-ALKAN-

しどろもどろでも声は出るなり。

今日の晩御飯は、おでんです。ーー運命の道を歩いてみよう-中編『女子社員』(その5)ーー

2017-12-06 16:48:46 | 日記

 今日の晩御飯は、おでんです。以前あるテレビ番組で、『おでんはおかずとして、アリ?ナシ?』なんて質問があった。

 

 私にしてみれば、当然、アリです。アツアツのおでんを食べた後、その鍋に饂飩を入れて煮るのです。冬の最強メニュー『おどん』です。

 

 しかし、今日は焼酎がほとんどありません。療養中はなかなか、「おい、今日は、酒がないぞ。ちょっと買ってきてくれ」とは言いにくいモノで。

極薄お湯割りで誤魔化すか、それとも、一気に飲んであとは、我慢するか。

 

そんな時、晩御飯がカレーライスかなんかだったら割り切る事も出来るが、一番、いっちばん、チビチビ飲んでさまになるおかずと言えば??

はい、正解! そう。おでんですよね。

 

どうするかなぁ、恥を忍んで買ってもらうかなぁ、それとも、常識を踏み外してでも、こっそり買いに行くかなぁ。健康保険証、いつ貰えるかなぁ。

酒は飲みたし、お金は惜しい。でも師走だし。なんとも、かんとも・・・・・・。

 

        ----------------------運命の道を歩いてみよう-中編『女子社員』(その4)--------------------------------

 
 
(冗談じゃない。そんなことになると五島さんとの関係はどうなる? 私と彼女は全く同じ方向を向いている。同じ理想を持っていると知ったんだ。だから結婚する。結婚して、夫婦としてその理想を求めていく。始めからそうなっている。私は彼女を見てそう気づいた。そしておそらく彼女も私を見て、初めてその事に気付いたんだと思う。その先にあるのは最終的に完全に平和な世界であり、すべての人がその平和を完璧に理解している世界なのだ。そこでは私たちはもともと一つなのだ。もちろん君も。その私がキスをしたのだから、それは君にとっても正解に決まっている。だから君は勘違いをしないで欲しい。私がこんなに本来の自分の意志に忠実に行動したのに、君はわざとらしく私の机の下に潜り込んで、尻を突き出して、消しゴムなんてどうでもいいモノを執拗に探し続けたんだ。しかも薄暗い事務所で、私と二人きりの時にだ。あの時、君に潜んでいる本当の意志も、キスをした私と同じ方向を向いていたはずだ。嘘をつかずに確認してほしい。その勇気と自覚を今一度確認してほしい。それとも、君は私がキスで留めたことに腹を立てているのか? それならば素直に謝る。確かに、私はまだ常識や体裁に媚びる気弱さを完全に克服してはいない)
 女子社員はそのまま自分の席に戻り仕事を始めた。
「すまない。申し訳ない事をした。だからその、訴えるのだけは、思いとどまってくれないか。頼む」内海は深々と頭を下げた。しかし女子社員からはそれ以上何の答えもなかった。
「そんな事をして、いったい君に何の得があるというんだ。無駄に会社の中を引っ掻き回すだけじゃないか」内海はやや高圧的な態度に改めそう言った。そうだ、目撃者がいるわけじゃない、いざとなれば、知らぬ存ぜぬを通せばいい。カッコウの様に、不都合の卵は孵化する前に全て、巣の外に放り出せばいいんだ。私は何もやってない。キスなど、してない。
「証拠がないと、思ってるでしょ?」女子社員は見透かした様に意地悪く笑って言った。あぁその通りだ。証拠はない。内海は開き直るようにしていった。
「だから君の思惑通りにはいかない。会社を辞めるならやめればいい、誰かをチクるならチクればいい。だが私を訴えるのはやめた方がいい。私は私のために言ってるんじゃない。全体のためだ。全世界のために言ってるんだ。頭がおかしくなったと思うかもしれないが、君にはまだそれがわかるほど本質が見えてはいない。だから私の言う事に従えばいい」
 女子社員はしばらく、まじまじと内海の顔を見た。そしていきなり、ギャーっという、けたたましい悲鳴を上げたかとおもうと事務所を飛び出していった。内海は一瞬ぽかんと見送ったが、すぐに後を追った。証拠のねつ造。そのまま警察か、あるいは同じフロアの他のオフィスにでも駆け込むつもりだと直感した。
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ペット屋さんに行ってきました。

2017-12-06 14:16:16 | 日記

 妻と近所に新しくできたペット屋さんに行ってきました。

まずは鳥。

 キーキー鳴いてうるさいなぁ、という印象もあった鳥。それにけっこう、臭い。しかしやっぱり生き物。見ているとどんどん可愛く見えてくるもので。

特に雛。

 どこが!?鳥の雛なんかどこが可愛いのか?目ばっかりぎょろぎょろして、毛が疎らで、まだ飛べない翼はどこか絶望的な形に見える。しかしそれは単に偏見という奴です。産毛だってしばらく経てば何とも可愛らしくふかふかとしくるし、絶望的に見えていた羽根も、希望を秘めているように見え始める。動きがたどたどしいのはどの動物も一緒だ。歩きたいのか飛びたいのか、雛は決めあぐねているように、ただせわしなく、バタバタしては時々思い出したように糞をする。

