昭和建築学会


昭和の建築物や路上にあるオブジェなどを中心にご紹介します。

昭和建築学会 第82回 神戸東京12日間 その11 東向島6

2015年01月22日 | 建築

解放区を隔ててある、二つの廃屋を観察していた。

で、この二軒は道路にはさまれ、孤立状態になっているのであった。(図)

 

 

廃屋1の表の方に回ってみた。前回、ちらっとだけ市松模様のタイルが見えた方である。

 

 

むむむ、この戸袋……。

緑のホース状(?)なのは、何でしょうか? エアコンの排水ホース?

 

 

戸袋アップ。土台のコンクリートに貼り付けられているのが分かります。

普通の民家が、このような意匠を必要としたのでしょうか?

 

 

緑色のものは、巻き取り式のビニールひさしでありました。

 

 

この戸袋にして、派手な市松模様のタイル……、うーんもと遊郭とか水商売関係?

 

 

入口らしきところ、(左の方)の横っちょになにやらありました。

もう1枚。

 

 

なにやら、です。街灯跡か、玄関ベルの跡かな?

 

こういう大物を観察していると、小さなものは見落としがちですが、

 

 

ひさしのところにあった金具です。巻き取り式のビニールひさしを支えていたのでしょうか?

この頑丈さ、ただ者じゃありませんな。

 

 

屋根には旧式のテレビのアンテナ。

うん、パラボラアンテナはBS専用だったのでしょう。地デジ移行のときには、もう人は住まなくなっていた?

 

 

郵便受け。

回覧板の分厚いファイルが入ったままに。

うん、ご近所づきあいはあったのでしょうね。

 

 

前回も少し触れた、空のリール。

モダンアートのように路上に立っていました。

 

 

これも前回見ましたね。

赤い鉄の箱と、ころのついた黄色い台車のようなもの。

 

やっぱり下町の工場か何かとして、この建物は最期となったのでしょう。

 

 

廃屋1の裏の戸。

なんでもないところに、こんなアールが!

レトロですなあ。

 

 

そういえば、上中下と別れていて、上中とガラス張りなのも、

なにやら意味ありげな。

 

 

軒下には、このような細かい細工が……。

 

 

ふたたび、裏手から二階部。ちょいキュビズム建築なんですね。

 

 

一階部を窓越しに撮影。カメラやカメラマンの腕がじゃなく、

ガラスではなく、曇った厚いプラスチックのようなものが窓にはめられていたんです。

ちょっとお見苦しいの許して下され。

 

廃屋2にいくまえに。

近くで見つけたアート。

 

 

このフタバマークの造型、

DQNアート

呼びたいと思います。

 

ヒップホップ調の落書きなら、

DQNアート

にならないけど、すごい場末に放送禁止用語をスプレーで書いたようなのは典型的な、

DQNアート

 

一度、アップロードします。


昭和建築学会 第81回 神戸東京12日間 その10 東向島5

2015年01月22日 | 建築

私が、街中を撮影しながら歩くとき、心がけていることがある。

それは、分かれ道や四つ辻に立ったとき、どちらに行こうかと迷う、そんなときには

できるだけビンボーそうな方へ行く

ということを心がけているということである。

 

おかげで、都会なのに舗装されていない道に行ってしまったり、人家の真ん中の袋小路、行き止まりに迷い込んだりしてしまうことも多い。

それに、「あれ、さっき来たところじゃないか」ということもある。

 

おもしろくない物件は、少なくともバブル以降に建てられた、今風の住宅(近くに寄ってみると案外発見もあるけど)、

おもしろい物件は、昭和30年代ころに建てられたモルタル建築。

純木造建築には、古いも新しいもなく、惹かれてしまう。

 

さて、今回もそういう中で見つけた物件を紹介。

まず、見取り図を見て欲しい。

 

おおざっぱな図で申し訳ないが、このような一画があった。

楕円の外は道路で、ここだけ開発から取り残されているのである。

解放区と書いたのは、駐車場にすらなっていない、

緑のフェンスを張られた更地で、私が勝手に用いだした言葉である。

 

廃屋1も廃屋2も、すごく小さく、解放区が広々としていた。土地の持ち主は、税金対策をどうしてるんだろう?

 

まず、廃屋1のほうから見ていきたい。こっちの方が、つっこみどころ満載だった(笑)

 

 

外観。パラボラアンテナがついてるから、人は住んでるということに、今さらになって気づいた。

しかし、一階部はまったく使われていないようだった。

 

左端に写っているフェンスが、解放区のフェンスである。

右にちょっと写っているようにここの道、五叉路、六叉路(?)と、昔の道筋の面影を残していた。

 

 

まずは、原爆タイプにして、キュビズム建築。

きれいに白く塗られてますね。やっぱり人が住んでいるんでしょう。

 

 

別方向から、原爆タイプ-キュビズム建築に寄って見ました。

無用窓のトマソンもあり、きれいだな……。

 

 

もといた道路の方に戻って、意外なものを発見。

この千鳥格子のタイル、元遊郭のにおいがぷんぷん。

 

 

ね、こんな感じですよ。

 

 

もう1枚。

 

 

解放区を撮ってみました。

整地もされていて、きれいですね。もともとは駐車場にしてたんでしょうか?

 

廃屋1の核心に迫ってゆきます。

 

 

あー、二階部、植木鉢現役っぽいですね。やっぱり二階には人が住んでます。

住人の方、すみませんm(_ _)mペコリ。

 

で、この写真。

もとは、下町の工場かなにかだったのでしょうか?

右端の赤い鉄の箱、ころのついた黄色いもの、それっぽいですね。

 

木のすのこ(?)は、フォークリフトを使うときのものじゃないかな。

 

投げやりな感じで、青いビニール紐で縛ってあるあたり、この一階部はすでに閉鎖・廃業されているようです。

 

 

ビニールひさしが、それとなくキュビズムとなっている……。

 

本当に

「がたぴし」

という音を上げそうな、扉や窓たち。

 

左端の、空のリールは何かの工業製品の原料が巻き付けてあったのでしょう。

 

 

やっぱり鮮やかなブルー、というか、この鮮やかさに惹かれてカメラを最初向けたんです。

電気メーターの傾いているあたり、演歌ですよこれは。

 

中央、波形トタンが屋根になってますけど、勾配が急なのも波形トタンゆえですね。

 

 

二階部。パラボラアンテナは確かにありますが、ベランダ荒れてますね。

荒れてる庭園を象徴するように、アロエが育っています。

う~ん、やっぱり二階部も廃屋?

 

 

さっきの二階部の右の方へ移りました。

ブルーのトタンで閉鎖されてるから、やっぱり廃屋でしょうね。

 

外壁に、ちょっとずれて、木板をはめ込んである窓、なんかかわいい……。

 

いったん、廃屋1を外れますね。

 

 

解放区です。

 

 

フェンス越しの、廃屋2。遠くからでも原爆タイプが分かります。

 

いったんアップします。