おお、寒いのに、フリージアが咲いている
街角にはまばらに雪がちらついているのに
おお 黄色いフリージアがさっそうと空に伸びている
もう梅も咲いているかもしれない
や、まだかな、それにしても、もうすぐだ。
小鳥の鳴き声には春のかおりがある。
小川のせせらぎは澄んで、温かい光が射している
柳の木には、緑の芽、桜の木には花のつぼみ
春が来たら、何をしよう
あの香り豊かなおいしい空気を吸ったら、何をしよう
まず、生きる喜びを感じるだろう
きっと、その時にはピアノ・ソナタが鳴るに違いない
自然の声に耳を傾け
永遠の輪廻の歯車に、畏敬の念をおぼえ
われは年をとって、親しい人はこの世から消え去った
しかし彼らのゆく所を私は知っている
私は彼らの声と顔をおぼえている。
今、ここの浄土にはきっと酒屋があるに違いない
もしかしたら、素敵なカフェーがあるかもしれない
そこで、再び、彼らと飲み、談笑しよう
霊の衣はきっとフリージアのようだろう
【久里山不識】
新型コロナウイルスの集団感染が起きて、広がる心配がされていますが、多くの人の努力により、早く収まることを願うばかりです。そういう願いをこめて、春の喜びが来ることを見詰めてみました。
川井郁子星に願いを