鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第二話

2020-01-04 20:01:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第二話


西暦2198年12月25日ー地球・連邦都市跡地ー

この日、地球に本部を置く太陽系連邦艦隊司令部は、全連邦艦隊所属残存艦艇を集結、フル装備を整え、決戦地:冥王星宙域へ向け、出撃した。

アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、中国、インド、オーストラリア、日本を中心としたアース(地球)艦隊、ルーナ(月)基地、マーズ(火星)基地そして、壊滅寸前にジュピター(木星)基地を脱出した艦艇から成る85隻余りの太陽系連邦艦隊。
最後の太陽系連邦艦隊である。
総旗艦をアース(地球)艦隊を指揮するアメリカ:ニュージャージーとし、古代守の配属された第二駆逐戦隊は、沖田十三中将座乗艦:霧島を戦隊指揮艦とし、斬り込み隊長艦を古代守少佐艦:雪風とした。
古代守にあたっては、日本艦艇限らず、艦長職を任せたられる人員の多くが、先の第二次火星沖会戦で失われ、不足していた事もあり、急遽、二階級特進させた。
最後の太陽系連邦艦隊の内訳は、次の通りである。
アース艦隊:45隻・マーズ艦隊:20隻・ルーナ艦隊:15隻・ジュピター艦隊:5隻から成る連合艦隊である。
ジュピター残存艦艇は脱出時には7隻であったが、内二隻は損傷も激しく"地球脱出船"の材料とされた。


ー冥王星沖宙域ー




「シュルツ司令!地球艦隊を捕捉!」
「土星圏資源採掘部隊:監視隊の報告通りの艦隊数85隻です!」

「うむ。通信オペレーター。」
「我が方はガンツの艦隊を出せ。」
「手加減しろ。と伝えよ。」



「手加減するのですか?」

「殲滅するなとの仰せだ。」
「撤退に追い込めば、それでいい。」

「了解であります。」

先制攻撃を仕掛けたのは、太陽系連邦艦隊であった。



「この一戦は大事な一戦である!」
「地球の地球人類の未来の為にも大事な一戦である!」
「必ずや勝利し、明日の未来に繋ぐ!」
「諸君らの健闘に期待する!以上だ!」
艦隊総旗艦アース艦隊ニュージャージー座乗のアーチャ・ミズリー提督が攻撃開始を告げた。
第二駆逐戦隊斬り込み隊長:雪風が突破口を開く為、従える八隻のミサイル駆逐艦を率いり、新型対艦ミサイルの雨を降らす。
イギリス艦艇:宇宙空母アーク・ロイヤルからは、コスモタイガーワン・雷撃隊が42機、発艦した。
第一波攻撃機隊だ。
斬り込み艦隊による対艦ミサイルの弾幕は、航空隊の発艦を援護と二段構えの策でもある。



宇宙空間対応型戦闘機は、宇宙空間を高機動力で自由気ままに飛び回る利点はあるものの、航続距離が短いという不利な点も、持ち合わしている。
その為、武装に乏しい空母タイプの艦艇は、敵本隊との距離を詰めなくてはならない。
だが、敵との距離を詰めれば、それだけ沈む確率も高く、母艦としては役に立たない。
そこで格闘能力がそこそこに高く、脚の速さを武器に出来る駆逐艦による護衛的支援が必要と成る。
ましてや、航続距離の長い小型機を開発する余裕など、今の地球には無のだから。

突破口とも言える応戦するガミラス艦隊前衛に陣を敷く巡洋艦三隻を、轟沈に追い込み勢いを見せる太陽系連邦艦隊は、歓喜に沸いた。
そんな中、第二戦隊指揮艦:霧島に座乗する沖田中将は、こう口を開いた。

「…このガミラス艦隊、おそらく前衛部隊に過ぎないであろう。」
「必ず、奥の手を出して来る。」
「総員、監視を怠るな。」

「了解。」

時折、ノイズが入るメインモニタを分割し下面に映し出される完全に修復、改良され、無傷のガミラス冥王星基地。
司令部と思える建造物は確認出来ない。
歯痒さの中、沖田中将は「第二戦隊・主力戦隊へ!砲雷撃戦よーい!」と命令を下した。

「主力戦隊は横一文字隊形を取れ!」
「艦首:四十六糎衝撃砲!初弾、装填!
「全艦、座標ポイント入力!」
「艦首、下方へ5度修正!」

「閣下!全艦、初弾装填完了!」

「うむ。」
「全艦、艦首衝撃砲、一斉射撃てぃーッ!!」

イメージ曲【space.battleship.yamato】より引用。

第二戦隊主力戦隊全10隻による艦首衝撃砲が、一斉に火を吹く。
螺旋を描き光弾はプラズマ波を纏い、真一文字に突き進む。
沖田中将の狙いは艦隊ではなく、射程ギリギリの冥王星ガミラス基地であった。
二本の長く伸びた滑走路と管制施設が、目標であった。
着弾と同時に衝撃砲光弾は滑走路のアスファルトをえぐり、大地をむき出しにした。
また、管制施設は三分の二を蒸発させた。

