▼谷脇総務審議官、事実上の更迭
谷脇 康彦(たにわき やすひこ、1960年9月11日[1] - 61歳)は日本の総務官僚。内閣サイバーセキュリティセンター副センター長、総務省総合通信基盤局長等を経て、総務審議官(郵政・通信)を務め[2]、総務省大臣官房付に異動した[3]。慶應義塾大学特別招聘教授や、東京大学客員教授も務めた。
愛媛県松山市生まれ。愛光高等学校を経て、1984年 一橋大学経済学部を卒業し郵政省入省[4]。同期入省に中村伊知哉(慶應義塾大学教授)、山田真貴子(総務審議官(国際担当))、武田博之(内閣官房内閣審議官(内閣官房郵政民営化推進室長))等がいる。
OECD事務局ICCP課を経て、郵便貯金畑から情報通信分野に転じ、同期の中村伊知哉らとともにNTTグループ再編などを担当[5]。郵政大臣秘書官等を経て、基礎的電気通信役務制度の創設や電気通信事業紛争処理委員会の設置などを担当する。
2002年から外務省在アメリカ合衆国日本国大使館ICT政策担当参事官を務めた[6][7]。総務省復帰後は、「新競争促進プログラム2010」や「モバイルビジネス活性化プラン」の策定にあたり、SIMロック解除、携帯電話インセンティブの廃止、仮想移動体通信事業者の新規参入などの施策を行い、業界では「谷脇不況」とも称された[8]。
内閣サイバーセキュリティセンター副センター長を経て、2016年より総務省情報通信国際戦略局長。2017年より総務省政策統括官(情報セキュリティ担当)[9]、総務省総合通信基盤局長[10]、2019年より総務審議官(郵政・通信)。2021年3月8日より総務省大臣官房付。
谷脇康彦と山田真貴子総務審議官(当時)が、NTTの鵜浦博夫前社長や、澤田純社長や、子会社・NTTデータの岩本敏男前社長からも高額な接待を受けていたことを2021年3月3日に週刊文春が報じた[15]。NTTは総務大臣から事業計画などの認可を受けて経営されており、総務省幹部がNTT側から供応接待を受けることは、国家公務員倫理法に抵触する疑いがある[15]。
谷脇は2020年7月3日に、NTTグループの関連会社が運営する麻布十番の会員制レストランにある「ピオニー」と呼ばれる最上級の個室で、岩本前社長から接待を受けていた[15][16]。当時、外務審議官だった金杉憲治も同席しており、計4人の飲食代の合計は約19万3千円だった[15]。
また谷脇は2018年9月4日と9月20日にも同店で接待を受けていた[15]。9月4日はNTT社長を退任したばかりの鵜浦博夫相談役ら3人で会食し、総額30万2千円と一人10万円を超える接待を受けた[15]。9月20日はNTTの澤田社長ら3人で会食し、総額8万7千円だった[15]。
NTT側からの接待は、3回合計の総額で58万円超、谷脇が受けた接待額は計17万円を超える計算になる[15]。1回目の接待は2万円の「フレンチコース」に13万5,000円の赤ワイン、3回目は1万6,000円の「ヘルシーコース」に、3万4,000円の赤ワインや4万8,000円の大吟醸などが振る舞われた[16]。国家公務員の倫理規程では、1万円を超える接待の場合は届け出が必要だが、谷脇は一度も届けを出していなかった[16]。
3月1日に衆院予算委で森山浩行議員から「東北新社以外の衛星放送各社、民放やNHK、あるいは通信会社の社長から接待を受けたことはありますか」と問われ、谷脇は「公務員倫理法に違反する接待を受けたということはございません」などと答えてきた[15]。
谷脇は3月5日の参院予算委員会で、2020年7月の計4人の飲食代の合計は約19万3千円だった会食に関して「会費として5000円を支払った」と答弁した[17]。
谷脇は国会答弁で3回とも「会費を支払った」としたが、総務省は3月8日、3回のうち2回で払っていなかったと認定する調査結果を発表した[18]。武田良太総務相は3月8日、「(国家公務員対象の)倫理法令に違反する疑いが高い」と述べた上で、谷脇を大臣官房付に更迭する人事を発表した[18][19][20]。
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