甍（いらか）の波

 

2019年11月以来の海外出張。

４年間も一度も海外に出なかったとは！

 

コロナ後初の出張先は、いちばん身近な韓国です。

海外といっても、2時間飛ぶだけだし、時差も無いので、再開後の出張先には

最適です。

 

 

インチョン空港からソウル市内に向かう高速道路を走っていて、外を眺めていたら、

妙な景色に出会いました。

川の上にたくさんの段ボールが積み上げられているように見えます。

 

 

近づくと、橋の再塗装か、補修工事をするための足場を組んで、それを保護した覆い

なんでしょうか？

 

何でも段ボールに見えるって言うのは職業病ですね。笑

 

 

ホテルにチェックインしたのが4時前。

夜の7時からの会食までは時間があるので、同行してくれたOくんと一緒に

市内歩きに出ました。

 

飛行機の中で調べていたら、古い街並みが残っている　北村韓屋村　という

場所が出ていました。　どこの国に行っても、昔の雰囲気の残る場所を歩く

ことが好きなので、地下鉄を乗り継いで、１時間くらいかけて向かいました。

 

 

かなり観光スポット化しているようで、地元の人に混じって、たくさんの外国人

観光客もブラブラしています。　でもOくんが持参した『地球の歩き方』には

まったく登場していません。　古民家、そしてそれをリノベーションした飲食店、

旅館が混在しています。

 

 

その中でも、この古い街並み（韓屋）を上から見られる知られざる展望スポットが

あるということで、そこを探しました。

 

とても入り組んだ路地の行き止まりのような場所に入り口がありました。

 

この展望スペースは、この建物の1、2階に人が住んでいて、３階部分を展望スペースと

して、入場料を取って、お茶やコーヒーをサービスしています。

 

３階まで階段で上ると、入り口におっちゃんが座っていて、一人3,000ウォン（300円）

徴収されますが、飲み物の代金と思えば、安いものです。

 

で窓際に椅子がいくつか並べてあるだけの、５ｍ×５ｍくらいの部屋ですが、

そこから見える景色は、

タイムスリップしたかのような、昔のソウルの街並み（だと思います）。

 

北村韓屋村は観光スポットですが、この私設展望スペースはあまり知られていない

とネットには書いてあった通りです。雑踏から解放され、我々も含めて数名だけが

窓際のイスに腰かけ、お茶を飲みながら、沈みつつある夕陽に照らされた甍の波を

眺め、ひと昔前の雰囲気を味わいました。

 

 

雰囲気のいいカフェでも何でもありません。ただの３階建てのビルの一室です。

お茶もティーバッグです。でもこの街をちょっと上から眺める景色は、他では

味わえない場所でした。

 

１時間くらいの散歩でしたが、楽しい時間でした。