久留米市と大分市を結ぶ国道210号(直轄国道)のうち、久留米市田主丸町~うきは市浮羽町の間では九州地方整備局が全長14kmのバイパス道路「浮羽バイパス」を整備中です。
https://www.qsr.mlit.go.jp/fukkoku/doro_p/doro_p01/ukihaby/
事業パンフレットはこちら
50年以上前の1973年に事業化され、1984年3月にうきは市吉井地区(当時吉井町)の940mが開通したのを皮切りに部分開通を繰り返して現在に至っています。東側では2000年4月に国道210号現道と接続しました。一方、西側では2013年12月に田主丸町中心街北側の1.3km区間が開通したのに伴い残すは国道210号現道との接続付近1.1km区間のみとなりましたが、2024年時点でも未だ開通見込みは立っていません。
その浮羽バイパスが、2024/10/31に開催された令和6年度第3回九州地方整備局事業評価監視委員会で評価対象となっており、資料が公開されているので紹介します。
https://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/s_top/jigyo-hyoka/241031/06_ukihabaipasu.pdf
東側の国道210号現道との接続部(百堂坂交差点)については、浮羽バイパスが2019年に重要物流道路に指定され通行車両の規格が大きくなったため交差点の形状変更が必要となり、事業費が5億円増となっています。
また、未開通の久留米市田主丸町豊城地区ですが、2022年度にようやく事業に本格的に着手しており、それ以降用地買収・改良工事を推進中です。資料作成時点では「豊城地区の工事に向けた着工準備、及び、埋蔵文化財の整理作業を実施中」とのことです。対象区間は平野部でさしたる河川もありませんが、2023年度に発生した巨瀬川氾濫による内水被害を踏まえて、排水の計画の見直しによる水路断面の拡大及び地盤改良等が必要となったため、この区間の事業費が5億円増となっています。
未開通区間のGoogleMap航空写真はこちら
現時点で最大のネックは、おそらく用地買収と思われます。このブログ記事を書いている時点の上記航空写真によれば、国道210号現道に近い側の道路予定地上にいくつもの建物があり、その中には複数の植木・苗木(田主丸町の特産品)を扱う事業所も含まれています。
ちなみに、浮羽バイパス区間より西側の国道210号には、このブログ記事を書いている時点でバイパス建設や道路拡幅の構想はない模様です。九州道久留米インター付近では4車線道路(久留米東バイパスとして1985年に開通)になっていますが、久留米筑水高校北側から先はもともとの2車線道路が延々と続いています。善導寺付近では家屋が連担しており、交通対策の必要性を叫ぶ地元の方々がおられた可能性もありますが・・・ 久留米市の都市計画道路計画図を見ると、
https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1050kurashi/2070machi/3030toshi/files/goromarumiyase.pdf
久留米筑水高校北側から県道739号豊田北野線の交差部の手前までは幅14m(つまり現状の幅)で都市計画決定されており、以東の善導寺・田主丸方面は用途地域は一部指定されているものの都市計画道路の決定対象エリアではない模様です。
この状況を踏まえると、完成4車線・暫定2車線で供用中の浮羽バイパスの大半の区間が4車線化されることはまず有り得ないものと思われます。実際、久留米市域では市により4車線化予定地の緑化が進められています。