鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第二話

2019-05-10 20:23:01 | space.battleship.yamato二次創作


space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第二話


階段を掛け降りた大地。
その大地と入れ替わるように、大地が目指したコスモ零が、甲高いエンジン音、熱風が作り出す陽炎と白い湯けむりをなびかせ発進した。

「チッ。先客かよ!」大地は見上なら拳を突き上げた。
「ん!?先客?」と思いながら振り返り、黒鉄に聳(そび)える物体を見上げた。

「……これは…これはヤマト!」

「宇宙戦艦ヤマトだ!!」



大地の心に安堵が沸いた。
もしかしたら土方司令も生きているかも知れないと。
既に補助エンジンには火が入っているようだった。
第三艦橋から長く伸びるタラップが格納されはじめた。
その様子を見た大地は再び走り出した。
大地は格納されはじめたタラップに飛び付くように乗り込んだ。
エアロック室を抜けると、もう一枚扉が存在した。
暗証番号式のロックパネルが大地の目に飛び込む。

がしかし、大地は予想もしない行動に出たのだ。
扉を叩きはじめたのだ。
監視カメラも、この大地の行動をバッチリと捕らえいた。
そう。大地は暗証番号で手こずるくらいなら、暴れる訳ではないが、扉をやたらと叩き、監視カメラに映れば向こうから開けてくれると。

大地が思った通り、扉は開いた。
しかし大地を待っていたものは、保安隊のクルー二人であった。

「貴様!何処から侵入した?」
「所属は?」矢継ぎ早に質問が飛んだ。

「俺……いや自分は士官学校卒業見込候補生。森 大地。」
「焼け野はらを逃げて来たら、ここにたどり着いた。」

「士官候補生だと!?」
「とにかく、艦長の指示があるまで貴様を拘束する。」
手錠を取り出す保クルー。

「なんで 逮捕ッ!?」と暴れ出す大地。

「何をやっとるかぁー!!」といきなりスピーカーから怒鳴り声。
「ビクッ」と大地も保安隊のクルー二人も、動きを止めた。
艦長を兼任する土方司令の声だった。
監視カメラから送られた映像を艦長席に映し出されたモニタで、土方は見ていたのだ。

「大地!その保安クルーといっしょに第一艦橋だけでまで上がって来い!」

言われた通りに第一艦橋へ上がった大地。

「無事だったな。大地。」先ほどとはトーンを押さえた声で土方は口を開いた。

「ヤマトは出撃準備に入った。」
「お前には、戦術長のサポートをやって貰う。」
「戦術長の左の席へゆけ。」

大地は言われた通りに席着く。
あれこれと指示が飛び交う中、大地はさっき発艦した零について、土方に尋ねた。

「司令。さっきの零は?」

「さっきの零?」
「ああ。改良型の零だ。コスモ01(ゼロワン)だ。敵の動きを偵察させている。」

大地はランランと目を輝かせ「ポカン」としてしていた。
そんな大地を他所に、機関長、航海長の声が飛び交う。

「波動エンジン内、圧力上昇。」
「補助エンジン回転数、安定に入りました。」
「波動エンジン点火30秒前!」

「波動エンジン点火30秒前!ヨーソロ!」

「波動エンジン点火10秒前!」
「・・・7・6・5・4・3・2・1・波動エンジン接続点火!」

「ガントリーロック、オープン!」

「ヤマト。出撃!!」

「氷塊爆発!」厚さ10キロ長さが.1000メートルを超える氷塊が粉々に砕け、ヤマトに降り注ぐ。
雹(ひょう)混じりの吹雪と表現が相応しいかも知れない。
緻密な計算で爆薬が仕掛けられた事によって、大きくても子供の握った拳ほどの欠片しかない。



氷山に囲まれ飛翔するヤマトをカモフラージュするには、最適な人工的吹雪である。

「ヤマト、上昇角40度!」
「主砲、ショックカノン初弾装填!」

「ヤマト上昇角40度!ヨーソロ!」
「ショックカノン初弾装填よし! 」
「ガンナーへ渡します!」

「し~ん」と静けさが漂う第一艦橋内。

だが、それはすぐに打ち消された。

「ガンナー!何をポカンとしとるかぁーッ!」大地に向け激を飛ばす土方。

「…ハッ。ハイ!」
「ガンナー頂きました!」

新造された宇宙戦艦ヤマトには、口径46cm三連装陽電子衝撃波砲塔が8基と、初代ヤマトの倍以上、装備されている。
メインレーダーが捉えた全標的と、各ミサイル、射撃レーダーとリンクされ、最適化され艦長席と戦術長席に送られる。
艦長からの指示がなければ、戦術長に一任されている為、戦術長が指示をガンナーに出す。

カートリッジ式のショックカノン。
真空から無限に産み出す波動エネルギーだが、8基の主砲だけでも初代ヤマトより倍以上のエネルギーの消耗は作戦行動に差し支える事に考慮して、新造に合わせ開発された波動エネルギーを充填したカートリッジ方式に変更されたのだ。

「艦長!山本機より入電!」
「スピーカーに繋ぎます!」

「敵の母艦と思われる大型艦を一隻を確認!」
「強襲を仕掛けて来た敵機は順次、補給に帰還中!」

「うむ。」
「山本。貴官はその場に待機。」
「第一航空隊を合流させる。大型母艦はヤマトで叩く。」

「ラジャー!」

「大地。主砲を何時でも撃てるよう整えておけ。」

「了解。」

「第一航空隊は発艦準備!」

「メインレーダーに大型母艦捕捉!」土方の指示と入れ替わるように、レーダーオペレーター相沢が告げて来る。
同時にメインモニタに映し出される大型空母(母艦)。
漆黒の宇宙に溶け込むかのように黒々とした母艦が映し出された。
大地が司令部に来る途中で見かけた機体を、そのまま大型空母にした感じである。
前部に発着口と思える開口部が見える。
その後ろに大型艦に相応しい三連装の大型砲塔が、二基確認出来る。
そして三連装砲塔の後ろにはブリッジが聳(そび)え立つ。
円盤型の大型戦闘母艦と言う言葉がピッタリだろう。
全長:650メートル級の二代目ヤマトの倍以上の大型艦は、現在データ不足の為、便宜上"大型戦闘母艦"と艦影、識別ネーム及びコードがインプットされた。

「敵、大型戦闘母艦との距離40.000!」

「主砲!初弾撃ち方よーい!」
「第一航空隊は初弾撃ち方と同時に発艦せよ!」

「主砲、てぃーーーッ!!」
土方の号令と同時に大地はトリガーを引いた。





第一、第二、第三、第六、第七の順番で主砲初弾が斉射された。
※第一から第三主砲塔は前部
第六から第七主砲塔は艦底部第三艦橋前

小刻みにヤマトが上下に揺れた。
それが合図となり、ヤマト第一航空隊が発艦してゆく。




第三話
つづく。


この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。