こんにちは、荒川です。
普段は申請業務についてブログで触れることは少ないですが
今日は長期優良住宅について少しお話したいと思います。
というのも10月1日に長期優良住宅の改正が予定されています。
前回までの内容を含めて法改正スケジュールをまとめると以下のようになります。
今回は①②③の内容が主な変更点です。
法改正スケジュール
① 木造住宅の重量化など、現在の住宅の実情に合わせた基準への見直しが検討されています。断熱材や太陽光パネル、住宅設備などの充実にともなって住宅がどんどん重くなっています。現在の建築基準法や耐震等級を取得するための計算では足りないのでは?という議論が有識者の中であがっているようです。
今回はこれまで耐震等級2等級以上で認定がとれていたものを3等級への引き上げというかたちで変更が行われました。耐震等級3まで取れていれば一定の安全性を確保できていると判断されたためです。
しかし、今後はさらに基準が厳しくなっていくと思います。構造計算が必須になると、認定を取得するまでにこれまでより審査に時間を要する、手数料が大幅に値上げされるのではないかと個人的には予想しています。耐震性がよくなるのはもちろんお客様にとってはいいことですが、長期優良住宅へのハードルが少しあがりそうです。
<耐震等級を定めるひとつの指標>
建築基準法で必要な耐力壁の量を満たす→ 耐震等級 1等級
×1.25倍→ 耐震等級 2等級
×1.50倍→ 耐震等級 3等級
②断熱性能(断熱等級)について
これまでそもそも断熱性をあらわす等級は等級4までしかありませんでしたが、近年の断熱性能の向上にあわせて4より上位の等級が追加され、等級5・6・7が追加されました。長期優良住宅では10/1~は等級4から等級5以上を満たすことにこちらも基準が厳しくなりました。
宮城県内ではそれぞれ、栗原市が3地域、仙台市・多賀城市・山元町が5地域、それ以外の市町村は4地域に該当するので以下の数値を満たす必要があります。
伊藤工設計ではこのUA値を「0.40」基準(プランによります)としていますので、長期優良住宅をとるためだけに特にグレードアップする必要はありません。
③さらに、これまで求められていなかったエネルギー消費量の等級(断熱性能と設備機器を評価、どれだけエネルギーが削減されているか)も求められるようになります。
(太陽光発電の発電量を含まない計算で)基準となる数値から20%以上 消費エネルギー量を削減することが要件となりました。
これまで約1か月程かかっていた認定ですが、審査項目が増えるため認定取得までにもうすこし時間がかかるようになると言われています。
着工までに間に合わせるためにはプラン・設備の決定の時期について気を遣わなければいけません。また、給湯器・エアコン・水栓・照明なども審査項目に加わってくるため、これらの設備をきめていただくタイミングにも少し影響がでてきそうです。
以上、3つの法改正が10月1日から始まります。
2025年度からは一般的な住宅でも断熱等級4への適合が義務化されることがほぼ決まっています。長期優良住宅では、税制などのメリットを得られる分、その一歩先をいく取り組みを求められていることになったわけですね。
今後もいろいろなもの・サービスの値上げが続く中で、いかに家で使用する電力を節約できるかはこれまでよりももっと関心の高いものになってきそうです。これまで省エネに関心のなかったも、(光熱費+ローンと考えて…)住宅にかかる月々の支払いを抑えたいということであれば省エネ住宅を考えざるを得ないのではないかと思います。
上のイメージは大げさかもしれませんが…
住宅ローンの支払いばかりに気をとられがちですが、それと同時に一緒に光熱費を考えませんか?と弊社ではお伝えすることが多いです。弊社ではエネルギーパスという資料で「家の燃費」を計算しています。ぜひ一度 その差額を確認して頂きたいです。
でも実は…何といっても温かい家で過ごすいちばんのメリットは、体に優しくに過ごせるということのような気がします。風邪をひきづらくなったり、家族が健康に過ごせるというのがいちばんのメリットなのではないかと感じています。