さて、最後は配線についてです。
*基板についての印象
・このキットの基板の特徴は、フレキシブル基板と比べると、ランドや穴が小さいので半田のふかしが効きにくい。 結果、部品足にのみ半田の玉が乗りランドに密着していないことがあり、不導通の回路が発生した。 そのため、半田付け後には必ず全半田付け回路の導通テストをする必要がある。
SW5のOn-Off-OnスイッチのCall SignのRandom発信が作動せず、調べたところ一部回路が不導通だった。 仕方なくすずメッキ線で回路をつなげて事なきを得た。
・何度も失敗すると基板上のランドや配線を痛めやすい。
・20W用くらいの低温度の半田ごてで先端の細い小手先を使うのが良い。
・基板の周囲4辺がGRND回路なのでGRNDしやすい。
・キットとしてのみ完成させるには非常に便利にできている。
*命題1 電源回路を電池とACアダプタ電源とを切り替えとする
プリント基板の回路に一部誤りがあるのを発見しました。 この誤りは、ACアダプタ電源と電池電源を切り替えて使う場合にのみ誤りで、電池電源だけ、あるいは、ACアダプタ電源だけ、を使う場合は誤りにはなりません。
ですが、キットに付属のDCジャックには切り替え用のスイッチがついているのであります。
下の写真はDCジャックの裏側の3本脚の部分です。 上の足と右横の足がジャックスイッチにより、ー電源の切り替えになります。 電池電源を使う場合、電池だけなら上の足にでも横の足にでもー側をつなげれば動作します。 電池の+側配線は、センターピンの足につなげます。(赤い線)
ところが、電池とACアダプタを切り替える場合には、誤りとなるのです。 その理由は、右横の足がGRNDにつながっているからです。 つまり、電池を入れたまま、ACアダプタのプラグを入れると、横の足はジャックのスイッチによりジャック内では切り離されるのですが、切り離された電池のー線はGRNDにつながったままなのです。 つまり切り離されないのと同じ結果になります。 その結果、電池をいれたままACアダプタ電源を刺すと、電池とACアダプタが常に並列につながった状態になります。 それが弊害かどうかはワシにはわかりませんが、12Vアダプタを使うことから、12VのDC電源と9Vの電池が並列につながった場合は、何Vの電源が3本足レギュレーターに入ることになるのかしらね。
解決法:
1.プリント基板の横の足とGRNDの回路をカッターなどで削り取り3本足とも基板に半田付けする。 あるいは、
2.基板へのDCジャックの半田付けは足1と2だけで行い、足3(横の足)は曲げて基板の上に出す。 電池のー線はこの曲げた足に接続することでGRNDとは切り離される。 下の写真。 ただし、基板との半田は2か所となるので多少DCジャックが動きやすくなることは否めない。
ちなみに、プリント基板のGRND回路をカットしたとしても、電池電源だけ、ACアダプタ電源だけ、を使う場合でも支障はでない。 だから回路は誤りと言える。
テスト法
電池をセットし、メインスイッチをいれてLEDを点灯させる。 DCジャックに空のDCプラグを刺したときにLEDが消えれば正しくDCジャックのスイッチが効いていることになる。
*命題2 次の3つの要件を満たすための回路の変更
・圧電ブザーをダイレクトスピーカーに取り換える。
・音量ボリュームを取り付ける。
・Phoneジャックでスピーカーとイヤホンを切り替える。
圧電ブザー、圧電サウンダーとダイレクトスピーカーは音を出す原理が同じなので、取り換えても大丈夫です。
音量ボリュームについては、どなたかのサイトを参考にして、1KΩのボリュームを下図のようにとりつけたところ、音は小さくできるが、あまり大きくならない、という結果になりました。 なんだこれ、と思って音量ボリュームは取り外そうと考えていました。
ふと思いついて、Phoneジャックのグランドをトランジスタのコレクタにではなく、GRNDにつないでみたのです。 コレクタにつないでもイヤホンは鳴らなかったものですから。
この状態で片耳用イヤホンをイヤホンジャックに刺してみました。 そうしたらどうでしょう? 当然スピーカーからの音はでません。
ボリュームを右に回すとイヤホンの音が消え入るほどに小さくなり、左に目いっぱい回すとイヤホンの音は・・・なんと・・・大きくなったではあ~りませんかっか。
回路がジャックの切り替えスイッチで(電源‐コレクタ間)は切れている筈であり、800HZの信号音は右側からトランジスタのベースに入っているのに、イヤホンがどうして鳴るのかがよくわかりませんが、GRNDに入った信号がGRNDを通してイヤホンに入ってくるのかもしれません。
ま、理屈はどうあれ、結果として使えれば良し、としてこれでボリューム関係の配線は完成としました。 気にはなるけど・・・
あくまで自己責任で・・・
ちなみに2SC1815GRのエミッタの半田付けは、下の写真のようにしました。
エミッタを回路から外し、基板の上に出して曲げる。 エミッタと1KΩボリュームの端子3を接続する。 端子2と1は、ともに回路のGRNDに接続しました。
パドル入力のテスト
同軸線が無かったので、細身の電線を3本よじってステレオプラグにつなぎました。 これをパドル入力ジャックに刺し、反対側の3本の電線をショートさせてみたところ・・・
長点、短点の連続音、スクイズ操作でー・-・の連続、または、・-・-の連続が確認できました。 めでたし、めでたし。
これでキーヤーを作る編は終わりです。
次は、パドルを作ります。 その後・・・3アマ・・・かな?