天皇陛下。お誕生日おめでとうございます。謹んでお祝い申し上げます。
昨日寝る前に、息子が「明日は平成天皇の誕生日だね」と言ったので、「ボーイ、それはちょっと天皇陛下に失礼な言い方なんだよ。何故かと言うと、天皇陛下がご即位中は、元号に天皇を付けてお呼びしちゃいけない。それは陛下が御崩御なされてからの呼び方なんだよ。だからご存命中は元号が何でも『今上天皇』とお呼びするのが、正しいんだよ」と言ったところ。
「なんでそんな丁寧語でしゃべるの?」と言いました。それが何より不思議だったようです。確かに私が普段誰かに対してそこまでの丁寧語で話すことはないので、奇異に感じたのかもしれません。
「そりゃそうだよ。天皇陛下は2700年以上も日本を治めていらっしゃる、とても偉い王様だからだよ。日本という国はね、一家統制のもと、様々な国難を退けて世界のどの国よりも長く存在している立派な国なんだよ。だからもっともっと、プライドを持ってもいいんだよ」と言ってやりました。
間違ってるでしょうか? 天皇については様々な考え方と意見があると思います。天皇家は応仁の乱で滅んだ。今は入れ違った別の家系だ、なんて乱暴な意見も聞いたことがありますし、今は象徴なのだから王ではない。なんて意見もあるでしょうし、個人的に嫌いだ。侵略戦争の責任を取って死ぬべきだった。なんて過激な意見もあるでしょう。
『ゆきゆきて神軍』というドキュメンタリー映画を観たことがあります。元帝国軍人、奥崎健三氏が、天皇陛下に失望し、天皇制に真っ向から対立し、過激な活動を繰り返すという内容の映画ですが、奥崎氏は戦後、天皇が死ななかった事に激しい異議を唱えます。しかし天皇陛下は戦後、自分の命と引き換えに日本をまもってほしいと、マッカーサーに言ったと、マッカーサーの書簡に残っているそうです。マッカーサーは「この人こそ、人の上に立つ人、王の資格のある人だ」とむしろ敬服したと、書いてある、そうです。もしそのことが本当なら、無条件降伏をした時から、天皇陛下は死のうにも、死ねなかったんです。
私は日本人ですが、日本の歴史をすべて正当化する気はありません。私は歴史に疎く知識もありませんが、知識は詳細に調べ突き詰めても最終的に結論は主観によるという事になるでしょう。その時、わたしはやはり、依怙贔屓ではなく、日本人として日本の王を主観で判断したいと思うのです。
今の陛下のお姿、ご発言、いずれをとってもそんな悪党であるはずがない。私は主観でそう判断するのです。そして、人を敬う心を、一番安定して示させてくれるのも、やはり、天皇なのです。日本のモラルがいい、とか、親切だ、なんて、照れくさい事を海外の人から聞かされるたびに、それは日本には偉大な王様がいて、みんなその人に敬意を表する、練習が、子供の頃からできているからだよ。と言いたのです。
実際は知りませんよ。わたし。天皇陛下がどんな方だか。お会いしたこともありませんしね。でも、そう思う事が、私には一番、都合がいいのです。父親としても、日本人としても。
天皇陛下は今日、84歳におなりになられます。特例の生前退位のご意向を示され、再来年に上皇におなりになられる天皇陛下。どうか、一日でも長くお元気な姿を我々に見せてほしいと思います。