空華 ー 日はまた昇る

小説の創作が好きである。私のブログFC2[永遠平和とアートを夢見る」と「猫のさまよう宝塔の道」もよろしく。

雪の中の梅

2020-02-14 16:04:43 | 文化

町の外を見てごらん

白い粉雪が風に舞ってちらついている

寂しい孤独の部屋から見てごらん

雪の踊りを

白い衣装を着て、舞台一面を雪の妖精達が

楽しそうに

雪の白い刺繍をあむ

どんな模様ができるやら

下界は真白な銀世界

 

町の外を見てごらん

広い灰色の空間の中でまるで夢のように美しく乱舞する雪の姿

ぶっきらぼうに立った裸の銀杏並木

コートに傘をさした人々の行きかい

ひっそりとした白い屋根

白い粉雪がそれらすべての頭上から降りすべてを白一色に変える

ふと雪の描く刺繍が

なつかしき やさしきピンクの姿の梅となる

 

町の外を見てごらん

あたたかい降りつもる雪の童話に耳を傾けてごらん

遠い思い出がまるで、復活の日の朝のように

なにもかも喜びに満ちて僕の胸にせまるだろう

雪の妖精達が寒い荒涼とした僕の心に

あたたかい暖炉を送るだろう

町の外を見てごらん

なにもかも下界は 真白な銀世界

 

遠い思い出は雪の降る銀世界の浄土

スキー靴をつけて、満月と星の下の斜面を滑っていく

その先に春の梅が待っているとでもいうように

ピンク色の笑顔で待つ君に憧れて白い斜面を滑っていく

 

ああ、消え去った あの恋にも似た憧れのときめきは

ああ、消え去った あの深い自然の美しいためいきが

今は。ああ今ここには。

梅を求めるあの魂のときめきの歌はどこに行ったのか

雪のまじった優しいそよ風はどこに行ったのか

【久里山不識】

久しぶりに詩らしいものを書いてみました。小説は自費出版三冊、アマゾンに長編二冊そして、ブログにと書いてきたのはいいのですが、最近、これだけの分量を書くと、年のせいもあるのでしょうけど、目が疲れるようになりました。それで、以前から、短いもので読者に読まれるものは何かと思っていたのです。そうすると、やはり、詩とかエッセイになりますね。映画の感想は結構書いたと、思うのですが、最近は映画を見るのも目が疲れる。そうすると、詩を書くか、昔、社会科学や哲学を少しかじったので、エッセイ風に書くしかないと思うようになりました。

詩ですが、三十才くらいまで、欧米や日本の詩を読み、自分でも書いたのですが、三十才の頃、詩を書くのはやめ、小説だけにしました。詩を手軽に発表する場所がなかったことが原因だと思います。

その点、今は恵まれています。しかし、長いブランクと年令のせいで詩なんか書けないのではと思っていました。でも、やってみるしかない、駄目ならエッセイ。そういうことで、しばらく試行錯誤が続くと思います。

体調も胃など色々、悪くなっています。一つ一つは重症にはなりませんが、年令がかさんでくると、総合的に体調が悪く、昔、柔道二段の頃は、六十六キロぐらいあったのが、今は五十キロぐらいまで落ち込んでいます。そういうわけで、のんびりやるしかない、時には休憩するということになりますので、よろしくお願いします。

小説「危機と大慈悲心」はどうだったでしょうか。読んでいただきありがとうございました。

 

小さな空(武満 徹)