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楠木先生の講演をオンラインで聞きました。
テーマは、
『イノベーションの本質』
あいにく以前聞いた講演とほぼ同じ内容でした。
しかし人間とは(少なくとも私は)いい加減なもので、結構忘れてるんですね・・・
聞けば思い出すけど。だから何度も聞かないといけないのかも。
「『イノベーション』は、すごい『進歩』ではない」
その例として、今のスマホはすぐに充電が切れるけど、もし1回充電したら、
1カ月ずっと使えるスマホができたとしても、これは単なる すごい『進歩』。
「技術は進歩と親和性が高い。
だから企業は次元の見える技術進歩が大好き。
これは、『もっと○○を』というライバルからの圧力、顧客からの圧力で
あったり、はたまた進歩は管理しやすいという理由による。
特に初期の技術はお客のニーズが先行しているので、進歩の方が
簡単に儲かる。 しかし成熟した技術の場合、すでに技術がニーズを
超えているので、進歩では儲からない」
って、ほとんどの分野は成熟してますからね。
そうではない、イノベーションの例をいくつか示してくれました。
その中で最高だったのが、アデランスです。それも男性向けのもの。
女性の場合、かつら(『ウィッグ』って言わないといけませんかね)の目的は
単に薄毛対策だけじゃなく、ファッションなどのニーズもあるけど、男性用の
ニーズはただひとつ。これじゃあ売り上げを伸ばせない。
そういう相談をアデランスから受けた楠木先生、『異日常』のウィッグを提案した
そうです。「髪も着替える」というコンセプトで、自分がロックローラーでバンドを
やってるので、
「やっぱりフサフサの髪を振り乱して演奏したい」
という願望をかなえるウィッグという市場を提案したそうです。
その結果、
右下隅が楠木先生の『異日常』です!
じっくりビフォーアフター比較してみてください。
男性かつらの新しい『異日常』マーケットを拓く。
これも立派な『イノベーション』だそうです。
その後、このマーケットでアデランスさんはいかほど儲けたのでしょう?
さて冒頭の写真の左側に注目!
VWの広告 " Think Small "。
「大きいことはイイことだ」というアメリカ市場にVWが乗り込んだ時の広告。
『大きさ』でなく『小ささ』というまったく新しい競争軸を導入した。
これも有名なイノベーション。
ちなみにこの広告は 「20世紀の広告キャンペーントップ100」の投票で1位 に輝いた
そうです。
イノベーションは『すごい』進歩ではあらず。
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