関西の大手私鉄を中心とした交通事業者で構成される「スルッとKANSAI協議会」は、2000年代半ば以来、大阪市内(一部市外も含む)の私鉄・地下鉄・バスが乗り放題となり、さらに大阪市内の人気の有料観光施設(例:大阪城天守閣、通天閣、天王寺動物園、天保山大観覧車)に見せるだけで入場できる磁気式パスポート「大阪周遊パス」を発売しており、観光客にすっかり定着しています。現在は大阪観光局との共同運営となっています。
しかし、2022年春からは発売停止となっており、GWのせっかくの10連休も利用することはかないません。
大阪府内に緊急事態宣言の出た2020年や2021年のGWには当然発売中止になっていましたが、現在は何ら制約がないにもかかわらずです。
10連休直前の4月28日夜現在、大阪周遊パス公式サイトでは、その代わりに乗り放題券機能のない「大阪楽遊パス」を推奨していますが、大阪周遊パスが発売停止中の理由には触れられていません。
ただ、スルッとKANSAI協議会の主要メンバーである阪急電鉄公式サイトを見ると、
https://www.hankyu.co.jp/ticket/otoku/
以下の文言があります。
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■大阪周遊パス 販売休止のお知らせ■
大阪観光局からの要請により、当面の間、大阪周遊パスの販売を休止しております。大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご了承くださいますようお願い申しあげます。
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大阪観光局公式サイトには、発売停止の理由が明記されていました。
https://osaka-info.jp/news/content_1/#007388
届出書類の不備により、監督官庁からの要請を受け、3月11日から一時的に発売停止を余儀なくされているような書き方ですが、1か月半以上経過したのに発売再開できないわけで、いったいどれだけの規模の不備があったのでしょうね? 大阪周遊パス自体は十数年の歴史がありますし(基本的に20XX年度版として4月1日~翌年3月31日の間発売の形の繰り返しですが)、大阪周遊パス公式サイトのQ&Aを見ても2021年度版と2022年度版の違いは「パスを見せるだけで入れる観光施設の変動」だけで乗り放題対象の交通機関に変化があったわけではありません。
ちなみに、発売停止の件は(本来ならば発売しているはずの)大手私鉄の駅には掲示されているものの、それ以外では大阪近辺でさえも「ツイッターでようやくちょこちょこ話題になるレベル」であり、長引く真相は全く不明です。
それどころか、Yahoo!ニュースには3月29日付で、発売停止のはずの大阪周遊パスの販売場所の変更(大阪観光局とJTBの包括連携協定に伴うもの)を含むニュースが配信されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f7bcfe4bbb7e8cc20b90fd0ac965fd5d1745877
元ネタの大阪観光局のリリース文でもそうなっているので、記者が大阪在住でもない限り仕方ないかもしれませんが・・・
<5/7追記>
阪神電鉄の駅に掲示されている発売停止の案内です。スルッとKANSAI協議会側の問題でないことを示すため、問い合わせ先として大阪観光局の電話番号が記載されています。
<5/23追記>
販売休止に関する掲示は、5月中旬になって姿を消しました。
改めて確認したところ、大阪観光局より5月12日付で「5月16日から販売再開」の発表がありました。
https://osaka-info.jp/news/_2/
「長らくの間、ご不便をおかけいたしましたが、今後はこのようなことが無いように努めてまいりますので、引き続き宜しくお願い申しあげます。」とありますが、届出書類の不備への対応に2か月もかかるとは、いったいどんな状況だったのでしょうね?