気がつくと9月末。9月はまったくブログを発信していない。
どうしたんだ!とご心配のむきもあるかもしれないので、近況報告。
地域・市民共同発電所全国フォーラムに参加のため、京都まで行ってきた。
この全国フォーラムは5回目だが、5年前の市民共同発電所全国フォーラムは参加者も少なく、このまま消滅か?と思われたとか。しかし、3.11の東日本大震災と福島第一原発事故を受け、全国で自ら電気をつくろうという取組みが数多く出現。9月21日、22日にわたって開かれた今回のフォーラムは『地域』という言葉を名称に加え、文字通り全国各地から200人を超える人々の集まる賑やかなイベントとなった。
宿泊は会場となった龍谷大学の近くのホテル。そこで全国フォーラムを終えた翌日、近くの宝塔寺、石峰寺などの訪ねてみた。
神社仏閣の街である京都の中で、このあたり(深草)は観光地とは見えない住宅街。お寺も、こじんまりしてひっそりした雰囲気だろうと期待して出かけた。
はたして、最初に訪れた石峰寺でむかえてくれたのは石仏。それも小さくて無数の石仏たち。どうやらお釈迦様が生まれてからお亡くなりになるまでの場面場面を石仏で描いたものらしい。あとで調べたら、なんと伊藤若冲がつくった五百羅漢。撮影は禁止となっているので、写真が見せられないのが残念。多くの旅人が石を置いたであろう石塔の写真だけごらんあれ。
地域・市民共同発電所全国フォーラムのテーマは、あえてまとめるなら『市民事業』。
FIT(自然エネルギーの電気の買取り保証制度)が実施され、日本ではいまメガソーラーブームが起きている。しかし、その事業の大部分は大手資本がドーンとお金を出しての開発で、地域の資源を大企業の利益に変えてしまうだけのものになっている。
一方で風力発電には厳しい系統制約(送電線の運用ルールによる接続制限)がかけられ、バイオマス、地熱、小水力にも幾重にも法的規制がある。
風力発電の騒音、低周波被害等、自然エネルギー側で解決すべき問題もあり『市民事業』もそう簡単ではない。
そんなさまざまな課題を整理し共有化するとともに、大手資本による巨大開発に対して、地域住民の力で地域の状況に即した分散型の市民事業を興しネットワークすることで大きな流れに対抗していこうということもテーマだった。
石峰寺の次に訪れたのは『宝塔寺』
この寺は現役バリバリの日蓮宗の寺だ。参道の両側にはいくつもの塔頭(関連する小寺)がきれいに整備され、良く整頓されている。(冒頭の写真)
急な参道の上には仁王門が見え、その向こうに需要文化財の本堂が見える。ちょっと山寺の雰囲気だ。
仁王門にたどりつくと両側に赤い仁王が二体、こちらを睨んでいる。仁王門をくぐって本堂の前に立つと、長年の風雪に耐えた貫禄を感じさせる。
本堂の右手には多宝塔。これも重要文化財だ。宝塔寺の名前の由来もここからだろう。その裏手は墓苑になっている。けっこう立派なお墓もあり、たとえば「故海軍上等機関兵曹・・」という文字が見える。かつての太平洋戦争で若くして逝ってしまった息子を想って、親御さんが建てたものであろう。結構あちらこちらにある。
地域活性化につながる『地域エネルギー事業』
地域・市民共同発電所全国フォーラムでは、私は初日のパネルディスカッションのパネリストと2日目の分科会4のコーディネーターを担当した。
初日には、自然エネルギーのポテンシャルとそれを伸ばすための電力システム改革の重要性について話した。2日目の分科会では『地域活性化』をキーワードに討論を行なった。
少し紹介すると、4つの事例報告があった。全国的に地域エネルギー事業の立ち上げをサポートしている全国小水力推進協議会と菜の花プロジェクト。まったく毛色の違う団体だが、それぞれ全国展開している。とくにバイオマスを燃料活用する菜の花プロジェクトは、農家民宿や農家レストランなどの『関連事業』を各地で作り上げてきている。
全国ではなく地域での展開としては『しずおか未来エネルギー』と『エネコープ』。しずおか未来エネルギーは規模はまだ小さいが、自治体や地域の企業さらに信用金庫などと絶妙な関係づくりを行ないながら、事業を軌道に乗せた。エネコープは地域といっても北海道全域で、すでに大きなエネルギー会社としてのベースを持っている。北海道人口の半分に匹敵する240万人の会員を抱え、このまま新電力に打って出れれば、北海道電力に匹敵するほどの勢力になるかもしれない。
しかしバイオガスを活用しようとするエネコープ、バイオ燃料を普及させようとする菜の花プロジェクトがともに、バイオガスへの理不尽な規制の現状を指摘していた。壁も厚いということだ。
最後に『パワースポット』に到達
さて宝塔寺である。多宝塔の上に参道は続いている、そこをずんずん歩いて登って行くと、そこに『パワースポット』を発見した。
宝塔寺は元は『極楽寺』という真言宗のお寺だった。そこに日蓮上人の遺命を受けた日像上人が北陸方面から京都に入る。当時の極楽寺の住職と法論を行ない折伏、帰依させる。そして宝塔寺と寺の名を改めたという。
日像上人のパワーはすごかったようで、次々に折伏していく日像上人を、当時の京都仏教界は流罪にする。それでも2年くらいで許されて京都に戻り、また布教活動。そしてまた流罪、また戻りと・・4度の流罪を経験する。流されても流されても、舞い戻っては広げるというパワー。私もあやかりたいものである。
その日像上人は亡くなったあと、遺言で宝塔寺で荼毘に付された。その焼かれた場所も保存されているが、パワースポットはもっと山の上にある。
ここだ!