「全艦、艦首を戻ーせ!」
「機関、逆進いっぱい!」
反撃を予測しての後退であったが、戦果に気を良くしたアーチャ・ミズリー提督は「後退するな!前進し、基地壊滅を!」と打診して来たのだ。

「閣下!総司令より、打診!」
「前進し、基地壊滅を!」であります。」

「バカな…。探りを入れたに過ぎん攻撃だぞ。」と心に思う沖田中将。

その時であった。
予測外からの光弾に、まるで奇襲攻撃されたかのように襲われたのである。




「主力六番艦!轟沈ッ!!」

「なっ!何ッ!?」

「レーダー士!今のは何処からだ!」

「はっ、ハイ!それが零時の方向です!」

「…真上か!?」
「真上に艦影は?」

「あ…ありません……。

「…ん!?」
「…今度はまっ…真下からです!」

「…艦長!艦隊を散開させよ!」

「了解ッ!」

目まぐるしくブリッジ内には状況報告と指示、命令が飛び交っていた_。


◆◆◆◆




「少し、手加減し過ぎたようだ!」
「反射衛星砲、次弾装填!」




第三話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第一話

2020-01-04 01:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第一話




地球から16万8.000光年離れた大マゼラン銀河に属する惑星イスカンダル。
そのイスカンダルより、一隻の宇宙船がサーシャという一体のアンドロイドを乗せ、発進した。
サーシャはイスカンダル唯一の人類、スターシャによって、使者として送り出されたアンドロイドである。

だが、地球に地球人類に使者として信用させる必要がある。
そこでスターシャは、ある策を実行に移させた。

ー西暦2198年初冬・火星軌道ー



「…ん!?」
「此方、監視衛星マーズアルファ!」
「火星基地司令部へッ!!」
「地球のものでもガミラスのものでもない、星籍不明船をキャッチ!」
「……ちょっと待ってくれ!」
「その星籍不明船の後方にガミラスの高機動宇宙艇を二艇キャッチ!!」
「状況からして、追われているようだ!!」

「此方、火星基地司令部!」
「ガミラスを排除!星籍不明船を拿捕せよ!」
「繰り返す!ガミラスを排除!星籍不明船を拿捕せよ!」

「ラジャー!」

「陽電子速射砲、カートリッジ装填完了!」
「何時でも撃てます!」

「うむ。」
「射程圏に入り次第、速射開始せよ!」

「射程圏に入った!」

「撃ちー方はじめッ!!」

青白いパルス状のビームエネルギー弾が連射される。




「はっ、速い!」
「射撃レーダーが追い付かない!」

「クッ!オートから手動に切り替え、撃てッ!!」

「星籍不明船が被弾したもよう!」
「速度が若干だが、落ちた!」

「よし!ガミラス高機動艇を捉えた!」
「・・・3.2.1ビンゴッ!!」
「ガミラス高機動艇を撃破した!」
「しかし、星籍不明船の拿捕は失敗!」
「座標aポイント1654283付近から火星に突入した!」
「基地(そちら)で対象されたし!」

「了解した。」

この様子はイスカンダルから火星圏までシュヘラザードに同行した、ガミラスのデスラーにも見届けられていた。

だが、今の地球に、この事を知る余地はなかった…。



「どうやら成功したようだな。」


ー太陽系・火星ー







「座標ポイントからしてこの辺りだ。」
「用心に超したことはない。」
「慎重に捜索にあたれ。」

「それにしても、今日は砂嵐が酷いな。」
いの一番に降り立ったのは昨年、空間騎兵隊小隊長に任命され、火星基地に配属された古代守が口を開いた。

「古代中尉!あれを!」
同隊に配属され、同行した斎藤が告げて来る。
その斎藤の指先に目を向ける古代。


「…人間…!?」
「に、しても美しいな。」着用しているビスチェとレオタードそして、ガーターストッキングを組み合わせたようなコスチューム、透き通るような白い肌、金色の長い髪の容姿だ。
年齢は地球人に概算して19~20歳くらいだ。

