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港に停泊中しか営業しないフェリーの船内売店

和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリーは、徳島県と関西を結ぶ唯一の旅客船航路として1日8往復しています。

https://nankai-ferry.co.jp/timetable

和歌山港では早朝・深夜を除き南海電鉄の列車と接続しており、なんばと徳島港の間を3時間20~30分程度で行き来可能な乗継パターンもあります。

さて、フェリーの船内には売店が設置されていますが、いずれの便も航行中は閉店しており、営業時間は以下の通りです。

 <平日・日曜>

  上り5便(徳島港発10:55)~8便(徳島港発18:55)の徳島港停泊中、いずれも出航5分前に営業終了

 <土曜・祝日>

  上り4便(徳島港発8:20)~8便(徳島港発16:25)の徳島港停泊中、いずれも出航5分前に営業終了

https://nankai-ferry.co.jp/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E6%B8%AF%E5%A3%B2%E5%BA%97%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%88%B9%E5%86%85%E5%A3%B2%E5%BA%97%E3%81%AE%E5%96%B6%E6%A5%AD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

各便とも徳島港での停泊時間は25~30分と短く、和歌山港から到着した船にすぐ乗れるわけではない(清掃時間あり)ので、実質的な営業時間は十数分です。そして、徳島港のターミナル内にも飲食物や土産物などを販売する売店があり、敢えて短時間だけ船内売店を営業する必然性もないので「謎」でしたが、実際に乗船して謎が解けました。

南海フェリー徳島港の様子。

ごく短時間だけ営業中の船内売店の様子。

営業時間に関する掲示には、「和歌山港」と「(上下の)下」を消した跡があります。現在の「航行中は閉店」の体制に移行した時点では和歌山港出航前も営業していたのを、さらに営業体制を縮小して徳島港出航前限定にしたことがわかります。ちなみに和歌山港側の陸上には駅構内も含め売店はありません。

そして注目は、左側の「グリーン券購入のお客様へ」の掲示です。

グリーン券(通常は500円、GWなど繁忙期は1000円)を購入すれば、収納テーブル付きリクライニングシートや4人掛けソファ席のあるグリーン船室で2時間の船旅を楽しむことができます。もちろん窓口でも購入できますが、船内での一般船室(カーペット席&固定座席&屋外)からのアップグレードも可能で、船内売店でこれを受け付けているわけです・・・ この日は一般船室は満員で、何人かアップグレードを求める客がおり最終的にグリーン船室も満員になったようです。

徳島港出航3分前の様子。売店には3人の要員がいましたが、既にシャッターは閉まり、要員が一部の商品を持ち出しています。

出航1分前。売店要員の方々が船から出て、連絡通路を小走りしています。

いざ出航! 要員が上長に最終連絡中のようです。

おそらくコロナ禍をきっかけにこの営業体制に移行したものと思われますが(2019年末時点では航行中も営業していました)、航行中も営業するとなると要員の拘束時間が増え、さらに船員扱いになるので待遇もアップさせねばなりません。少なくとも、このブログ記事を書いている時点の南海フェリーのスタッフ募集のページには、売店要員の求人はありません。

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