信徒が寄進したものだろう『経一丸さま』とかかれた像がある。日像上人の幼少の頃の名前のようだ。この左手前にあるのが拝礼のポイントだ。この拝礼ポイントに立って上を見上げると、日動上人をまつった御堂がある。ここに立つと、確かにパワーをもらえたような気がした。
さて市民事業も地域エネルギー事業もまずはチャレンジ
地域・市民共同発電所全国フォーラムは多様な地域、事業、レベルの集まりである。あまりにバラバラで、最初は私も面食らった。しかし、それだけ多種多様な力が集まり、意見が生み出されるということでもある。それがパワーの源なのだ。
それぞれが独自な発想や発展、成長も重ねている。後続者たちも、いろいろな事例を見て自分に最適なものも選ぶことができるだろう。いまは、FITというツールもあり、まずは思いきってチャレンジすることだと思う。壁はそんなに低くはない。しかしどのくらいの高さか、どの程度厚いのか、それはたくさんの人がぶつかることでわかる。そのためには、全国でみんながチャレンジすることだ。それが市民のパワーだ!となにやら日像上人からも後ろを押されているような気がする。私はいちおうキリスト教なのだが・・。
どうしたんだ!とご心配のむきもあるかもしれないので、近況報告。
地域・市民共同発電所全国フォーラムに参加のため、京都まで行ってきた。
この全国フォーラムは5回目だが、5年前の市民共同発電所全国フォーラムは参加者も少なく、このまま消滅か?と思われたとか。しかし、3.11の東日本大震災と福島第一原発事故を受け、全国で自ら電気をつくろうという取組みが数多く出現。9月21日、22日にわたって開かれた今回のフォーラムは『地域』という言葉を名称に加え、文字通り全国各地から200人を超える人々の集まる賑やかなイベントとなった。
宿泊は会場となった龍谷大学の近くのホテル。そこで全国フォーラムを終えた翌日、近くの宝塔寺、石峰寺などの訪ねてみた。
神社仏閣の街である京都の中で、このあたり(深草)は観光地とは見えない住宅街。お寺も、こじんまりしてひっそりした雰囲気だろうと期待して出かけた。
はたして、最初に訪れた石峰寺でむかえてくれたのは石仏。それも小さくて無数の石仏たち。どうやらお釈迦様が生まれてからお亡くなりになるまでの場面場面を石仏で描いたものらしい。あとで調べたら、なんと伊藤若冲がつくった五百羅漢。撮影は禁止となっているので、写真が見せられないのが残念。多くの旅人が石を置いたであろう石塔の写真だけごらんあれ。
地域・市民共同発電所全国フォーラムのテーマは、あえてまとめるなら『市民事業』。
FIT(自然エネルギーの電気の買取り保証制度)が実施され、日本ではいまメガソーラーブームが起きている。しかし、その事業の大部分は大手資本がドーンとお金を出しての開発で、地域の資源を大企業の利益に変えてしまうだけのものになっている。
一方で風力発電には厳しい系統制約(送電線の運用ルールによる接続制限)がかけられ、バイオマス、地熱、小水力にも幾重にも法的規制がある。
風力発電の騒音、低周波被害等、自然エネルギー側で解決すべき問題もあり『市民事業』もそう簡単ではない。
そんなさまざまな課題を整理し共有化するとともに、大手資本による巨大開発に対して、地域住民の力で地域の状況に即した分散型の市民事業を興しネットワークすることで大きな流れに対抗していこうということもテーマだった。
石峰寺の次に訪れたのは『宝塔寺』
この寺は現役バリバリの日蓮宗の寺だ。参道の両側にはいくつもの塔頭(関連する小寺)がきれいに整備され、良く整頓されている。(冒頭の写真)
急な参道の上には仁王門が見え、その向こうに需要文化財の本堂が見える。ちょっと山寺の雰囲気だ。
仁王門にたどりつくと両側に赤い仁王が二体、こちらを睨んでいる。仁王門をくぐって本堂の前に立つと、長年の風雪に耐えた貫禄を感じさせる。