「惚れるなよ。斎藤。」

「えっ!アワアワ!」と顔を赤く染め、目をキョロキョロとさせた。
「小隊長。そんな事より、不時着した星籍不明船はまだ、使えそうです。」

「息はあるようだ。誰か担架を持って来い。」
「それと、基地に報告して医療班を待機させておくよう伝えよ。」

「ラジャー。」

小隊長の守は不時着したシュヘラザードを見上げていた。
「この宇宙船の航行能力があれば…。」見上げながら、そう思う古代守の目には希望に満ちた輝きがあった_。

古代守らが基地へ帰投して四時間後、イスカンダルの宇宙船シュヘラザードは、回収された。


ー太陽系連邦防御軍・火星基地解析・開発研究室ー


「これは凄い代物だ。」
「このエンジンさえあれば……」と目を輝かせながら守の同期で科学技術科に席を置く真田史郎が言った。

「やっぱり、そう思うか!?」

「…ん!?古代。」
「何時からそこに?」

「今さっきだ。」
「俺、不時着したこの宇宙船を見て「ピン!」と来たよ。」

「どうしたんだ?今日は非番か?」

「ああ。そんなところだ。」
「オレな。転属が決まったよ。」そう話はじめた守は、どこか浮かない顔を覗かせていた。

「転属!?」

「ああ。転属だ。太陽系連邦艦隊第二駆逐戦隊に転属が決まった。」

「太陽系連邦艦隊…か。」それを聞いた真田の顔もまた曇らせた。

太陽系連邦艦隊。
第一次、第二次火星沖会戦でガミラス艦隊を退け、勝利した誇り高き太陽系連邦の艦隊であったが、勝利したとは言え、艦隊としては壊滅に近い存在に成り下がっていた。
第二次火星沖会戦で古代や真田の同期で、大山敏郎とドイツ人のファントム・F・ハーロックの二人は消息不明と二人の親友を失ったという思いがある。
その会戦を境に、冥王星宙域から飛来する小隕石「遊星爆弾」を撃ち落とすのとは訳が違う。
圧倒的な科学力の差が歴然で、当時は物量にものを言わせ、しかも辛うじて勝利したに過ぎないのだ。
今は物量にもの言わせるだけの戦力は無く、この時期、艦隊配属は「還らぬ人」を意味していた。
守と真田の二人の顔が曇ったのも、それが頭を過ったからだ。

「遊星爆弾を根源から止めるんだと。」
「上層部(うえ)は、奴らが隕石落とししかやって来ないのは、まともに戦闘艦艇が不足しているからでは?と楽観視しているところがある。」
「土星宙域を占領したのは資源の確保で、占領した冥王星基地で艦艇を建造していると睨んでいる。」
「完成させるのに幾ら科学力が勝っていても三年から四年は掛かるとみている。」
「オレも、その辺りは否定しない。が…。」
「第二次火星沖会戦から既に約四年、経つ。」
「つまり、奴らガミラスは艦隊を整えたと考えるのが妥当だろ!?」

「かも知れんな。」
「遊星爆弾も全てを撃ち落としている訳ではない状況だからな。」
「土星圏を取られてから新造してる艦艇は一隻だけだ。」

「真田。オレは…オレは今度の出撃は陽動だと思っている…。」

「陽動?」

「ああ。陽動だと思っている。」
「噂に過ぎないが、新造してる艦艇は「方舟」じゃないかと思う。」
「地球を脱出する為の方舟だとね。」

「その噂なら俺も耳にしたよ。」
「一部の人間と動植物のD.N.Aだけを積み込み脱出すると。」

「……そうか!」突然、真田は声を大きく何かに納得した様子を見せた。

「確か、この宇宙船は大マゼラン銀河に属する惑星イスカンダルから来たと、古代、お前が助けた女性が言っていたと上層部(うえ)が話してるのを聞いた。」
「古代。陽動も含まれているかも知れんが、護衛じゃないのか。」
「「方舟」の護衛だよ。この宇宙船のエンジンは恒星間航行能力を有している。」
「「方舟」に換装して惑星イスカンダルへ移住、移住後、再び地球へ。」
「その為には占領された冥王星基地を奪還しておく必要がある。」
「そう考えれば、辻褄が合う。」
「時間的にギリギリだがな。」

「しかし、真田。大マゼラン銀河まで、光の速さでも168.000光年も掛かるんだぜ。」
「一年以内に往復なんて夢物語りだろ。」

「ああ。確かに。だが、この宇宙船のエンジンなら光の速さを超える事が可能なんじゃないか。」
「ワープ航法だよ。ハイパードライブって聞いた事あるだろ!?」
真田は目を輝かせ、話に夢中に成った。


「古代。胸を張ってガミラスを叩いて来い。」
「大山やハーロックの仇伐ちだ!」
「俺は新造される艦艇が完成するまでに、このエンジンを量産出来るように解析も同時に行う。」
「資源ある内に量産が可能に成れば、地球人類は助かる!」
「もし、間に合わなくでもイスカンダルの援助があれば助かるだろ。」
「古代。頼むぞ。」

「なんか分からんが元気出て来たよ真田。」

二人は大声で笑った。


第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。
石津嵐氏の小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。