歴史的にも対照的なモロッコとアルジェリア ~宮家邦彦が出演、隣国モロッコと国交断絶
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月27日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。アルジェリア(注1)のラムタン・ラマムラ外相がモロッコ(注2)との国交断絶を発表したというニュースについて解説した。
アルジェリアは北アフリカに位置する共和制国家で、1962年7月5日にフランスから独立。アフリカ大陸でもっとも大きな領土を持つ国で、日本の約6.4倍の面積を誇る。アルジェリア北部では8月、多数の死者が出る山火事が発生し、その原因をめぐってアルジェリアは先週、モロッコが関与したと断定していた。アルジェリアのラムタン・ラマムラ外相は8月24日、モロッコによる「敵対行為」を受け、国交を断絶すると発表している。
飯田)モロッコとアルジェリア。アフリカ大陸の北の方です。
宮家)北アフリカですよね。昔日本では「地の果て」などと言われ、「カスバの女」という歌
「
」
もありました。私は中東専門ですがアルジェリア担当になったことはないのだけれども、フランス語圏ですよね。
(注1)アルジェリアは、地中海地域、アフリカ大陸及びアラブ世界に位置し、アフリカではナイジェリア、南ア、エジプトに次ぐ経済規模を誇る大国です。また、1962年の独立までフランス領であったことや、欧州への天然ガスの大口サプライヤー(第2位、最大はロシア)であることなどから、欧州とも非常に強い結びつきがあります。これまでアルジェリアは資源輸出に依存しつつも比較的安定した経済成長を続けてきましたが、2014年後半からの油価下落により経済が悪化、日本をはじめとする国際社会に協力を求めつつ経済構造改革を促進しているところです。
JICAは80年代から通信分野や災害復興に関する円借款を供与しているほか、近年では防災分野や産業多角化に資する協力を実施しています。
JICAはインフラ整備や中小企業育成など、特に日本の知見が生かせる分野での技術協力や資金協力を通じ、今後もアルジェリアの力強い経済成長を支えていきます。
(注2)モロッコは、1990年代後半に経済自由化政策や投資促進策等の経済政策を導入し、2005年以降に貧困削減・社会地域間格差是正に向けた政策「人間開発に関する国家イニシアチブ」を掲げ、着実に経済成長、貧困削減で実績をあげています。また、2000年以降政治的な変革を進めてきた結果、2011年来の北アフリカ地域における「アラブの春」においても大きな混乱には至りませんでした。他方、都市部の若者の失業率が高いことや、地方部での開発が遅れている等の社会の不安定要因が存在しており、
JICAは地方部の安定化とモロッコ経済のバランスの取れた発展に貢献するため、地域的・社会的格差の是正、持続的な経済成長に資する支援に注力しています。
また、仏語圏アフリカ諸国に対する支援プログラムとして、道路保守、農業機械改良、零細漁業、港湾、母子保健などの分野において第三国研修を支援しています。