西洋近現代美術史(19世紀アート)
今日はドイツロマン主義のフリードリヒだった。
またナポレオンだ。
神聖ローマ帝国はナポレオンの侵攻によって
1806年に解体した。
フランスの統治下となる。
ナポレオン崇拝時期もあったベートーヴェンだって
複雑な心境だったに違いない。
1808-1810に描かれた「海辺の修道士」
画面の3分の2が空だ。
海辺に佇む修道士が暗い夜の海を見ている。
ベルリン美術館で上の絵と対に飾られているのが、
「樫の森の修道院」
破壊された教会に残ったのはファサードだけ。
そこをくぐって人々は祈りをあげようとしているのか?
ドイツの人々はこの対の絵の前にある椅子に座って
何時間もみているそうだ。
さてフリードリヒの作品に触れる前に、
実は先生は
数枚のレンブラントの風景画を見せてくれた。
レンブラント「エジプトへの逃避途上の休息」
当時絵画のヒエラルキーは歴史画、宗教画、肖像画に比べると
風景画はまだまだの時代。
風景画を描きたければそこに宗教的テーマを入れた。
(それはそれで美しいとおもうが)
レンブラント「長いアーチのある風景」
橋を渡ればもうすぐ我が家だ、
長い旅から家路につく者を木々は太陽をさんさんと浴びて出迎える。
これは希望を描いた風景画。
そして、
レンブラント「風車」
低地の苦しみながら、灌漑用水を作り土地を整えていったオランダ人の
心の象徴というべき水車。堂々と誇り高く描かれた。
こうしてレンブラントの風景画を見た後に
どこか寒々しく、死を思わせるようなフリードリヒの絵を見ると、
ちょっと見方が変わってくる。
「雪中の石塚」
樫の木はドイツの国の木だ。
石塚は墓とも思えるが、その上にたつ枯れ木の枝からは
新緑が出てきている。
これも希望を描いたのではないか?
「聖堂のある冬景色」
この絵にはとても惹かれる。
遠くに霞んで見えるゴシックの教会が美しい。
小さくてよく分からないが、
手前中央の岩に男が寄りかかっている。
手前に放り出された松葉杖をついて
やっとの想いでここにやってきたのだ。
彼が見つめているのが何かこの絵でわかるだろうか?
木に吊るされた磔刑のキリスト。
テーマはともかくこの絵の構図、色彩は本当に美しい。
フリードリヒがこれでもかと描く
凍てついた寂しい冬景色。
でもそれは国を奪われた悲しみばかりではなくて、
ドイツ人の精神を見据え、微かな希望を描いているのではないか。
風景画の決まりも、宗教画の決まりも飛び越えて、
新しい時代の絵となり得た。
こんなに美しい風景画も描いています。
50代になって19才年下の奥さんをもらって
こんな絵も描いています。
でも、変わった人だね。
今日はドイツロマン主義のフリードリヒだった。
またナポレオンだ。
神聖ローマ帝国はナポレオンの侵攻によって
1806年に解体した。
フランスの統治下となる。
ナポレオン崇拝時期もあったベートーヴェンだって
複雑な心境だったに違いない。
1808-1810に描かれた「海辺の修道士」
画面の3分の2が空だ。
海辺に佇む修道士が暗い夜の海を見ている。
ベルリン美術館で上の絵と対に飾られているのが、
「樫の森の修道院」
破壊された教会に残ったのはファサードだけ。
そこをくぐって人々は祈りをあげようとしているのか?
ドイツの人々はこの対の絵の前にある椅子に座って
何時間もみているそうだ。
さてフリードリヒの作品に触れる前に、
実は先生は
数枚のレンブラントの風景画を見せてくれた。
レンブラント「エジプトへの逃避途上の休息」
当時絵画のヒエラルキーは歴史画、宗教画、肖像画に比べると
風景画はまだまだの時代。
風景画を描きたければそこに宗教的テーマを入れた。
(それはそれで美しいとおもうが)
レンブラント「長いアーチのある風景」
橋を渡ればもうすぐ我が家だ、
長い旅から家路につく者を木々は太陽をさんさんと浴びて出迎える。
これは希望を描いた風景画。
そして、
レンブラント「風車」
低地の苦しみながら、灌漑用水を作り土地を整えていったオランダ人の
心の象徴というべき水車。堂々と誇り高く描かれた。
こうしてレンブラントの風景画を見た後に
どこか寒々しく、死を思わせるようなフリードリヒの絵を見ると、
ちょっと見方が変わってくる。
「雪中の石塚」
樫の木はドイツの国の木だ。
石塚は墓とも思えるが、その上にたつ枯れ木の枝からは
新緑が出てきている。
これも希望を描いたのではないか?
「聖堂のある冬景色」
この絵にはとても惹かれる。
遠くに霞んで見えるゴシックの教会が美しい。
小さくてよく分からないが、
手前中央の岩に男が寄りかかっている。
手前に放り出された松葉杖をついて
やっとの想いでここにやってきたのだ。
彼が見つめているのが何かこの絵でわかるだろうか?
木に吊るされた磔刑のキリスト。
テーマはともかくこの絵の構図、色彩は本当に美しい。
フリードリヒがこれでもかと描く
凍てついた寂しい冬景色。
でもそれは国を奪われた悲しみばかりではなくて、
ドイツ人の精神を見据え、微かな希望を描いているのではないか。
風景画の決まりも、宗教画の決まりも飛び越えて、
新しい時代の絵となり得た。
こんなに美しい風景画も描いています。
50代になって19才年下の奥さんをもらって
こんな絵も描いています。
でも、変わった人だね。