世の中には
わからないこと
理不尽なこと
いっぱいある
どうして
なぜ
いったいどうして
どうしたらいいの
東北で
あれだけの被害があった今
今でも
今だから苦しんでいる母親の声
今日の昼からずっと聞いてた
彼女の話しを聞きながら
私は自分の両手を見て
無力さを感じた
この2本の手はいったい何をしてあげられるの
ピアノが弾ける
ケーキが作れる
パンが焼ける
美味しいご飯を作ってあげられる
でもこの手は
今の彼女の救いにはならない
逃げておけばよかった
8か月も失った
そう彼女は言った
そうかもしれない
子どもの手をひいて
震災直後に逃げていたら良かったのかもしれない
彼女の口から
私の主人は原発推進派なの
信じられれないでしょうと
天気がいいからと畑をするご主人を
雨が降っているから出ないでと言っているのに出かけるご主人を
彼女は愛しているから
子どもだけをつれて避難なんか考えられないから
だから彼女は苦しんでいる
自分の2本の手を見て
彼女の手をとり
震災はあったけど
原発はあったけど
私たちは生かされている
守るべき家族がいる
そのことを
考えようよと言った
命あるから
聞きたくないこと
見たくないこと
聞いたり見たりするけれど
命あるから
守れるんだよ
どんな環境が悪くても
政府がどんなに対応悪くても
守れる家族はなににもかえれない
愛する人がいるから
苦しんでいる
放射能か
病気か
なにかはわからないけど
明日の私たちの命は50%
生かされている今日を
生かされている今を
心から感謝したい
命あるから
生かされているから
苦しめることも
感謝しなければ
そう思わされた