本堂の右手には多宝塔。これも重要文化財だ。宝塔寺の名前の由来もここからだろう。その裏手は墓苑になっている。けっこう立派なお墓もあり、たとえば「故海軍上等機関兵曹・・」という文字が見える。かつての太平洋戦争で若くして逝ってしまった息子を想って、親御さんが建てたものであろう。結構あちらこちらにある。
地域活性化につながる『地域エネルギー事業』
地域・市民共同発電所全国フォーラムでは、私は初日のパネルディスカッションのパネリストと2日目の分科会4のコーディネーターを担当した。
初日には、自然エネルギーのポテンシャルとそれを伸ばすための電力システム改革の重要性について話した。2日目の分科会では『地域活性化』をキーワードに討論を行なった。
少し紹介すると、4つの事例報告があった。全国的に地域エネルギー事業の立ち上げをサポートしている全国小水力推進協議会と菜の花プロジェクト。まったく毛色の違う団体だが、それぞれ全国展開している。とくにバイオマスを燃料活用する菜の花プロジェクトは、農家民宿や農家レストランなどの『関連事業』を各地で作り上げてきている。
全国ではなく地域での展開としては『しずおか未来エネルギー』と『エネコープ』。しずおか未来エネルギーは規模はまだ小さいが、自治体や地域の企業さらに信用金庫などと絶妙な関係づくりを行ないながら、事業を軌道に乗せた。エネコープは地域といっても北海道全域で、すでに大きなエネルギー会社としてのベースを持っている。北海道人口の半分に匹敵する240万人の会員を抱え、このまま新電力に打って出れれば、北海道電力に匹敵するほどの勢力になるかもしれない。
しかしバイオガスを活用しようとするエネコープ、バイオ燃料を普及させようとする菜の花プロジェクトがともに、バイオガスへの理不尽な規制の現状を指摘していた。壁も厚いということだ。
最後に『パワースポット』に到達
さて宝塔寺である。多宝塔の上に参道は続いている、そこをずんずん歩いて登って行くと、そこに『パワースポット』を発見した。
宝塔寺は元は『極楽寺』という真言宗のお寺だった。そこに日蓮上人の遺命を受けた日像上人が北陸方面から京都に入る。当時の極楽寺の住職と法論を行ない折伏、帰依させる。そして宝塔寺と寺の名を改めたという。
日像上人のパワーはすごかったようで、次々に折伏していく日像上人を、当時の京都仏教界は流罪にする。それでも2年くらいで許されて京都に戻り、また布教活動。そしてまた流罪、また戻りと・・4度の流罪を経験する。流されても流されても、舞い戻っては広げるというパワー。私もあやかりたいものである。
その日像上人は亡くなったあと、遺言で宝塔寺で荼毘に付された。その焼かれた場所も保存されているが、パワースポットはもっと山の上にある。
ここだ!
信徒が寄進したものだろう『経一丸さま』とかかれた像がある。日像上人の幼少の頃の名前のようだ。この左手前にあるのが拝礼のポイントだ。この拝礼ポイントに立って上を見上げると、日動上人をまつった御堂がある。ここに立つと、確かにパワーをもらえたような気がした。
さて市民事業も地域エネルギー事業もまずはチャレンジ
地域・市民共同発電所全国フォーラムは多様な地域、事業、レベルの集まりである。あまりにバラバラで、最初は私も面食らった。しかし、それだけ多種多様な力が集まり、意見が生み出されるということでもある。それがパワーの源なのだ。
それぞれが独自な発想や発展、成長も重ねている。後続者たちも、いろいろな事例を見て自分に最適なものも選ぶことができるだろう。いまは、FITというツールもあり、まずは思いきってチャレンジすることだと思う。壁はそんなに低くはない。しかしどのくらいの高さか、どの程度厚いのか、それはたくさんの人がぶつかることでわかる。そのためには、全国でみんながチャレンジすることだ。それが市民のパワーだ!となにやら日像上人からも後ろを押されているような気がする。私はいちおうキリスト教なのだが・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます