近畿運輸局は、2024/12/16付で阪急バスから提出された「一般乗合旅客自動車運送事業の路線の廃止に係る事業計画変更の事前届出書」を公示しました(近運自一公示第27号)。
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000338198.pdf (通例であれば年内に削除されるはず)
内容は、JR向日町駅を発着する大原野線のうち京都市西京区内の灰方~小塩~善峯寺間を2025/6/1から休止するもので、理由は以下の通り<原文ママ>です。
コロナ渦前より利用状況、収支状況が厳しく、日常利用が僅少であり、灰方~善峯寺間は狭隘区間が多く、誘導員が添乗する必要があり通常運行以上の経費を要しており、路線を取り巻く状況及び環境が好転する要素を見い出せないことから、運行の廃止に至った。
京都の西山山中に位置する善峯寺は西国三十三所の第二十番札所で、寺の前までは長らく阪急バスが昼間1時間毎に路線バスを運行してきましたが<道路事情が悪くなる冬期間は麓の小塩で折り返し>、2024/10/1付のダイヤ改正で2時間毎に半減しています。小塩バス停付近には集落が存在するとはいうものの(バス停付近のストリートビューはこちら=狭路ぶりが分かります)、人員不足もあり撤退を決断せざるを得なかったのでしょう。この路線がなくなれば、公共交通を利用して参拝するには最寄りバス停から1時間近く歩かざるを得なくなります。
ちなみに、西国三十三所の各寺院は清水寺<京都>・興福寺・長谷寺・勝尾寺など公共交通で行きやすい立地が多いのですが、郊外の山中にあるところも少なくありません。滋賀県大津市にある岩間山正法寺(第十二番札所)はかつて月一回の縁日に限り麓から京阪バスの臨時バスが出ていましたが今はなく、最寄りバス停から徒歩50分です。また、大阪府和泉市にある槇尾山施福寺(第四番札所)に行く南海バスの路線バスは2005年に廃止され、しばしの空白ののち和泉市のコミュニティバスが寺の前まで運行されるようになりましたが、2024/1/31限りでそれも廃止されデマンド交通「チョイソコいずみ」に転換されています<槇尾山方面のみ会員登録不要で日祝日も運行>。