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姫路港旅客ターミナルエリア再編整備は7年遅れの2031年度完了予定になりました

ブログ記事「姫路港旅客ターミナルエリアの状況(2024/10/上旬時点)<追記あり>」の続報です。

兵庫県の令和6年度公共事業等審査会における評価資料は、2025/2/12付でついに兵庫県公式サイト上で公開されました。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks04/documents/r06_k16_himejikouterminal2.pdf

やはり進捗は当初計画からベタ遅れになっており、現時点では7年遅れの2031年度末となっています。

<事業期間が7年延伸となった理由>
(ア)旅客船ターミナルの改修に向け調査を進めた結果、想定よりも老朽化が進んでいたことや、アスベスト処分等が必要なことが判明したため、既存施設の改修から建替に計画の見直しを行った。このため、関係者との調整が必要となり、事業期間を5年延伸する。
(イ)新型コロナウイルスの蔓延等により、当初予定よりも関係者協議が進まなかったため、事業期間を2年延伸。

<事業費が当初計画時点から20億円増加し57億円となった理由>
(ア)旅客船ターミナルを改修から建替えへ見直したことに伴い工事費が増加。
(イ)旅客船ターミナルの改修に向け調査を進めた結果、アスベスト処分費等が増加。
(ウ)物揚場整備に伴う用地交渉の結果、物件補償費を新たに計上。
(エ)労務単価及び物価上昇等を受け工事費が増加。

「港湾-10」のページに掲載されている工程表を見ると、いずれの工程も、着手時期が大きく後ろ倒しになっていたり工期が大幅に延伸していたりなど見るも無残?な状態になっています。そして2024年度は何もスケジュールが入っていません・・・ 

1.旅客船ターミナル

 当初計画では2020年度後半~2021年度前半にかけて改修工事を行う予定でしたが、1989年完成にもかかわらず相当老朽化していることが判明し、実際には2021~2023年度の間に解体工事を・2025~2027年度の間に新ターミナルの建設工事を行うように変更されました。

2.フェリー桟橋

 当初計画では2020年度中に旅客船ターミナルのすぐ前に完成予定でしたが、旅客船ターミナルを改修から建替えへ見直したことにより現地での着工が不可能になり、旅客船ターミナル解体期間中の2021年度後半~2023年度前半に設計を終え、新旅客船ターミナルの建設工事が佳境に入っている2026~2027年度に桟橋設置工事を行う予定です。したがって、小豆島フェリーが現在のポートセンタービル前からこちらに移転してくるのは2028年度に入ってからとなることでしょうが、フェリーに乗船する車両の待機スペースはどこに確保するつもりなのでしょうね?

3.駐車場

 旅客船ターミナルのすぐ南側の駐車場は、当初計画では旅客船ターミナル改修と同時並行で暫定整備・他の施設が供用開始後の2024年度に本格整備の予定でしたが、実際には旅客船ターミナルの解体が終盤に入った2023年度に暫定整備・フェリー桟橋の設置工事と同時並行で本格整備の予定に変更されました。

4.浮桟橋

 現在はポートセンタービル南東側に発着している家島航路旅客船の移転先として、現在の物揚場(家島航路の貨物フェリーが発着)を現在のポートセンタービル前に移転し、その跡地に複数の浮桟橋を設置する計画は最初から変わりません。ただ、当初計画では2021年度中に完成予定のところ、実際には2021年度末時点で設計レベルのまま中断しました。再開は2029年度の予定で、完成は9年遅れの2030年度中となっています。

5.防波堤

 この浮桟橋を囲むように建設予定の防波堤は、当初計画では浮桟橋完成後の2022年度に着工し完成予定でした。しかし実際には2020年度に前倒しで設計を開始したものの、現地での工事に至らないまま2021年度末までに中断しました。再開は浮桟橋からやや後の2029年度後半の予定で、完成は8年半遅れの2031年度前半となっています。つまり、家島航路の旅客船がこちらに移転してくるのは早くてあと6年あまり後ということになります。

6.物揚場

 現在のポートセンタービル前への新物揚場(=家島航路の貨物フェリーの発着場所)の設置は、当初計画ではフェリーの発着場所が移転し空いた後の2023年度に着工し完成予定でした。しかし実際には2021年度に前倒しで設計を開始したものの、フェリーの発着場所変更のメドが立たない以上現地での工事ができないため中断しました。現時点では「2025年度中」「2028年度~2029年度前半」に工程が入っていますが、前者は設計の続きで、現地での工事開始は2028年度に入ってから(=フェリーが新旅客船ターミナル前に移転してから)と思われます。

7.貨物倉庫

 家島航路の貨物フェリー運航業者が使用する倉庫で、当初計画では2023年度に現在のポートセンタービルの前に新物揚場とセットで建設する予定でしたが、実際には新物揚場の現地工事が行われなかったため工程が白紙となり、新物揚場完成から2年後の2031年度後半建設予定に変更されました。

8.プロムナード

 当初計画では駐車場以南のクルーズ客船が停泊するあたりに2021~2022年度にかけ整備予定でしたが、旅客船ターミナルを改修から建替えへ見直したこともあり工程は白紙になりました。現時点では当初計画よりも9年遅れの2030年度に着工し、2031年度前半に完成予定です。

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