
space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー
第三話
轟音を響かせて、撃ち放たれたショックカノンは、それぞれの主砲身から一発づつ発射されるが、数百メートル辺りで捻れ螺旋を描きながら一つに纏まり、一発の光弾(エネルギー弾)と成る。
三発分が一発の光弾である。
初弾として放たれたショックカノンは計五発の光弾と成る。
五発の直撃を喰らわせるが、母艦だけの事はある。
たった五発では、かすり傷程度の損傷しか与えなかった。
「ショックカノン!初弾、全弾命中!」
「損害は軽微!」戦闘データを即時、解析するオペレーターのエリカ・グレイスリーが告げた。
エリカ・グレイスリーはカナダ系日本人。
初代ヤマトは当時、"遊星爆弾"で壊滅したロシア、中国に代わって極東管区を任された日本で立案、計画、建造された事もあり、クルーは日本人だったけど、この二代目のヤマトは地球の復興と防衛軍の再建計画こそ日本だが、ヤマトはその防衛軍再建計画の中の一つで、地球にはヤマトに代わるフラッグシップ(旗艦)アンドロメダが存在する。

このアンドロメダは当時の北米管区カナダが立案、計画、建造した。
そして、宇宙での長期に渡る訓練にあてがわれたのが、先に再建された宇宙戦艦ヤマトである。
エリカは配属先と成るアンドロメダを蹴って、ヤマト配属を希望した経歴の持ち主。
蒼い瞳で髪は黒のセミロング。
少佐に成り立ての21歳。
戦術長の大郷 司(まもる)少佐と同期。
エリカ少佐の報告を聞きながら大郷戦術長は、自席のキーボードを叩きはじめた。
「データ入力完了。」
「艦長。大型戦闘母艦の装甲材は不明ですが、ショックカノン五発では2パーセントのダメージしか与えません。」
「ここはウィークポイントと思われる、あの艦載機発着口に撃ち込み内部爆発させるのが、最も効果的かと。」
「主砲全門一斉射撃の弾幕でカモフラージュ、亜空間魚雷による開口部への攻撃を具申します。」
冷静さを欠かない態度を常に見せ、静かな口調で、右手人差し指と中指二本で縁なし眼鏡の位置を直しながら、具申した。
「うむ。」
「よかろう。次の作戦まで戦術長に戦闘指揮を任せる。」
「了解。」
「これより、自分は戦闘指揮所へ上がります。」
戦闘指揮所。
広さとしては四畳半ほどのこじんまりとした一室で、前面と側面に大型モニタが有り、室内のやや後方中央に艦長席並みの席が一つある。
第一艦橋の上に設置されている。
その後ろは基幹エレベーターが有り、その上が艦長室である。
戦闘指揮席と第一艦橋戦術長はリンクされる。
戦術長が戦闘指揮所に上がると同時にマルチ自立型ロボット:アナライザーがバックアップに戦術長席に着く。
戦闘時は第三艦橋=全天球レーダー室とリンクされる。
「主砲。全門開け!」
「艦首、亜空間魚雷発射管全門装填!」
「アナライザー。航空隊と連携を取る。山本機と回線繋げ。」
「リョウカイシマシタ。」
「カタカタ」とコンソールを叩く音と大郷の指示する声だけが聴こえる室内。
大地はトリガーを握り、戦闘指揮所からの指示を待つ。
緊張でトリガーを握る手が汗ばむのか、僅かにトリガーが動いてしまう。
「ガンナー。0.2度右に修正せよ。」
「指示あるまで動かすな。」
大郷から直接、インカムを通し、告げられた。
不馴れな大地は「たった0.2じゃねぇか。」と心の中で呟くが、右に0.2度修正した。
「主砲及び艦首亜空間魚雷、全門装填完了!」
「主砲、速射0.3秒間隔。」
「砲塔旋回左25度、仰角18度。」
「一番から順に撃ち方はじめ!」
「続いて艦首亜空間全門、射角を2度間隔で扇状に発射せよ!」
矢継ぎ早に飛ぶ大郷の指示を大地は、神経を集中させ、実行した。
主砲で弾幕を張り、陽動撹乱という大胆な戦術、陽動撹乱に気を取られた大型戦闘母艦=暗黒星団帝国:重戦艦プレアデスは、漆黒の宇宙(うみ)に轟沈した。
帰る場所を失ったエネルギーも弾薬も底を着いた暗黒星団帝国:量産型局地戦闘機十数機は、山本 飛鳥中尉率いるヤマト第一航空隊によって撃墜された。
と、その時であった。
一筋の後光がヤマトを貫く。
時間にして十数秒間、時が止まった感覚にクルー全員が体感、幻のようなものを観せられていた。
超巨大な水柱によって、地球が、地球の全土が水没するという内容のものだった・・・
◆◆◆◆

地球防衛軍日本艦:宇宙戦艦ヤマト
全長:534.02m →650.00m
全高 :154.33m
全幅:93.62m
巡航速度:光速の99%まで可能(ワープ時は超光速航行)
兵装
艦首200cm口径波動砲×1門
主砲:46cm口径三連装陽電子衝撃砲波塔×8基(艦首側3基艦尾側2基 艦底部第三艦橋前2基 後部1基 計24門※波動カートリッジ式ショックカノン)
副砲:15.5cm口径三連装陽電子衝撃砲塔×4基(艦橋両舷側に1基づつ 第三艦橋前、後部に1基づつ計12門)
魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)
亜空間魚雷発射管×16門(両舷側面)
八連装ミサイル発射塔×1基(煙突部)
ミサイル発射管×8門(艦底)
爆雷投射機(マスト付け根)
12.7cm口径四連装高角速射砲塔×8基
8.8cm口径三連装高角速射砲塔×4基
12.7cm口径連装高角速射砲塔×8基
7.5cm口径連装高角速射光線砲塔×10基
7.5cm口径三連装速射機関砲塔×4基
司令塔近接防御火器×2基
艦載機
艦載艇
艦載車両
零式52型(改)空間艦上戦闘攻撃機コスモ・ゼロワン×1機(山本 飛鳥専用機)
99式空間艦上攻撃機 コスモタイガーII×48機(+予備機4機 計52機)
空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル×2機
100式空間偵察機×2機
キ8型試作宙艇×1機
90式内火艇×2隻
作業用装載艇×6隻
特2式多目的換装車×6両
特殊装備:亜空間ソナー
◆◆◆◆

全長:750.00m
全幅:156.00m
主機:波動エンジン×2基
補機:補助エンジン×4基
武装
艦首320cm口径拡散波動砲×3門
主砲:51cm四連装陽電子衝撃砲×5基
副砲:31cm四連装陽電子衝撃波砲塔×4基
重力子スプレッド発射機×4基(波動砲上下)
四連装対艦グレネード投射機×2基
(前甲板両舷)
短亜空間魚雷発射管×16門(両舷)
多連装ミサイル発射機×16基(両舷)
ミサイル発射管×10門(艦底)
司令塔防護ショックフィールド砲×3基(司令塔前部および基部)
近接戦闘用六連装側投射砲×2基
(司令塔基部)
対空パルスレーザー砲塔×4基(司令塔および基部)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×1基(司令塔基部後方)
搭載機
搭載艇
100式空間偵察機×2機
空間汎用輸送機SC97コスモシーガル×2機
内火艇×2隻
◆◆◆◆
第四話へ
つづく。
この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。
使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。