竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

15%削減のまやかし

2009年06月11日 | 政治
昨日、麻生総理は日本の地球温暖化対策として2020年までに15%削減という目標を誇らしげに発表しました。
世界をリードするのだと・・。
しかし、これは物差しを勝手に変えた「ペテン」そのものでした。
基準年を2005年にしてしまったのです。
世界が共通して持っている物差しは1990年という基準年。
これは、京都議定書を主催した日本自身が設定したルールでもあります。
それを、どこを基準にするかなんかルールはない!と言い放ったのが麻生総理。
勉強してないのは漢字だけではないらしい。

基準年を勝手に動かすとどうなるのか。
例えばドイツは2012年までに21%削減という目標を掲げ、すでに23.3%削減し目標を上回っている。
次の目標は2020年で、なんと40%という高い目標を掲げている。
これ全部、基準年は1990年。

日本の15%は、これに比べて低いけど、まあそこそこやってるじゃん・・と思ってしまう人もあるのでは。
日本の基準年は2005年なので、京都議定書からこの年まで、日本は排出削減の努力などほとんどせず、排出を増やしに増やし続けて8%増としている。
京都議定書の日本の国際約束は「1990年レベルの6%減」、ところが8%増やしてしまったのだから、到達目標からは14%も増えている。
じつは、昨日の麻生総理の発表の前まで、日本は14%削減という目標にすると思われていた。もちろん2005年レベルから。
これ、つまり、京都議定書と同じ、ということ。
世界各国が高い目標を掲げている中で、なんだ!これ!

麻生総理の功績は、この14%を太陽光発電普及分を加えて15%としたこと。
結果的に、京都議定書の目標よりは1%ほどハードルを高くした。
まあ、誇れることではないが。

ちなみに世界各国の目標値(1990年を基準年とした)をご紹介しよう。
EU-2020年に34%、
中国-2020年に21%、
イギリス-2015年に15%
アメリカ-2025年に25%
などなど
これに対し、日本は7%としたということになる。

この低い低い目標すら、実は官邸としては大英断だ。
なぜならば、この目標設定に対して、財界からの意見の90%が4%増という要求になっていたからだ。
何を考えているのか・・、というより、この人たち、ほとんど何も考えていない!と言った方が良い。

世界はグリーンニューディールで、EUで280万人、アメリカで250万人という雇用が1年で生まれる。
日本も実は太陽光発電の現場も、ハイブリッド車の現場も「好景気」なのだが、その流れを加速しようという動きは見えて来ない。むしろいまいましく、そんな事実は認めない、という財界人が相当にたくさんいるのだろう。
おそらく、そんな大多数が10年後には消えていなくなっているだろう。
環境を無視するものは経済からしっぺ返しを食う。
頑迷な財界人も、やがてそのことに気づくだろう。
これが21世紀の当たり前のルールになりつつある。










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