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トヨタが非常事態の時に「パソコンへの入力」を後回しにさせる理由 品質保証活動は現場生産体制の一丁目一番地か

2020-10-21 17:04:07 | 連絡
<品質管理、品質保証活動は現場生産体制の一丁目一番地か>
<「パソコンへの入力」は事実認識の記録か>

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野地 秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。著書は『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
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■不良品を出さないために徹底していること
 
トヨタの生産現場ではライン際にいる作業者が異常を発見したら関係者に知らせるために「アンドン(電光表示板)」を表示させる。上司がやってきて、その場で解決するか、できない時はラインを止める。いったん、ラインを止めたら、原因がわかるまでは動かさない。
 
これは従来の自動車工場では考えられないことだった。アメリカのビッグ3では現場のワーカーがラインを止めたら、クビになっても仕方がないことだったのである。
 
だが、トヨタは不良品を出さないために、作業者がラインを止める権限を持っている。そのためには作業をしながら目を光らせて異常を見つけ、知らせなくてはならない。異常の顕在化を日常の仕事としている。
 
多くの会社の人間は異常を顕在化させることを嫌う。自分が仕事をしている間はとにかく平穏無事であってほしいから、異常を見つけたとしても見ないふりをしてしまうことがある。
 
だが、トヨタでは1本のねじが緩んでいたとしても、それを見過ごすことはない。床に落ちたねじを使うこともない。ねじが落ちていることは異常だから、どこから落ちたのか、なぜ落ちたのかがわかるまで原因を追究する。小さな異常であれ、異常が残ったまま後の工程に製品を流すことは固く禁じられている。
 
平時からの危機管理とは何も危機管理の専門セクションを常設し、多数の人員を張り付けることではない。ふつうの仕事のなかで異常を見つけて顕在化させる企業風土を作ることだ。




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