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中国が領有権を一方的に主張する新地図を公表して、アジア各国が猛反発している。
中国とASEAN(東南アジア諸国連合)は6日、インドネシアの首都ジャカルタで首脳会議を開くが、激しい議論も予想される。
実は新地図では、日本固有の領土である沖縄県・尖閣諸島も、中国名「釣魚島」と表記され、新たな境界「十段線」の中国側に組み込もうとする意図が感じられた。
外務省は外交ルートで抗議していたが、岸田文雄政権は「中国を刺激しない」方針なのか、夕刊フジが取材をかけた翌日(5日)まで「抗議の事実」を公表していなかった。
識者からは、岸田政権の弱腰、危機意識の欠如を懸念する声が噴出している。
問題の地図は、中国自然資源省が8月28日に公表した「2023年版標準地図」だ。
同省のHPでは、「中国地図」や「世界地図」が、さまざまな図法で複数公表されている。
これらの地図の中には、習近平国家主席率いる中国が南シナ海の大半を勝手に囲い込んだ境界「九段線」に加え、台湾の東側まで拡大した「十段線」が記されていた。
台湾は「台湾省」と記されていた。
フィリピンやベトナム、マレーシア、台湾などが公表直後から猛烈に抗議している。
前述したように、尖閣諸島を、中国名・中国呼称の「釣魚島」「Diaoyu dao」などと表記している。
さらに不穏な兆候もある。
台湾の東側まで拡大した「十段線」のラインを延長すると、尖閣諸島を中国側に含む可能性があるのだ。
外務省によると、地図の公表直後、一連の事実を把握し、在日中国大使館に対し、課長級のルートで「独自の主張は受け入れられない」などと抗議した。
北京の日本大使館ルートでも抗議した。十段線の意図についても、「中国側に詳細に事実確認をした」という。
ところが、岸田政権は「抗議の事実」について、すぐに公表しなかった。松野博一官房長官が5日午後の記者会見でやっと、外交ルートを通じて厳重に抗議し、即時撤回を要求したと明らかにした。夕刊フジが、外務省に取材した翌日である。
外務省は声明などを出さなかった理由について、「事案により判断している」というが、アジア各国が強烈に反発しているのとは対照的だ。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「中国共産党が重視するのは『実効力』であり、現実の伴う『行動』だ。
日本の国益に反する中国の主張に対して、明確かつ即座に『ノー』と通告し、国内外に発信しないと意味がない。
岸田首相や閣僚、外務省幹部などが繰り返し、『尖閣諸島は日本領土である』と意思表示し、中国の暴挙に抗議を伝えないと、中国は意に介さない。
事なかれ主義の対応は、日本を軽視させる誤ったメッセージになる。
日本の反応は国際社会にまったく伝わらず、中国側の主張を認めたと受け止められかねない」と危機感を示す。
ちなみに、中国が地図を公表した直後の8月31日、
フィリピンは「中国の主権を正当化しようとする試みで何の根拠もない」と声明を発表した。南シナ海での中国の主権主張を退けた2016年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。
ベトナムも同日、「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」と非難したほか、
台湾の外交部(外務省に相当)報道官は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と猛反発した。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は「アジア各国が次々と反論したのは主権国家として当然であり、日本の『沈黙』はことさら目立った。はっきり主権を主張しなければならない局面なのに、岸田政権の弱腰は何に忖度(そんたく)しているのか」と語気を強めた。
島田氏「自国領」現実化のための軍事行動に警戒
ところで、中国が公表した新地図から、どんな「意図」「野心」が読み取れるのか。 島田氏は「中国は国家として『宣言』したことを必ず実行しようとする。新地図で宣言した『自国領』を現実化するために、軍事を含めた行動に踏み出す懸念は極めて高い。
台湾を含めて、有事に備えた具体的な準備が必要だ」と警鐘を鳴らす。
石平氏は「中国の野望を図面化したところで得るものはなく、むしろ近隣諸国の反発と警戒を招き、関係を悪化させただけだ。
共産党政権は意思統一を欠き、各部局が習氏に忖度し、身勝手な行動をする傾向が強まっている。党中央も事態の収拾に追われている」と語る。
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ASEAN関連首脳会議の後、インドでもG20(20カ国・地域)首脳会議(9、10日)が行われる。
問題の新地図では、インド北東部のアルナチャルプラデシュ州が、中国領「南チベット」として記載されていた。
G20議長国で同州を実効支配するインドでは、会議直前の地図公開を「円滑な議事進行の妨げ(で敵対行動)」との受け止めが広がっているという。
ともかく、余計な刺激を避けようと、明確な主張をしなければ、岸田政権の弱腰ぶりを見透かされるだけだ。中国の主張はエスカレートして、既成事実を積み重ねられてしまう。岸田政権に日本を任せられるのか。
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