 それに奴らは長生きをする。オウムなんて60年ぐらい生きるらしい。今雛から飼ったら確実にこっちが先に召される。だから慎重に考えないといけないという、ペットという考えに新たに時間的ファクターが足される。グッと家族な感じがしてくる。飼うというより、同居する、という感じ。

 いろいろ、オカメインコとかセキセイインコとかミドリ何とかインコとか、見たけど、わたしはやっぱり文鳥が好きだな。

 あの上品な色。鳴き声も控えめでうるさくない。雛から育てれば手乗り文鳥になる。表情が乏しいけど賢く、人間にもよく懐く。ただ・・・・・・、

 昔からそこが最大のネックなんですが、あの飼い方。あれが嫌いで。空を飛ぶ生き物を、あんな小さなゲージに閉じ込めて死ぬまで。終身刑ですよ。ドッグランみたいな場所が出来ませんかね。『バードフライ』みたいな。

 んで、魚。

 鳥よりもさらに表情が乏しく排他的だ。しかし、あの重力から解放された者たちの優雅な世界に酔いしれる事が出来る。ディスカス、アロワナなどの、大型の魚から、グッピー、ネオンテトラ、などの小型の魚。彼らにとっての地球は、陸上で暮らす生き物よりもさらに優しいに違いない。

 しかし私はやっぱり、金魚が好きだな。

ミックス金魚、なんてのもある。要するに金魚の雑種。やや安く、なかなかかわいい。特にランチュウのミックスはなんともかわいい。純粋なランチュウはややグロテスクな感じもするが、そこらへんが両親のええとこどりで、無理なく程よくなってる。水槽やポンプも昔よりずっとお洒落で静か。これなら飼えるかも。ただいま態度保留中・・・・・・。

そして犬。

これは言わずもがな。可愛い。間違いなくかわいい。どれも可愛いけど、トイプードルやチワワの子は、もうどうしようもないぐらい可愛い。動きがせわしなくて、まっすぐ見つめる真っ黒な目には、何か魔力のような力がある。俺を飼え~、俺を可愛がれ~、という。

そして猫。

これが困ったもので、妻が迂闊に触ってしまったんです。もちろん、店員さんが持っている子猫。フワフワの毛を、肉球を。もともと猫好きの妻はそれから何を思ったが、猫ゾーンを離れてどこかに行ってしまいました。私は可愛らしい子猫や、子犬を見て、しばし膝の痛みも忘れて、癒されていたんですが、ふと妻がそばにいないことに気付き店内を見回したところ、なんと妻は、キャットタワーとか、猫用のトイレのゾーンで、何やら思案している様子。

 「このトイレは、いいけど、家に持って帰ると、ちょっと大きすぎるような気がする・・・・・・」などと、ぶつぶつ言いながら。

 しっかりしろ!と、肩を揺すると、ハッと我に返り、あぁ、危ないところだった、と。犬の魔力も凄いけど、猫の魔力も凄かった。

危険を感じてそそくさと店を後にしましたとさ。 

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BOU-NEN-KAY

2017-12-06 10:28:44 | 日記

忘れてしまいたいことや、どうしようもない淋しさに、

包まれた時、男は酒を飲むのでしょう。

 

そういう意味でしょうか。忘年会のシーズンです。  

 

 こないだ、一日だけ出勤した時、エライ叱られている社員が一人いました。どうやらアルコールが検出されたらしいのです。

 

 ドライバーは朝、出発前に必ずアルコールチェックをします。前日アルコールを飲んでも別に適量ならめったにアルコール反応が出る事はないのですが、それがこのシーズン、ついつい飲みすぎたりすると、出てしまう。

 当然そのドライバーはその日の仕事はできません。誰か代わりに行くことになるので、とても迷惑が掛かるのです。  

そもそも、酒を飲む、という事に世の中はどういう印象を持っているのでしょう。

 煙草に関しては、最近はすっかり厳しくなって、レストランや公共の場所では終日禁煙が当たり前になってきました。私はもう二十年近く前にタバコをやめているので、全く影響はありませんが、愛煙家の人にとってはなんとも住みにくい、世知辛い世の中になったもんだなぁ、という感覚を否めない事でしょう。

 でも、もし酒が、これぐらいに厳しくなったら、それこそ、1920年代のアメリカの様に、堕落と悪の権化のような扱いになったら、果たして私は、酒をキッパリ止めるのでしょうか。

 

考えてみれば、社会に大きな損害を与えているのは、煙草よりも酒。タバコによる間接喫煙でがんにかかる人の数は数万人とも言われていますが、それはあくまで調査の結果で実数ではありません。飲酒運転に巻き込まれて命を落とす人の数の方が多いかと思います。

 

