鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

space.battleship.yamatoー新たなる戦士たちー第九話

2019-05-29 14:54:06 | space.battleship.yamato二次創作



space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー

第九話


熱烈な大歓迎を受ける上陸したヤマトのクルーたち。
もてなさる食事が、一段落した時、聖総統スカルダートは、こう語りはじめた___。

「諸君。そのまま、宴を楽しみながら、私の話に耳を傾けて欲しい。」
「疑心暗鬼。と言う言葉が、我々の中では存在する。」
「今の諸君らも同じ心境であろう!?」
「私には、それが痛いほど解る。」
「何故なら、私自身も似た経験が、あるのだから。」
「これを観て頂こう。」そう言うと聖総統は、指を「パチリ」と鳴らした。
何も無い空間に三畳程の大きさで、空間モニタに映し出されてる地球。

その地球へと接近する一つの惑星。
惑星の九割以上が海なのだろ。
陸地らしきものが、「ポツンポツン」と島と思えるものしか確認出来ない。
そして、その惑星の周りには環(リング)が大小合わせて三つ存在している。
その環(リング)は、どうやら氷と水で構成されているようだ。
大小の環(リング)は何れも、同じ方向に流れて惑星の周りを回っている事も確認出来た。

「命の水の惑星アケーリアスだ。」聖総統が惑星の名前を告げた。

聞いた事はあっただが、それは伝説と云うか、おとぎ話の中の惑星で、いくら広大で無限に拡がる宇宙だが、本当に存在するとは思っては、いなかった。



「……本当に存在していたんだ………。」坂本は心の中で、そう粒やいた。

聖総統の話は続いた。

200年前、衝突こそ間逃れたが、この地球はアケーリアスとスレスレの距離で交差、アケーリアスから降り注ぐ命の水は、例えるなら超巨大なハリケーンが数十個規模で一ヶ月以上も世界を襲い、水没させた。
有り余る水が引くのに半年以上も掛かった。
半年以上も水没していた事により、森は腐り、その影響で海洋生物は死滅、水が引く同時に宇宙の塵と化した。
地下都市に逃げ延びた僅かな人類は、ほとんどが、この地球を棄て何処かへと第二の地球を求め、旅立って行った。

話は、ここで終わりではなかった。

聖総統が云うには、命の水の惑星アケーリアスは地球との急接近し、交差した時の影響で、ねじ曲げられた時空間変動により、ワープしたと云う。
ただ、ワープしたのではなく"タイムスリップ"的なワープをしてしまったとの事であった。
そのタイムスリップ的なワープアウト先が、200年過去の太陽系、即ち、約10日後には、この地球と同様の出来事に、自分たちの住む地球が遭遇すると云う内容であった。

そして、彼、聖総統は最後に、こう告げた。

「ヤマトの諸君は一度、君たちの地球へ戻り、この事実を教え、我々の地球へ人類を導いて欲しい。」
「過去の君たちが消滅してしまっては、我々は存在しない。即ち地球人類は絶えてしまう事に成る。」
「時空間回路が閉じてしまうのも、時間の問題だ。」
「サーダが道先案内人として、君たちを再び、先導する。」

上陸先発隊の代表として、坂本は「一度、ヤマトに戻って艦長に伺う。」と告げた。

「良かろう。」聖総統の言葉に、坂本は飛鳥らに声を掛け、ヤマトに帰投する為、宴の席を後にした。


◆◆◆◆


明朝05:00
雪をリーダーとするパルチザン。

「重火器が欲しいな。」と島が口を開いた。

「……在る。重火器、在るぞ。」
「旧空間騎兵隊が使用していた多脚多用途戦車が。」
「旧地下都市指令部の格納庫に数台在るはずだ。」
「現防衛軍が接収してなければな。」と、藤堂が教えてくれた。

パルチザンのメンバーに笑みがこぼれた。

「ならば。早速、拝借しようぜ。」

旧英雄の丘の地下から、迷路のような通路を抜け、旧地下都市:防衛軍指令部格納庫へ到達したパルチザン。
06:00時の作戦開始を遅らせ、07:30時、開始に繰り下げた

【旧空間騎兵隊:101(ヒトマルヒト)式・多脚多用途戦車】イメージ

「弾薬の補充と整備に1時間だな。」
「全員で手分けして、作業に当たれ。」雪が下した。

幸い弾薬も戦車も含め、工具や潤滑油類も接収される事なく、手つかずであった。

「おっ!7.5mm迫撃砲やらアサルトライフルやら、お宝が腐るほど手つかずだ!」
「積めるだけ積んどけ。」

「で、森。何処から攻め込む?」

雪は指を真上に指した。
「この真上から攻め込む。」

「真上!?旧第五区画か。」
「敵さんの眼と鼻の先だぜ。」

「だから奇襲には最適なんじゃない!?」
「灯台もと暗し。てね。」島の問いかけに淡々と答える雪。

「ねぇ。島君。」
「良いものがあったわ。」
「これを私たちの旗にしない?」
それは、戦死した斎藤らの部隊旗であった。
白地紅い日の丸の中に"第九連隊"のエンブレム死神が描かれ、死神の鎌には"九連"と書いてある旗であった。

「泣く子も黙る九連隊……。斎藤の部隊らしさが伺えるな。」

【グリム・リーパーGrim Reaper】

「んじゃ。俺たち死神の歩兵隊 チーム:グリム・リーパーな。」

「いいね!」
雪たちは拳を頭上に上げ、「コツリ。」と当てた。


第十話
つづく。


この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。

使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。