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忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

似てないモノマネは面白くない。

2008年02月24日 | 過去記事
■2007/12/06 (木) 似てないモノマネは面白くない。1

倅が「白いランドセル」のようなギブスをつけて、もう10日ほどだろうか。

体育の授業で「柔道」を教えてもらった際、貧弱な倅は背負い投げを繰り出したのだが、相手の体重に潰されてそのまま鎖骨を折ったのであった(笑)。

『おい、おまえ、そこの骨はワイヤーを通すから激痛やぞ。そうや。骨の中に直接、麻酔なしで貫通させるんや。悶絶するほどの痛みらしい。昔、ハーリーレイスっていうプロレスラーが失神して、ションベンもらして、泣き叫んで馬場に謝ったくらいの激痛や。ショックで死ぬ人も年間に30人ほどおるらしい。事実、お父さんの友達もそれで死んだしな。』

無論、すべて嘘である。倅はガクブルである。

彼女ができたくらいで生意気になった阿呆餓鬼には、これくらいでちょうどいいのだ。

「もう!!おとうしゃん!!目が真剣やんかっ!」

むふふ。私は嘘をつく際、「いちばん騙されてるのは自分」というくらい思い込みが強いからな。嘘に聞こえまい。むふふ。それに、みよ。この、なんか、白いのんを肩につけている倅の情けない姿を。「マサルさん」でもあるまいし、嗚呼、情けない。うぉんちゅ!

「手術せんでもええらしいで。このマサルさんつけてリハビリだけって。」

ふん。面白くない。もっとビビらせておけばよいものを。

それにしても、学校である。

なにゆえ、この時期に受験生が危険な「投げ技」に挑む必要があるのか。寝技だけでいいんぢゃないか?柔道部でもあるまいし。我が倅の軟弱さを舐めてもらったら困る。

しかも、骨折した次の日は「期末テスト」であった。ただでさえ阿呆なのに、効き腕を吊っているもんだから、書きにくいことこの上ない。もう、こうなったら、私が学校に乗り込んで、ガチコメタンクを右翼モデルに改造して、爆音軍歌を高らかに鳴らして、拡声器を持って怒鳴り散らしてやろうかと・・・・い、いかん・・・そんなことをすれば、真っ赤な左翼教師から「メタボリックぺアレンツ」などと騒がれてしまうだけだ・・・。

