
二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn
第二話
西暦2198年12月25日ー地球・連邦都市跡地ー
この日、地球に本部を置く太陽系連邦艦隊司令部は、全連邦艦隊所属残存艦艇を集結、フル装備を整え、決戦地:冥王星宙域へ向け、出撃した。
アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、中国、インド、オーストラリア、日本を中心としたアース(地球)艦隊、ルーナ(月)基地、マーズ(火星)基地そして、壊滅寸前にジュピター(木星)基地を脱出した艦艇から成る85隻余りの太陽系連邦艦隊。
最後の太陽系連邦艦隊である。
総旗艦をアース(地球)艦隊を指揮するアメリカ:ニュージャージーとし、古代守の配属された第二駆逐戦隊は、沖田十三中将座乗艦:霧島を戦隊指揮艦とし、斬り込み隊長艦を古代守少佐艦:雪風とした。
古代守にあたっては、日本艦艇限らず、艦長職を任せたられる人員の多くが、先の第二次火星沖会戦で失われ、不足していた事もあり、急遽、二階級特進させた。
最後の太陽系連邦艦隊の内訳は、次の通りである。
アース艦隊:45隻・マーズ艦隊:20隻・ルーナ艦隊:15隻・ジュピター艦隊:5隻から成る連合艦隊である。
ジュピター残存艦艇は脱出時には7隻であったが、内二隻は損傷も激しく"地球脱出船"の材料とされた。
◆
ー冥王星沖宙域ー


「シュルツ司令!地球艦隊を捕捉!」
「土星圏資源採掘部隊:監視隊の報告通りの艦隊数85隻です!」
「うむ。通信オペレーター。」
「我が方はガンツの艦隊を出せ。」
「手加減しろ。と伝えよ。」

「手加減するのですか?」
「殲滅するなとの仰せだ。」
「撤退に追い込めば、それでいい。」
「了解であります。」
先制攻撃を仕掛けたのは、太陽系連邦艦隊であった。

「この一戦は大事な一戦である!」
「地球の地球人類の未来の為にも大事な一戦である!」
「必ずや勝利し、明日の未来に繋ぐ!」
「諸君らの健闘に期待する!以上だ!」
艦隊総旗艦アース艦隊ニュージャージー座乗のアーチャ・ミズリー提督が攻撃開始を告げた。
第二駆逐戦隊斬り込み隊長:雪風が突破口を開く為、従える八隻のミサイル駆逐艦を率いり、新型対艦ミサイルの雨を降らす。
イギリス艦艇:宇宙空母アーク・ロイヤルからは、コスモタイガーワン・雷撃隊が42機、発艦した。
第一波攻撃機隊だ。
斬り込み艦隊による対艦ミサイルの弾幕は、航空隊の発艦を援護と二段構えの策でもある。

宇宙空間対応型戦闘機は、宇宙空間を高機動力で自由気ままに飛び回る利点はあるものの、航続距離が短いという不利な点も、持ち合わしている。
その為、武装に乏しい空母タイプの艦艇は、敵本隊との距離を詰めなくてはならない。
だが、敵との距離を詰めれば、それだけ沈む確率も高く、母艦としては役に立たない。
そこで格闘能力がそこそこに高く、脚の速さを武器に出来る駆逐艦による護衛的支援が必要と成る。
ましてや、航続距離の長い小型機を開発する余裕など、今の地球には無のだから。
突破口とも言える応戦するガミラス艦隊前衛に陣を敷く巡洋艦三隻を、轟沈に追い込み勢いを見せる太陽系連邦艦隊は、歓喜に沸いた。
そんな中、第二戦隊指揮艦:霧島に座乗する沖田中将は、こう口を開いた。
「…このガミラス艦隊、おそらく前衛部隊に過ぎないであろう。」
「必ず、奥の手を出して来る。」
「総員、監視を怠るな。」
「了解。」
時折、ノイズが入るメインモニタを分割し下面に映し出される完全に修復、改良され、無傷のガミラス冥王星基地。
司令部と思える建造物は確認出来ない。
歯痒さの中、沖田中将は「第二戦隊・主力戦隊へ!砲雷撃戦よーい!」と命令を下した。
「主力戦隊は横一文字隊形を取れ!」
「艦首:四十六糎衝撃砲!初弾、装填!」
「全艦、座標ポイント入力!」
「艦首、下方へ5度修正!」
「閣下!全艦、初弾装填完了!」
「うむ。」
「全艦、艦首衝撃砲、一斉射撃てぃーッ!!」
イメージ曲【space.battleship.yamato】より引用。
第二戦隊主力戦隊全10隻による艦首衝撃砲が、一斉に火を吹く。
螺旋を描き光弾はプラズマ波を纏い、真一文字に突き進む。
沖田中将の狙いは艦隊ではなく、射程ギリギリの冥王星ガミラス基地であった。
二本の長く伸びた滑走路と管制施設が、目標であった。
着弾と同時に衝撃砲光弾は滑走路のアスファルトをえぐり、大地をむき出しにした。
また、管制施設は三分の二を蒸発させた。
「全艦、艦首を戻ーせ!」
「機関、逆進いっぱい!」
反撃を予測しての後退であったが、戦果に気を良くしたアーチャ・ミズリー提督は「後退するな!前進し、基地壊滅を!」と打診して来たのだ。
「閣下!総司令より、打診!」
「前進し、基地壊滅を!」であります。」
「バカな…。探りを入れたに過ぎん攻撃だぞ。」と心に思う沖田中将。
その時であった。
予測外からの光弾に、まるで奇襲攻撃されたかのように襲われたのである。

「主力六番艦!轟沈ッ!!」
「なっ!何ッ!?」
「レーダー士!今のは何処からだ!」
「はっ、ハイ!それが零時の方向です!」
「…真上か!?」
「真上に艦影は?」
「あ…ありません……。」
「…ん!?」
「…今度はまっ…真下からです!」
「…艦長!艦隊を散開させよ!」
「了解ッ!」
目まぐるしくブリッジ内には状況報告と指示、命令が飛び交っていた_。
◆◆◆◆

「少し、手加減し過ぎたようだ!」
「反射衛星砲、次弾装填!」
◆
第三話へ
つづく。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。