2024/4/7付ブログ記事「2024年度初めの熊本天草幹線道路の進捗状況について」の続報です。
この熊本天草幹線道路に関する記事が2025/1/25付で「乗りものニュース」のサイトに掲載されましたが、
https://trafficnews.jp/post/512619
残念ながら区間ごとの進捗状況について一切触れられていなかったので、上記ブログ記事と同じ構成で2024/秋時点の進捗状況を報告することとします。
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1.国が整備する区間(熊本市内~宇城市三角町、国道57号バイパス)
九州地方整備局八代河川国道事務所の公式サイト上で、分かりやすい情報が公開されています<後述の通り内容は大いに不足していますが>。
https://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/road/vte/index.html
本来の起点である熊本市南区近見町から南区海路口(うじぐち)町までの間は相変わらず事業化に至っていません。
熊本宇土道路区間および宇土道路区間については、このブログ記事を書いている時点では2024/10時点の現地の進捗状況の写真が公開されています。
https://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/road/vte/shinchoku/index.html
国道57号現道との2か所の交差部のうち、東側の城塚橋付近の構造物の出来上がり具合は2023/4時点からかなり進んではいますがまだ完成には程遠い状況です。西側の網田IC付近も盛土ができてきています。一方、海路口付近は用地買収だけで、緑川にかかる橋は相変わらず未着工です。
宇土道路区間(城塚橋~網田IC間)には3つのトンネルが建設されますが、このうち笹原トンネル(679m)と糖塚山トンネル(431m)については既に貫通しています。八代河川国道事務所のサイトには何も書かれていませんが、それぞれの貫通式は地元関係者を招いて大々的に開催されています。
<笹原トンネル>
2023/4/23に開催された貫通式の地元テレビ局による報道はこちら
施工を担当した五洋建設の公式サイトに掲載されているプロジェクトストーリーはこちら
<糖塚山トンネル>
2024/7/21に開催された貫通式のNHK熊本放送局による報道はこちら
地元宇土市の公式サイトに掲載されている貫通式の模様はこちら
2024/6/27に放送された地元テレビ局による取材報道はこちら
もう1つのトンネルは網津長浜トンネル(2240m)ですが、こちらの進捗状況は不明です。
一方、宇土三角道路区間については、引き続き現地の進捗状況の写真はありません。これは、2021年度に事業化されたばかりでまだ用地買収がメインだからと思われます。
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2.熊本県が整備する区間(宇城市三角町~天草市本渡地区、国道266号/324号バイパス)
2024年秋時点で事業中なのは大矢野道路と本渡道路II期区間(2023年度新規事業化)のみです。大矢野と松島の間は相変わらず事業化に至っていません。
大矢野道路については、熊本県天草広域本部の公式サイトで「かわら版」が公開されています。2019/10が第1号で、このブログ記事を書いている時点では2024/10の第7号まで発刊されています。
https://www.pref.kumamoto.jp/site/amakusa/77469.html
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/259060.pdf (かわら版第7号)
こちらによれば、延長925mの新大矢野トンネル(仮称)は、2024/8/末段階で700mまで掘り進んでいるとのこと(2024/4/末段階では417mでした)。
一方、本渡道路II期区間については、2024/12/1に中心杭打ち式が開催されています。
https://www.city.amakusa.kumamoto.jp/kiji00312697/index.html
<1/26追記>
国が整備する区間については、2022/10/24に開催された令和4年度第2回九州地方整備局事業評価監視委員会で評価対象になっていました。資料はこちら
熊本宇土道路区間は1997年度に事業化され、2001年度から用地買収に着手し、2006年度から工事に着手しました。この評価時点では用地買収率は99%に達していますが事業進捗率は35%に過ぎず、「城塚地区の取得用地管理工事を実施中」とのみ記載されているので工事は中断状態にあったわけです。
一方、緑川にかかる橋(仮称=緑川大橋)については、セメント協会のサイトに以下の資料が掲載されています。
4.1.8 橋台の側方移動抑止に適用された大深度深層混合処理工~熊本県熊本市
先進的な工法の実例紹介ですが、資料の最初に「平成23年度に着工され、橋台建設工事に先駆けて①橋台の側方移動防止対策工事、②背面盛土の沈下抑制・安定対策工事、③橋台下部工工事が同時に開始された」とあります。つまりこのブログ記事を書いている時点では着工から既に12年以上経過しているはずですが、現実には緑川の中には何も構造物は出現しておらず、実質中断状態にある模様です。念のため現地のストリートビューを見てみましたが、右岸(2024/7時点)は堤防より陸地側に年季の入った橋台が1基ポツンとあるだけ、左岸(2024/1時点)は堤防のすぐ南側で川沿いの道路拡幅工事が行われ傍らにコンクリート2次製品が並べられているだけです。
なお、緑川から少し離れた南側の500mほどの区間は既に2車線分のみ盛土が完成し、いくつものボックスカルバートが連なっています・・・ストリートビューの一例(2023/7時点)はこちら