も~♪」まで歌うと、その婆さん「それは渡哲也では?」と不思議そう。ま、これも仕事だが、呆けるならちゃんと呆けておいてくれと言いたい。恥ずかしかったじゃないか。また一度、天皇陛下がきてくれはったよ、というネタフリをされたが、さすがにそれは勘弁してもらった。一瞬、モノマネしそうになった自分を恥じた。それはなんというか、李登輝閣下までにしてもらいたい。

それはともかく、相手を落ち着かせるため、あるいは不穏な精神状態を回復させるために吐く嘘はある。愚図る子供らに「怖いおっちゃんが」と言うのと同じかもしれないが、最近ではなにやら、そういうアプリがあるらしい。朝日新聞だ。

<鬼から電話が来る「おにから電話」というアプリが空前のヒットを飛ばしている。「読み聞かせ」や「泣きやませる」などの子育てアプリも花盛り。しつけもスマホに頼る時代なのか>

予想に反してというか、べつに私は反対じゃない。便利な世の中になったモノだ、くらいにしか思わない。それにちょっと前に産経新聞・関西版にも取り上げられていた。夜になっても寝ない子供を怖がらせる、というキャラクターも紹介していた。ABCの「探偵!ナイトスクープ」という番組の長原成樹氏が扮する「ガオォーさん」だ。

長原氏とは面識がある。一緒に飲んだこともあるし、店をやっているときにも、芸人を連れて来てくれたりした。私のことを「オレより面白い」と評していたが、まあ、それは事実だからともかく、この「ガォーさん」のことを私は知らなかった。妻と倅は番組のファンだから知っていたらしいが、残念ながら私はテレビがちょっとアレだった。

だから本人から説明してもらった。そういえば、この産経記事にある<昔は悪いことすると近所のおっちゃんらが叱ってくれたでしょ。ガォーさんもわざわざ出かけて前向きなおせっかいを焼いているんです>みたいなことも言っていた。素直に良いことだ、と思った。

このアプリも面白いと思う。ちょっとパンチが足りないが、まあ、子供相手なんだからこれでいいのだろう。ちゃんと285万ダウンロードという実績もそれを示している。しかしながら、それでも作ったほうは心配らしく<佐々木社長は「公共の場で騒ぐのをやめさせたい時など、どうしても困った場面で使ってほしい。これさえあればしつけができると思わないで」と強調する>とか。

余計な心配だと思う。普通の親ならスマホにそれほど求めない。どうせ面白がってるだけだと察する。また、記事を読み進めていくと、偉い学者先生はもっといらぬ心配をしている。

<恵泉女学園大の大日向雅美教授(発達心理学)は「家庭で子育てしているのが母親だけという状況ではこうしたアプリがはやるのも必然」とした上で、例えば「おにから電話」のように「怖いから従うというのは一時的な効果。何が悪いのかを、子どもに理解させなければ」と訴える>

ちょっと妙な感じがしてくる。朝日の記事だからしょうがないが、このアプリについての説明で<家庭で子育てしているのが母親だけという状況ではこうしたアプリがはやるのも必然>とか、ちょっと先走り過ぎではないか、と心配になる。「ガォーさん」も父親のいる家に出現していた。風呂に入れる、寝かしつけるのはお父さんの仕事だった。べつにアプリ使用者が<家庭で子育てしているのが母親だけ>とは限らない。

そしてコレだ。

<怖いから従うというのは一時的な効果。何が悪いのかを、子どもに理解させなければ>

と阿呆を言う。なにが悪いか、を理解すればそれはもう幼児ではない。それに作った社長も<どうしても困った場面で使ってほしい>と言っている。「ガォーさん」も毎日は来ない。つまり、だれでも「一時的」だと知っている。

というか、そもそもからして、それほどのことか、という疑念が生じてくる。するとやっぱり<恵泉女学園大の大日向雅美教授>はジェンダーフリーの親玉級だとわかる。「サザエさんが家族のためにパート勤務を辞めるのはどうか」と真顔でやるアレだった。余所の家のこと、ましてやアニメの中のこと、放っておくことはできんのか。

