竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

ハラハラドキドキ、鳩山政治。

2009年11月21日 | 政治
新政権の目玉ともいえる事業仕分の第一ラウンドが終わった。正直なところ、どのようなことがはじまるのかと私自身も見当がつかないでいた。この方法は、行政刷新会議の事務局長として抜擢された加藤秀樹氏(構想日本代表)が開発し、すでに地方自治体の予算編成では活用されている手法だという。
すべてを公開で行なうというので、どんな豪華なホテルで行なうのかと思っていたら、市ヶ谷の防衛庁近くの古い体育館に会議テーブルを並べて行なうというシンプルかつ質素なものだったので驚いた。

その判定の出し方は、用意された仕分項目について、担当する省庁側が説明、仕分人が何人か質問し、答えを聞いて、あとは仕分人の多数決で存続か廃止、もしくは予算の縮減を判断するというもの。
どういう仕分人を配置するかで、仕分項目の命運ははじめから決定されているようなものだ。その仕分人がどこでどういう基準で選ばれたのかは判然としない。私の友人知人も入っているので、私自身は人選に異論はないが、釈然としない向きもあるだろう。

蓮舫議員と女性教育会館の担当者との激しいバトルも報道され、仕分人は一刀両断できって捨てる血も涙もない「悪役」のイメージがマスコミによって流されているようだが、この短時間の中で仕分人はおそらく大奮闘をしていると言っても良いであろう。
選ばれているメンバーはその筋の専門家のようであり、そう検討はずれな指摘はしている風には見えない。むしろそういう仕分人の経歴と実力を事前に国民に示すべきではなかったかと思う。
一方で、仕分項目が財務省によって用意され、財務省の極秘査定マニュアルが仕分人に配られていたという情報から、財務省の「やらせ」であるかのような報道もある。
判定ルールも明確ではなく、議員側仕分人による微妙なさじ加減もあるようで、まだまだ荒っぽいという観は否めない。

さてさはさりながら、それでも良いではないか、と言いたい。これまでの自民党政権ではできなかった既得権予算に対するメスがはじめて入れられたのである。これを一回で終わらせないで、この次はルールをもっと明確にし、仕分け項目も「議員が行なう」ようにすれば良いのである。
国民の側から、「この問題は仕分に入れよ」という声が出てくるようになればしめたものだと思う。

それにしても95兆円に膨れ上がった来年度予算要求。3兆円しか削減できなかった今年度補正予算。事業仕分でも今のところ来年度予算の縮減は4000億円程度でしかない。基金の国庫返納分をカウントしても1兆円程度だ。後半の仕分を考慮しても2兆円程度ではないか?
その一方で景気対策としてさらに今年度補正予算を組むのだそうだ。国民新党のように11兆円という大型補正を要求している筋もある。
税収は激減して30兆円しかない。総理は国債発行は44兆円以内におさめるのだという。ウームどうやっても数が合わない。いったいどうするつもりだろう。

沖縄の普天間基地移転問題といい、鳩山政治はハラハラドキドキである。それを狙っているのか無頓着なのか得体が知れないが、確実に政府の予算組が目み見える国民に「近い」ものになって来たという観はある。
みんなに「どうするんだろう」と思わせてくれる。今のところ、きっと何か解決の秘策を持っているのだろうという期待が半分である。普天間基地を見事に沖縄の外に持って行けば、それを押し付けられたところ以外は拍手喝采であろう。来年度予算も、今年度を上回る90億円くらいになったとしても、「お見事」みたいな評価になるであろう。
いったんヒヤヒヤさせて、最悪一歩手前でおさめる。そんな芸当ができるのであれば、この内閣はホンモノである。

ぜひそうであることを望みたいが、いろいろ不穏な要素もある。政権の目玉ともいえる事業仕分ショーに最初に冷水を浴びせたのは、なんと小沢一郎幹事長であった。事業仕分に新人議員を使うなということで、最初に選ばれた仕分担当議員を半減させてしまった。2週間迷走し、結果的にスケジュールも苦しくなった。
政権側と与党は違う・・というのが、小沢氏の主張のようだが、私の感覚ではこれは変。日本は総理大臣を議会で指名する議院内閣制なのだから、与党が総理大臣を選び政府を作る制度だ。与党と政権とは表裏一体で、与党は政権党は違うというのは、少し無責任に過ぎる。

来年度予算にしろ、外交問題にしろ、ヒヤヒヤのハラハラドキドキ状態であるなら、与党議員は積極的に関与し協力するべきだ。むしろ総力戦で乗り切るべしと幹事長たるものは陣頭指揮を取るくらいのものであるはず。
小沢チルドレンなどと揶揄される新人議員を囲い込み、政権への非協力を貫かせるというのは不思議としか言いようがない。さらには、与党側なのだから質問もする必要なしと、質問を制限したり議員立法を制限するのは自己矛盾である。
小沢氏の場合、野党に置くと鋭い参謀となるのだが、与党側になったときには、いつも打ち手を間違えるようだ。かつての細川・羽田政権では、当時のさきがけと社会党に対し、無理難題をふっかけ、結局政権崩壊を招いた。
今回の小沢流も、来年の参議院選挙での民主党の勝利をあせるあまり、相当の党内亀裂、連立政権内亀裂を生み出すのではなかろうか。

まずはそうならないことを願うばかりである。




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