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感想

バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

東京駅Ⅱ

2007年09月17日 | 東京

モノクロ映画を見て、1カット1カットの構図を写真撮影の参考にしようと、映画「カサブランカ」を見る。古い映画で、昔見たが今回は違う視点で見るつもりで斜に構えて見はじめるが、ハンフリー・ボガード扮するリックが登場する頃からそんな構図だとか、光の陰影、カメラアングルだとかはすっかり頭になくなり、気がつくとラストの空港のシーンであった。製作は1942年。65年前の作品ですが、イングリッド・バーグマンやハンフリー・ボガードの魅力は不滅です。当時はハリウッド全盛で、この製作会社では年間50本の映画を製作。週に1本の割合でクランク・アップしていました。カサブランカはその中の一つにすぎなかった作品で、十分に構想を練って、準備が出来てからの撮影ではありません。元となるエピソードはあったものの、それは着想部分だけで、撮影と平行しながら脚本も進行して行ったそうです。「一体私は誰と乗るの?」 有名なラストシーンで、空港からリスボン行きの飛行機に一緒に乗るは、リックかラズローか撮影の直前までバーグマンですら判らなかったそうです。そんな急いで準備もないまま製作された映画ではあるものの、現在までそしてこれからも多分不朽の名作として人々の心を捉えてやまないと思います。テンポの速い展開と、ラブロマンスや愛国心、正義といったものが、なによりも大変判りやすいストーリーの上で展開していったことが、この映画を大成功させた理由ですが、脇役であるラズローや警察署長のキャスティングも見事ですし、なんといってもハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの魅力が満載の映画です。当時イングリッド・バーグマンは28歳。彼女は冷たい美人ではなく、「温かさ、優しさのある」北欧美人ですが、映画の中で自分の生い立ちを「若い頃何も判らないまま、オスロからパリという都会に出てきた」と言っていますが、それは自分の事を言っているのであり(出身はノルーウェーではなくスエーデンで、パリではなくアメリカですが)、本人の意思は役柄同様強く、後年、実生活において、「カサブランカ」のラストではできなかったことをやっています。彼女のアップのシーンはクリスタルプリントのように輝いて撮られています。パリの回想シーンのラストで彼女は青い洋服を着ていたというリックのセリフがありましたが、もちろん白黒では判るはずもありませんが、返って想像力を掻き立てられます。

 

 

 

コメント (2)
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