磯輪日記

世界の段ボールビトを幸せに!
自分と自分の愛する家族の幸せのために働ける
世界一社風のいい会社を目指しています。

非武装地帯潜入レポートその3

2006年03月31日 22時25分24秒 | オフ・ビジネス

3月26日付けのブログの続きです。

続いて韓国の最北端展望台、ドラ展望台へ向かいました。

軍事境界線はひと目でわかります。というのは、一歩北朝鮮側に
なると、燃料不足のため、山の木がすべて伐採されていて、山が
丸坊主なんです。燃料事情は苦しいんでしょうね。



ここで韓国軍兵士から説明を聞き、展望台から500ウォン
(約50円)入れて、望遠鏡で北朝鮮をのぞいてみました。

右手に小さ~く板門店が、そしてそのさらに右手に先ほど紹介した、
税金・兵役免除の『自由の村』とそこにたなびく韓国国旗。そこ
からやや左に戻ると、以前は北朝鮮が対南情宣用の放送をとてつも
なく大きな音で流す宣伝村。結構立派そうな建物が見えますが、
全部『はりぼて』らしいです。

ただひとつ異様に目に付くものがあります。何だと思いますか?
世界一高いと言われる国旗掲揚塔(180m)です。これが
はっきり見えます。ここに掲げられている北朝鮮国旗は長さが
30mもあるという巨大な旗です。これも世界一だろうな~

少し前までは誰も住んでいませんでした。その証拠に、毎夕必ず
同じ時間になると電気がつくし、洗濯物が一切干されない。とこ
ろが最近は少しだけですが人が住み始めたそうです。


さらに左に奥に、ケソンという北朝鮮の町が見えます。
ここには北朝鮮が作った工業団地があり、すでに韓国企業がいくつ
か進出して、稼動しているそうです。人件費が安く、月50ドルで
北の人を雇えるので、韓国企業にとってメリットがあります。
これは北朝鮮にもメリットがあるそうで、月給50ドルというのは、
北ではとてつもない高給です。ところが北朝鮮政府も然る者。
この内42ドルは北朝鮮政府がピンはねし、本人には8ドルしか
渡らないそうです。なかなかしたたかですね~、北朝鮮は。

実は我が社の韓国のお客様でも、このケソン工業団地に進出する
という話が昨年あり、一時はそのお客様内でも、

 「誰それが責任者となって赴任することが決まった」

という噂が流れ、当の本人は随分悩んだそうです。

またこれが本決まりになれば、我が社からも据付に人を出さなきゃ
いけないし、今回このDMZツアーに同行してくれている代理店の
担当者も、

 「絶対に北のホテルで一日たりとて泊まりたくない。
  南で一番北に近いホテルを取って、毎日そこから通うでも
  しなきゃ、心配でしょうがない」

と、本気で心配したそうです。

幸か不幸か、この話は流れたので、ホッとしたそうですが、今回の
DMZツアーに参加してみて、

 「もし本当に決まっていたら、思っていたよりもはるかに大変
  だったと言うことがよ~く分かりました」

と喜んで(?)いました。 


さてまたまた時間に追い立てられるように、次のスポットである
ドラサン駅へ移動です。

韓国戦争以前は、ソウルとピョンヤンは一本の鉄道でつながって
いましたが、戦争を境に、線路も分断されたままです。このドラ
サン駅が韓国内で最も北に位置する駅だということで、何となく
悲しい歴史が漂うさびれた趣の駅かな~とイメージしてたら、
何のことはないインチョン空港のミニ版かというような超近代的な
デザインの立派な真新しい駅じゃないですか! 



 「ウッソー」 \(◎o◎)/! 「調子狂っちゃうじゃない」

ドラ展望台から見えたケソンの工業団地も、このドラサン駅も、
開発には前に紹介した現代グループが深~く関わっているそうです。

南北融和が進めば、このドラサン駅は、北朝鮮だけでなく、そこから
シベリア鉄道に乗り入れて、遥かヨーロッパまでの交易の拠点になる
という意気込みが感じられました。

そんなメッセージとして、駅には、

 ソウルまで56km。 ピョンヤンまで205km

として、

 「南からの最後の駅でなく、北への最初の駅」

とのスローガンが掲げられていました。こういう日がいつ来るんで
しょうか・・・


それから、それから、次はただで土地を借りられる『統一村』の
スーパーというか、みやげ物屋さん訪問です。

最初に紹介したようにこの一帯は、韓国でも有名な米、豆、朝鮮
人参の産地で、そういった統一村の名産品でぎっしりでした。



面白かったことがふたつ。

ひとつはお米が入った袋には、「DMZ」の文字と、朝鮮半島の
シルエット、そして鉄条網で描かれた38度線。なかなか商売上手
ですね~ この袋のデザインが気に入ったので、袋欲しさにお米を
買おうかと思いましたが、デジカメ撮影で我慢しました。



二つ目は、15cmくらいの長さの錆びた鉄条網が

 「DMZ鉄条網 Limited Edition」

として32,000ウォン(約3,000円)で売られていました。



韓国も商売上手ですね~ 気に入りました!
でも買いませんでした。こちらもデジカメで用が足りました。


その後もう一度検問所に戻り、ここを通り抜けて、シャバに復帰。
イムジンガクで、軍のバスから降りて、それぞれのツアー会社の
バスに戻って、ツアー終了。

DMZ、非武装地帯という名前とは裏腹に、何のことはない韓国内
でも最も厳重に警備された一帯であり、平和ボケしている日本人に
とってはいろいろ考えさせられるツアーでした。

ぜひ次は板門店に足を運んでみたいと思いました。


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2 コメント

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国境 (シムラ)
2006-04-01 19:31:56
1,2,3と興味深く読ませていただきました。ずいぶん昔ですが、北欧のフィンランドへ出張した時に、滞在していたラハティという町の駅からはレニングラード行きの列車が出ていることに驚きました。ソ連はロシアとなり今では、サンペテルスブルグのはずですが、当時はソ連と言うと東西冷戦で、列車でつながっている所に居ると思うだけで緊張感がありました。

日本国内では国境なんて意識する事ありませんが、凄いところへ行かれましね。
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いつかは板門店 (磯輪)
2006-04-01 20:18:34
 シムラさん



ぜひ今度は板門店へ行きたいと思います。

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