ともかく、話を聞こう。体育の先生から電話があった。

「2」へ

■2007/12/06 (木) 似てないモノマネは面白くない。2

「この度は、申し訳ありませんでした。」

『はぁ・・・』

「あの、ちゃんと見ていたんですが・・・」

『見ていた?先生が?』

「は、はい!わたしが中央に立って・・」

『乱取のような練習ですか?』

「いや、あの練習でして、試合形式ではなくて・・」

『打ち込みではないですね?投げてるんだから。』

「は、はい。あの、投げ捨てで・・」

『投げ捨て??』

「い、いや、あの・・」

『ともかく、投げの練習ですね?』

「はい、そうです・・」

『何組でやってたんですか?』

「は?え~~っと・・4組ずつ・・で・・」

『4組??8人ですか??』

「は、はい・・そうです・・」

『16人じゃなくて??』

「・・・・は・・あの・・」

『先生。ひとクラスで8人ずつでしょ?』

「は・・はい・・」

『同時にやってたんでしょ?』

「え、ええ・・・まあ、あの・・」

『どうやってみるんです?危ないと判断したとき、畳の端っこなら間に合いませんよね?』

「はい、はい・・・すいません・・あのですね・・通常はその人数で・・」

『柔道部はありませんよね?経験者をつかせることもできないですよね・・?』

「・・・・・は、はぁ・・」

『何時間目ですか?何時?』

「あ、はい・・・2時間目・・ですから・・11時・・過ぎだったと・・」

『11時?20分?25分くらい??』

「15分から20分・・・だったと・・」

『11時15分過ぎね。間違いないですね?』

「あ、はい、そのくらいです・・」

『技は?生徒に選ばせるんですか?』

「は、はい!あの、自分で決めるということになってまして・・」

『で・・・背負い投げねぇ・・・大外刈りなんかは危険でしょう?』

「あ、はい!あの大外刈りは禁止でして・・・」

『背負いは危険ではない?いや、相手がですよ?普通はね。』

「・・・はあ・・」

『全員が“体落とし”とかでもよかったですよね?いまさらですが。』

「・・・・。」

「3」へ

■2007/12/06 (木) 似てないモノマネは面白くない。3

『今後は危険がないようにしてあげてくださいね。柔道、危ないでしょ?先生、経験者でしょ?何段ですか?』

「い、いや・・あの・・授業では7年ほど・・・」

『・・・・。』

「・・・・。」

『順番にやらせればよかったですね。一本ずつ。それだけですね。』

「はぁ・・すいませんでした・・・。」

『相手の子は怪我ないんですか?』

「あ、はい。相手の子はなんとも・・・」

『それはよかったです。頭から落ちて首でも折ってたら大変でしたね。』

「・・・・は、はぁ・・・」

『うちの餓鬼は足は速いんですが、非力でしょう?』

「・・・・ま、まあ、どちらかというと・・・」

『よろしく頼みますよ。先生。』

「は、はい!!すいませんでした!!」

-
-

倅を呼ぶ。

『おまえが全面的に非力過ぎる。牛乳飲んで早く直せ。』

「うん。」

・・・・。

・・・・。

不思議なもんだ。

私が中学の頃は「寝技」だけだったが・・・
学校にもよるのだろうが、なんとも不思議なもんだな。

私は学生時代、ラグビーと柔道を経験した。どちらも基礎練習はみっちりと、もう、それはもう、酷過ぎるだろ?ってほどやらされた。「ゆとり」を逃れた世代は同感だと思う。

運動部の基礎練習はキツかったのだ。柔道なぞ目が回るほど受け身ばかりさせられた。ラグビーも吐くまでキックダッシュさせられた。どちらも、来る日も来る日も筋トレばかり、走り込みばかりだった。「相手を投げる」とか「タックルする」など遠い先の話だった。

だから「値打ち」もわかったし「危険」も感じたのだ。

ちゃんとせねば「怪我では済まぬ」と理解した。自分も相手も。

体育の授業で「寝技」をさせられ、私がふざけて「腕ひしぎ十字固め」などをかけて遊んでいたら、烈火の如く怒り狂った教師に殴られたもんだ。カッコだけ真似て、投げ技を仕掛けるのも厳重に禁止されていた。それは往復ビンタが飛びまくることだった。

ひと昔前、学校が厳しいところだったときにはさせないで、「ゆとり」よろしく、ぬるま湯よりもぬるい今の学校でさせてもらえることが増えている。

不思議なもんだ。

「4」へ

■2007/12/06 (木) 似てないモノマネは面白くない。4

・・・。

いや、はっきり言おう。

つまり、

ンなもん、餓鬼に媚を売っているに過ぎんのだ。

「まだ早い。」
「まだ駄目。」

「十年早い。」

資格を問うことがぬるくなっているのだ。

社会見学でバスの中で喰うパンを選ばせる。

「選択することを学ぶ」だと。

メロンパンかあんパンかジャムパンか。

妻が笑いながらプリントを持ってきた。

「これ・・聞くン?子供に・・・?」

笑止千万。餓鬼は食パンの耳でも喰ってろ。

「で、あんたは、何パンなんww??」

「なんでもええよ・・・」

そうだろう。そうだろうww

修学旅行の晩飯。ディナーコースだと。魚か肉かだと。

「マナーを学ぶ」だと。

餓鬼はなんでもしっかり、楽しくありがたく喰え。

先の柔道の授業もそうだ。餓鬼が飽きっぽいから、地道な練習ができんからに過ぎん。

だから倅が鎖骨をクラッシュするのだww

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餓鬼には基礎を叩きこめ。

中途半端に「マネ」をさせるな。

「地道」の凄さを思い知らせろ。

「コツコツ」の強さを刷り込むのだ。

社会に出てから泣くのは、その餓鬼だぞ。

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