子育てについても、母親はさっさと働きに出るべし、だ。3歳まではせめて…と言うと、それは「三歳児神話」だとかで馬鹿にする。たぶん、自分が子供嫌いなだけだろう。

幼児の頃は「怖いから従う」が肝要だ。子供に理解して頂く理屈などひとつもない。問答無用で結構、ちゃんと説明して、など無意味だ。私は福祉を学ぶ人間だが、子供の権利条約なんぞ阿呆の極みだと思っている。人間なら最初は「義務」を覚える必要があるからだ。権利とか個性はそのあと、勝手に付いてくるモノだ。

だから母親はべったりでいい。幼稚園に行くまでかどうか、それは各家庭の事情だが、可能な限り母親は子供と一緒にいるべき、というのが私の考え方だ。もちろん、お母さんが疲れたりすれば、旦那が公園に連れていくとか、実家に預けてデートするとかの「気晴らし」は別だ。それに心配せずとも、ちゃんと子供は親から離れていく。寂しいほどあっさり、知らぬ間に自立していく。心配していたはずが、いつの間にか心配されていたりもする。つまり、三歳までくらいはとても貴重なのだ。

その詳しい理由はまた今度書くが、ともかく、話を戻すと<怖いから従う>は重要だ。問題なのは「怖くない」だ。いま、そのアプリの「あかおに」で泣く子供らは、近い将来、親が怖くない、学校の先生が怖くない、大人が怖くない、警察も怖くない、になるかもしれない。実はそれがいちばん「怖い」ことだ。人間における成長をして「怖い」は大切だ。

例えば、靖国神社に立ち小便した韓国人は神罰すら怖くない。国際社会の中で祖国がどういう評価なのかも怖くない。ああいう阿呆を従わせるには抽象的な「怖い」ではなく、罰金をたくさんとるとか、刑務所に放り込むとかしかない。現実的な「処罰」しか天秤にない。頭の中には安易な損得勘定しかない。このほうが怖いのだ。

また、なんでも自分が納得できる理由を求める、これも怖い。社会で通じないチルドレンを大量に放出するだろう。「なんでも納得」で育ったアホンダラは将来、常にやらねばならないことに理由の説明を求めるようになる。やってはならないことに説明を求める。そしてオノレの中で説明がつかないことは拒絶する。また、社会常識から外れていても、組織の慣例から逸脱していても、それが己の中で納得できるならやる。これはもうポンコツだ。

そして世の中、納得できないことばかりが普通だ。人間が生きていくこと自体、理不尽で不条理な世界だったりする。すべてに納得できる理由も用意されていないし、オレは納得していないぞ、という阿呆を待ってくれもしない。「仕方ない」がわからんなら、ずっとそこにいればいい、と突き放されるのが現実だ。

だからこそ、それを子供の頃に徹底的に刷り込んでおく。それは「アカオニが怖いから大人しくする」でもいい。なぜアカオニがいるのか、なぜ大人しくしないとアカオニは家に来るのか、などは子供が自分で考える。当然、考えてもわからないから、いずれは受け入れる。アカオニが怖いから夜は静かにしよう、と意思決定する。これは自己決定である。

つまり「アカオニ」よりも怖いのが、大日向雅美みたいなジェンダーフリーなアレである。大日向の理屈なら「プレゼントが欲しいという理由で良い子にしている、というのはどうか」となる。子供をモノで釣るサンタクロースは子供に悪影響だ、と言いかねない。クリスマスにはちゃんと理由を説明して、とか夢も希望もないことになる。

または「なぜサンタは男性ばっかりなのか」とか。サンタの奥さんは家に閉じこもってストレスを溜めていないか、とか心配する。こんなアレな人の話を聞くくらいなら、アカオニアプリのほうがいい。




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