ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

リトル・ミス・サンシャイン

2007-01-17 | 映画
絶賛の波に押されて見てきました。
多少ぎくしゃくしたこの一家に笑ったりホロっとしたり、
グレイグ・キニア上手いな~、
トニ・コレット疲れた女ぶりさすがだな~、
わっ「サイン」のとんがり帽子の女の子だ!
ゲイの叔父さんですか・・・
こういう息子いるよな~
・・と、気持ちよくみていたのですが、
ですが!

私はラストでがくっとなってしまった。
あれはいただけません。
アラン・アーキンの演じたコカイン中毒のじいさんは、
何を思って可愛い孫にあんな踊りを教えたのでしょう?
美少女コンテストをあそこまで奇怪なものに描くのも、
どんな意図があってのことかさっぱり分かりませんでした。

ご覧になっていない方にはちんぷんかんぷんですね?
ごめんなさいね。
でもこんな風にしか書けません。

この一家は最初に書いたように多少ぎくしゃくはしているものの、
決して壊れてもいないし、再生を必要ともしていない。
映画の中でよく使われる「勝ち組負け組」といういやらしい言葉にも
縁がないほどしっかりした基盤をもった一家です。
娘のミスコン出場にかこつけて一家の再生を描いているようにみえますが、
もともとしっかりした一家なのだから、本当はそんな必要はないのです。
でも映画は何かを描かなければならない。
出来れば人に感動を呼ぶテーマがいい。
それでこんな無理矢理なラストになってしまったのでしょう。
いつものことながら、そんなあざとさがかいま見えると、
途端に気持ちは退いてしまいます。
あ~もったいない。

でも、帰りに「ア・グッド・イヤー」のチラシに
光り輝く満面の笑みを浮かべたラッセル・クロウをみつけて
すっかりご機嫌になりましたけど(笑)




ボルチモア・アルバム・キルト

2007-01-12 | 手芸
今年初めてのキルト教室でした。
キルトの横綱登場!
そうです。ボルチモア・アルバム・キルトです!
今日は手法(作り方)の勉強というよりも、
歴史・背景・こめられた意味など講義中心の授業でした。

ドームに行ったら、なにはさておきボルチモア
今日のテーマはこれですね。
今回のキルトフェスに小野ふみえさん所蔵のアンティークキルトが
何点か展示されます。
その中に”本物の”ボルチモア・キルトがあります。
絶対にそれを見逃すな!という先生のお達しでございます。
そのくらい、本物のボルチモア・キルトは貴重だということです。

↑の写真は、
今回の授業の時に見ることのできた先輩の作品です。
素晴らしい!
16枚のアップリケも見事なら、ボーダーの小さな三角も見事!
あまりにも素晴らしくてため息しか出てきません。
一生に一枚でいい。
こんな作品を娘に残してやれたらどんなにいいだろう。
美しく緻密な世界にうっとりしてしまいました。



プルートで朝食を

2007-01-08 | 映画
自宅ミニシアター第二弾は「プルートで朝食を
一人で観賞(笑)

キリアン・マーフィ演じるキトゥンに
オースティン・スカーレットが重なって見えた。
体つきと醸し出す雰囲気がよく似ている。
物語が進むにつれて、
ぴったりしたシャツにビーズや刺繍でおしゃれしている少年から、
完全に女装の青年になっていくのだけど、
最初の頃の少年風キトゥンがよく似ていた。
あくまでも自分らしく堂々としている風情が清々しい。

時代は1960年~70年代。
アイルランド紛争の真っ只中だ。
数々の悲劇に見舞われながらも、
ひたすら「母を求めて三千里」のキトゥンが
真っ直ぐでいじらしく誰もが愛さずにはいられなくなるだろう。

キトゥンがスティーブン・レイ扮するマジシャンとデートする
海の上にどこまでも続く遊歩道(木の橋)。
あれはどこなんだろう。
行ってみたいな。




ハッスル&フロウ

2007-01-07 | 映画
遅ればせながらあけましておめでとうございます!
里帰りした娘と過ごした楽しい一ヶ月もあっという間に去り、
いつもの日々に戻りました。

今日は我が家のミニシアターで息子とふたり、
ハッスル&フロウ」を見ました。
今や売れっ子のテレンス・ハワードがアカデミー賞にノミネートされた作品。
吹き替え無しでラップ歌ってます。たいしたものです。
重厚な演技もたいしたものです。
でもね、息子の「この人黒人?」という言葉が示すように、
あまりラッパーらしくないんですね。

そんなことはいいとして、
テレンス・ハワード演じるDジェイはぽん引きで、
3人の女性に売春で稼がせつつ、ヤクの密売もしてるという
どーしようもない男です。
そんなどん底の生活に嫌気がさして、夢よもう一度とラップを始めます。
同居している3人の女性達が実に魅力的!
特にアリシア・シルバーストーンにそっくりなタリン・マニングが良かった!!
テレンス・ハワードと互角の素晴らしい演技で魅了されました。
熱演というより「さりげなさ」が良かった。

あとは、自宅でのラップ作りの助っ人に白人の男の子がやってくるのですが、
彼を見て「黒人じゃない」と呟くDジェイに、
「ちょっと色が白いだけだ」と諭す友人も良かった。
息子の瞳がキラリと光った瞬間でした(笑)
問題は中身・・・ってそういう問題か?

現実に呑まれて諦めて暮らすも人生。
こんなはずじゃなかったと一歩踏み出すも人生。
そんなこんなをぼんやり考えていた新年の幕開けには、
ぴったりの映画でした。おすすめ。