 息子の小学校からマラソン大会が延期になったとメールが付きました。理由は場所の利用許可の申請を出すのを忘れていたと。お粗末。

だから明日、辞めた会社に出かけて、制服を返し、離職証明が貰るのか、貰えるならいつごろ貰えるのか、など、いろいろ話してこようと思います。

 師匠が金策に困り走り回る。そんな意味があるとかないとか、『師走』。

失業中なのに、何かとやる事があって、こんな私ですら、なんだかそわそわしますね。そうして、なんやかんややっているうちに気付けば新年を迎えていることでしょう。

平成もあと一年半になりました。阪神淡路大震災始まり、様々な事がありました。昭和を戦争で象徴するならば、平成は天災で象徴されるのではないでしょうか。

でもそんな悲しい事ばかりで象徴するのは嫌ですね。この先、どうかいい事が続きますように、そして、忘れてしまいたいことやどうしようもない淋しさに包まれて飲むのではなく、楽しすぎてついつい飲み過ぎてしまう酒を、飲み続けたいものです。

 

 しかし、飲酒運転は絶対ダメ。飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。

飲んで飲んで飲まれて飲んで、飲んで、そして会計の時、

「あれ、ALKANどこ行った?」

「さっき嫁さんが車で迎えに来て先帰ったで」

「誰か預かってる?」

「預かってるよ、2000円」

「2000円?!足りるか!ボケ!」

 

なんて楽しい会話を想像しながら、師走の夜を妻が運転するガルペに乗りながら家路に急ぐ。

想像するだけで、ハッピーになれますな。

 

 

 

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アニミズム効果と断捨離

2017-12-06 07:33:45 | 日記
 おはようございます。埼玉県は今日もさわやかな朝を迎えております。

 クリスマスまであと20日を切りました。明日は息子の学校のマラソン大会があります。本来なら見に行けない平日開催なのですが、たまたまタイミングよく失業中のため、行こうと思ったら行けるかもしれません。しかし、

「あら、ALKANさんとこのご主人、こないだも平日の昼間にコンビニで見かけましたわよ」とか、

「あら、私もこないだ平日に駅前で宝くじ売り場で並んでいるのを見ましたわよ。 いったい何のお仕事についていらっしゃるのかしら?」

 などと、痛くもない腹を探られ、痛い膝は空風に冷え悪化、おまけにインフルエンザに罹って高熱を出し、救急搬送され、一日入院しましょう。え?健康保険証がない?じゃあ、実費で。と、悪く展開すればキリがない。第一、息子は親父に見に来てほしいのか。

 うちの息子は気取り屋というか、授業参観などでも、他の生徒が授業が終わるとすぐに親のところに駆け寄って来るのに、まるで無視、帰りがけに振り向いて、じゃ。と一言。

 だんだん、マセて来たました。小三ですからそんな年かもしれません。そういえば最近、自分の部屋が欲しい、などと言い出しました。

「自分の部屋を持ったら、掃除も片付けも全部自分でやるんだよ。洗濯物も、ちゃんと自分でお風呂場にもっていかなきゃならないし、見てないからと言って宿題もやらずに夜遅くまでずっとゲームをやっていいわけじゃない。それも全部自分で管理しなければいけないんだよ。出来る?」

 と、言い終わる前に 出来る! といいます。ますます信用なりません。

 父親譲りで片付けが苦手な息子は物を捨てられず、捨てていい?と訊くと、必ず、ダメ!と言います。小さなものならまだいいのですが、幼稚園の頃に作った段ボールの工作や、もう全然遊ばなくなったプラレールや、ライダーの武器やベルトなど、もう捨ててもいいでしょ、と思うものも、絶対に捨てません。思い出だから と言います。 

 あるいはそれは、この子が幼いころに試みた『アニミズム教育』の結果かもしれません。

 アニミズム・・・・・・すべてのモノには魂があるとする考え方。アニミズムを教育に取り入れた『アニミズム教育』とは、例えば、「あら、ピーマンさんが『僕も他のお肉やご飯みたいに食べてほしいな』って言ってるよ。仲間外れは可哀そうだよ」と言って、好き嫌いをなくさせたり、モノを大切にする心を養う。というものです。

 息子が幼稚園ぐらいの頃、プラレールで遊んでいるとき、息子は新しく買ってもらったプラレールでばかり遊んで、古いプラレールはほったらかしだったので、試してみたことがあるんです。私は、

「こないだまで一番仲良しだった30000系(古いプラレール)が寂しそうだよ。『僕はもう嫌われちゃったのかなぁ、遊んでくれないのかなぁ』って」と言いました。

 ハッとしたように30000系を見た息子はその夜、「今日はこっちと寝る」と言い30000系をもって布団に入りました。優しい子。 アニミズム教育、大成功!と思ったのですが、それによって、息子は断捨離出来ない子になってしまったようです。

 将来はゴミ屋敷の主人みたいに、「もったいない。これみんな資源やから」なんて近所からごみを集めてくるようにならなければいいのですが。

 なんであれ彼も一人の人間ですから、本来、自分の事は自分で決めなければなりません。親はそれまで、成長をいろんな側面から見守ってやらなければいけませんね。親が勝手に良し悪しを決めてはいけないのかもしれませんね。

 しかし、惜しむらくはその30000系のプラレールが今ネット上で5000円近い高値を付けていることです。

 これ、売らない?
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