磯輪日記

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Innovation ≠ Progress 

2020年08月25日 19時23分02秒 | オフ・ビジネス

 

楠木先生の講演をオンラインで聞きました。

テーマは、

 『イノベーションの本質』

あいにく以前聞いた講演とほぼ同じ内容でした。

しかし人間とは(少なくとも私は)いい加減なもので、結構忘れてるんですね・・・

聞けば思い出すけど。だから何度も聞かないといけないのかも。

 

 「『イノベーション』は、すごい『進歩』ではない」

 

その例として、今のスマホはすぐに充電が切れるけど、もし1回充電したら、

1カ月ずっと使えるスマホができたとしても、これは単なる すごい『進歩』。

 

 「技術は進歩と親和性が高い。

  だから企業は次元の見える技術進歩が大好き。

  これは、『もっと○○を』というライバルからの圧力、顧客からの圧力で

  あったり、はたまた進歩は管理しやすいという理由による。

  特に初期の技術はお客のニーズが先行しているので、進歩の方が

  簡単に儲かる。 しかし成熟した技術の場合、すでに技術がニーズを

  超えているので、進歩では儲からない」

 

って、ほとんどの分野は成熟してますからね。

 

そうではない、イノベーションの例をいくつか示してくれました。

その中で最高だったのが、アデランスです。それも男性向けのもの。

女性の場合、かつら(『ウィッグ』って言わないといけませんかね)の目的は

単に薄毛対策だけじゃなく、ファッションなどのニーズもあるけど、男性用の

ニーズはただひとつ。これじゃあ売り上げを伸ばせない。

 

そういう相談をアデランスから受けた楠木先生、『異日常』のウィッグを提案した

そうです。「髪も着替える」というコンセプトで、自分がロックローラーでバンドを

やってるので、

 

 「やっぱりフサフサの髪を振り乱して演奏したい」

 

という願望をかなえるウィッグという市場を提案したそうです。

 

その結果、

右下隅が楠木先生の『異日常』です!

じっくりビフォーアフター比較してみてください。

 

男性かつらの新しい『異日常』マーケットを拓く。

これも立派な『イノベーション』だそうです。

その後、このマーケットでアデランスさんはいかほど儲けたのでしょう?

 

さて冒頭の写真の左側に注目!

VWの広告 " Think Small "。

「大きいことはイイことだ」というアメリカ市場にVWが乗り込んだ時の広告。

『大きさ』でなく『小ささ』というまったく新しい競争軸を導入した。

これも有名なイノベーション。

ちなみにこの広告は  「20世紀の広告キャンペーントップ100」の投票で1位 に輝いた

そうです。

 

イノベーションは『すごい』進歩ではあらず。

 

 


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